カテゴリー: 術式から選ぶ

GossoLi initial category

  • 内視鏡認定医取得のための尿管と子宮動脈同定アプローチの選択ガイド

    内視鏡認定医取得のための尿管と子宮動脈同定アプローチの選択ガイド

    「尿管と子宮動脈、どのアプローチが一番スマート?」


    そんな疑問、内視鏡認定医ビデオ撮影前に一度は頭をよぎりますよね。

    内視鏡認定医試験は、知識だけでなく、手技の選択眼も問われる試練。前方、側方、後方と3つのアプローチから選ぶ必要があり、どれを選ぶかで評価が大きく変わることも。

    今回は、この選択の迷宮から抜け出すための3つのポイントを届けします。

    1. 自身の経験を第一の羅針盤に

    「慣れた道を選べ」――迷ったらまずは足跡を辿る

    まず最初に言いたいのは、「試験本番で実験しないで!」ということ。10回以上こなしたアプローチがあれば、それがあなたのゴールデンルールです。

    「いや、他のやり方も試してみたいんだよな…」なんて冒険心は一旦棚に上げてください。本番での「未知のアプローチデビュー」はリスクが高すぎます。


    どんな迷路でも、何度も通った道ならば自然と足が進みますよね。同じように、試験でも自分が10回以上手掛けたことのあるアプローチを選ぶのが最も確実です。慣れた動作は緊張した場面でも手が覚えており、余計なミスを防ぎます。

    仮に複数の道が「慣れた道」ならば、次に考慮するのは採点者の視点です。それは、観光ガイドが観光客に一番の見どころを選ぶようなもの。採点者にとってなじみ深いアプローチを選ぶことで、評価も好印象となるでしょう。

    2. 採点者が見慣れた風景を意識せよ

    採点者が馴染みのある「風景」を再現する
    内視鏡認定医試験の採点者は多くの場合、50代前後のベテラン医師たち。彼らの経験に基づく偏りを逆手に取ることが試験攻略の鍵です。


    採点者は長年の経験から、特定のアプローチに馴染んでいます。腹腔鏡手術でよく選ばれる側方アプローチは、彼らにとって「定番の観光スポット」のようなもの。

    一方、開腹手術での経験もなじみがあります。開腹では上部靱帯の処理から入りますよね。それは前方アプローチ。開腹経験があるため前方アプローチも親しみのある選択肢です。


    後方アプローチは「知る人ぞ知る名所」――興味を引く一方で、理解が追いつかないことも。採点者の年齢層や背景を考慮すれば、側方か前方を選ぶのが無難です。

    3. 剥離しすぎない――「触りすぎると爆発する地雷」と考える

    「剥きすぎ注意」――過剰な展開はリスクを招く

    尿管の同定に関して、「見つけなくてOK」と言われると拍子抜けするかもしれませんが、実はこれ、真実。学会の指針にも書いてあります。腹膜越しに尿管の位置を確認し、適切な距離を保てれば合格ラインです。


    尿管の位置は「地図に書かれた地雷ポイント」のようなものです。それを大げさに探し回る必要はありません。

    腹膜越しに確認でき、広間膜を適切に展開できていれば問題なし。剥きすぎると尿管という繊細な地雷を爆発させるリスクが高まります。

    また、剥離が広範囲に及ぶと、脂肪組織を傷つけ静脈出血が多きやすく見にくくなったり、結果として大量出血や他臓器損傷のリスクが増大します。「適度な距離感を保つ」ことが安全への鍵です.

    結論:どのアプローチを選ぶべきなの?

    結局どれを選ぶべき?

    最優先すべきは、やり慣れているアプローチです。練習で培った自信が何よりも力になります。ただし、迷った場合は、採点者が見慣れている側方アプローチや、開腹でオーソドックスな前方アプローチを選ぶと無難です。

    注意点として、側方や後方アプローチは剥離範囲が広がりやすいため、必要以上の剥離をしないように心がけましょう。試験では、「確実性」と「適度な範囲」が評価されることを忘れずに!

    1. やり慣れた道を進む
       試験という迷路で迷わないためには、自分の経験という羅針盤を信じましょう。
    2. 採点者に馴染みのある風景を意識
       側方アプローチは最も採点者が慣れている道筋。前方も開腹に近い形で馴染みがあります。
    3. 剥離のリスクを抑える
       「触れすぎると爆発する地雷」を避けるように適切な距離を保ち、尿管の位置を確認しましょう。

    さらなる実践のヒント

    試験の練習では、側方アプローチを中心に、前方アプローチの手順も確認しておくと安心です。剥離作業は、適度な力加減とテンションを意識することが大切です。視野展開をスムーズに進めるためには、出血しない範囲での剥離を徹底しましょう。迷わない準備が、合格への第一歩です。

    剥離に関してはこちらでガッツリ解説していますのでぜひ参考にしてみてください!

    https://sogogyne.online/hakurinogokui/

    この記事が試験準備の道しるべとなれば幸いです。次回は、各工程で大切にすることについて詳しく掘り下げます。X(旧Twitter)で更新情報をお知らせしますので、ぜひフォローを!

  • 「ググっても出てこない」ロボット手術、ラパロとの術野展開の違い本質3選

    「ググっても出てこない」ロボット手術、ラパロとの術野展開の違い本質3選

    「ロボット手術の術野展開って、難しくないですか?」

    この質問、よく耳にします。多くの方が抱える共通の悩みみたいです。

    今回は、ロボット手術特有の課題を解き明かしましょう。ラパロとの違いを軸に、術野展開の本質に迫ります。これまで曖昧だったポイントがクリアになり、ロボット手術の真価をより深く実感できるはず。

    個人の経験に基づく、考察になります。おそらく他にないはず。

    ロボット手術が急速に普及する中、理解を深めることは未来への一歩です。「ちょっと気になる」その部分だけでも構いません。一緒に考えてみませんか?

    ロボット手術と腹腔鏡手術の展開違いの本質3選

    ロボット手術は、ぶれない3D視野と手首のように動くアームが大きな特徴になってきます。これらの特徴から次も三つの違いが出てきます。

    1:展開の自由度が高い
    2:組織テンションの向き
    3:鉗子の入れ替えが困難

    ちょっと小難しい話っぽいですか?

    大丈夫です!このブログではなるべく簡単にわかりやすくをモットーにしています。

    それぞれひとつづつ見ていきましょ〜

    1. 展開の自由度が高い

    「あー角度がとれない」

    ラパロ手術中に聞いたことありませんか?

    特に巨大子宮筋腫などで展開が難しい症例でよくあります。「角度が取れない」というのは処理したい組織に適した角度を取れないという意味です

    基本的には組織に対して垂直に角度を取る必要があります。これをロボット手術は簡単にクリアすることができます。

    腹腔鏡手術:直線勝負の世界

    腹腔鏡手術の鉗子は、例えるなら「レーザービーム」のようなもの。真っ直ぐな動きしかできません。

    そのため、ポートの位置と処理する場所に応じて、「角度」が決まってしまいます。
    (一回ロボット学会で発表したスライドの一部です。)

    この制約をクリアするためには、展開によってピッタリの角度を取る必要があります。

    まるでパズルを解くような作業になり、ひとつひとつ場を作る必要があります。

    例えば左の上行枝の処理の時を考えてみましょう。マニュピレーターで右に大きく子宮を振り、円靱帯で直線化し捻れや角度を調整してバイポーラーが垂直に入る角度を展開します。

    ロボット手術:手首のしなやかさがカギ

    一方、ロボット手術は鉗子に「手首」がついている感覚。リストのように動くおかげで、処理に最適な角度を自由自在に取れます。そのため

    1. 見やすさを優先した展開が可能。
    2. 展開がちょっと甘くても問題なし。
    3. ただしアームの干渉を気をつける必要あり

    画像は左の上行枝を処理している場面。見えてさえいれば基本処理することができます。

    要は、ロボット手術は「職人の手のひら」を装備しているようなものなのです。

    2. 組織にかけるテンションの向き

    展開時にどちらに引っ張るかは目的によって異なります。

    腹腔鏡ではどれだけ右手の鉗子を処理したい組織に垂直に入れれるかが大切になります。つまり右手の位置によって取るべき組織の展開が決まってきます。

    手首のように動く鉗子によって、ロボット手術では展開の目的は見えやすさを優先できるが、アームの位置を考慮することになると先ほどお伝えしました。

    腹腔鏡手術:右手と垂直が命

    腹腔鏡手術では、右手の鉗子に対して組織を垂直にテンションをかける必要があります。ほとんどの場合、手前側に引っ張る作業が主流となります。広間膜③より抜粋

    組織が右手に対して垂直になるように左手を手前に強く引っ張っています。

    腹腔鏡では「右手の鉗子のための展開」となっているのです

    ロボット手術:みやすさとアーム同士干渉を優先

    ロボット手術では組織のテンションの方向よりも、見やすさとアーム同士がぶつからないことが最優先事項となります。

    どういうことかと言うと、

    3rdアームを「外側に」配置しスペースを確保します。
    ②手首の向きも基本的には外側にアームがくるように曲げます。(手首を内側にまげる)

    内側に幅広い展開可能となり、小さな展開を1.2番アームですることで手術を進めていきます。

    子宮の腹側を処理する時は、3rdアームの手首を腹側に向けてアームが背側に行くようにします。(そうすることで腹側側(図の赤丸)に空間ができる。)

    その後の処理ですが、1st,2ndアームで小さな展開を繰り返し、大きく展開を変えずに処理で来ています。

    3rdアームで大きな展開を取り、その後2本のアームで小さく処理していくイメージです。

    3. 鉗子の入れ替え問題

    腹腔鏡手術:鉗子はお好みで

    腹腔鏡手術では、多種多様な鉗子を使用可能ですよね。

    バイポーラー、メリーランド、腸鉗子、ハーモニックなどなど一つのポートでさまざまな鉗子を出し入れすることが可能です。

    そして、左手を展開専用に使うことが可能です。

    左手で組織を固定し、右手でバイポーラーで凝固してからハーモニックで切開といったアクロバティックな作業も簡単にできます。言うなれば、「道具のフルコース」を楽しめる状態です。

    子宮傍組織の処理②の右上行枝処理しているところですが、バイポーラーで凝固したのち、ハーモニックで切開しています。展開も全く変わっていません。

    https://sogogyne.online/%e5%ad%90%e5%ae%ae%e5%82%8d%e7%b5%84%e7%b9%94%e2%91%a1%e3%80%80%e3%82%82%e3%81%86%e5%87%ba%e8%a1%80%e3%81%97%e3%81%aa%e3%81%84%e3%80%81%e5%ad%90%e5%ae%ae%e5%82%8d%e7%b5%84%e7%b9%94%e5%85%a5%e9%96%80/

    ロボット手術:道具はシンプルに 3rdアームに命をかける

    ところが、ロボット手術ではコストや労力の観点から鉗子の頻繁な入れ替えが難しいのが現実。

    そのため、基本装備だと左手バイポーラー、右手モノポーラーといった状態で円滑に手術を行う必要があります。

    ここで鍵を握るのが3rdアーム。この1本で展開をしっかり固定する技術が必須となるのです。


    まとめと問題

    腹腔鏡手術での展開は「各工程で明確に決まっている」、なぜなら処理できる角度が決まっているため展開を右手に合うように調整する必要がある。

    ロボット手術はより自由度の高い展開が可能。なれれば効率性が一段上という印象です。ただし、3rdアームによる展開が全てと言っていいほど大切。

    手術の進化に驚きつつ、知恵と技術に改めて感謝ですね!

    また更新頻度を高めようかなと思っています。Xで通知しますのでよければフォローをお願いします。

    問題: ロボット手術と腹腔鏡手術の展開の違いについて、以下の記述のうち正しいものはどれですか?

    1. ロボット手術では、鉗子の入れ替えが非常に簡単で、複数の鉗子を使用することができる。
    2. 腹腔鏡手術では、鉗子の動きは直線的であり、展開には常に一定の角度が必要になる。
    3. ロボット手術では、鉗子の手首部分がないため、組織のテンションの方向に制限がある。
    4. ロボット手術では、展開の自由度が低いため、すべての角度を調整しやすいわけではない。
    5. 腹腔鏡手術では、3rdアームを使って展開の自由度を高めることが可能である。

    解答と解説:

    • 選択肢1:誤り。ロボット手術では鉗子の頻繁な入れ替えが困難であり、基本的には3rdアームで展開を固定しながら手術を行う必要があります。
    • 選択肢2:正しい。腹腔鏡手術では、鉗子が直線的にしか動かせないため、角度を調整するために展開を工夫する必要があります。
    • 選択肢3:誤り。ロボット手術では鉗子に「手首」のように動く部分があるため、組織のテンションの方向に自由に対応できるという特徴があります。
    • 選択肢4:誤り。ロボット手術は展開の自由度が高く、適切な角度を簡単に取ることができるため、効率的な手術が可能です。
    • 選択肢5:誤り。腹腔鏡手術には3rdアームがないため、鉗子の入れ替えを工夫して展開を進める必要があります。

    正解:選択肢2

  • 最速で子宮を腟から回収する方法

    最速で子宮を腟から回収する方法

    腟からの子宮の回収は得意ですか?

    AT,TLH,RASH後で地味に時間がかかるのが腟からの全摘した子宮の回収ですよね。

    今回は、最速で子宮を腟より回収する方法を解説します。

    これまで何100(何1000?)の子宮を回収してきました。キロ越えの子宮の回収を何度も行っています。そこで見つけたコツを余すことなく解説します。

    最速で子宮を回収する方法

    子宮が小さい場合 200g程度まで

    基本的に図のように切ればすぐに出ます。

    コツは子宮頸管を引っ張って腟内に入れた後に子宮体部と頸部の間(体部下部)より左の卵管角に向かって切開を入れていってください。

    出来上がりとしては一本の細長い棒になります

    子宮が大きいが 多発の場合 何gでもOK

    考え方は、何よりも筋腫を核出すること。

    ”切開をするのは筋腫を核出するため”

    コツは、筋腫の位置を完全に把握しどれから取るかイメージすること。

    よくあるミスが切りやすい子宮実質を切っていき、筋腫だけ残ってしまうことです。

    これは子宮筋腫の遺残にもつながるので避けましょう。

    具体的なやり方は後述します。

    子宮が大きくて筋腫が単発 または 腺筋症

    単発のでかいやつは一番大変です。なかなか膣の中に入ってこないので切ることができません。

    この1番の問題は、腹腔内での操作になるため、腸や腟切開部を傷つける可能性が高いことです。

    解決策として大きな袋に入れて回収しましょう。

    おすすめは⇩になります。

    https://appliedmedical.co.jp/Products/Alexis/CES

    まず、大きさが最大級です。径が17センチの物は6Lまで入ります
    正直17センチのものは使いにくいので14センチで十分です。

    単品で袋が3つセットのものがあるのでそれが一番コスパ良いと思います。

    袋の端にリトラクタが付いているので巻き巻きすると膣壁が広がって操作しやすいです。

    そして何より袋の素材が分厚く裂けにくい!!EZパースなど他の袋は安いですが薄くて扱いにくいですよね。

    回収の仕方は筋腫をブロック状に切開して地道に回収するしかありません。

    この時はなるべく長細くなるように回収していきます。

    するといつか膣内に筋腫が降りてくるようになり、一気に回収することができます。

    根気よく頑張りましょう。

    実際切る時の動き

    大きさによる場合分けが終わったところで、実際の動きについて解説してきます。

    基本の動きは”C”

    切開方法は基本的にCを描くように切っていきます。

    うまいこと行くとりんごの皮剥きみたいに1mほどの一直線の筋腫棒ができます。

    組織が大きくて、引っ張ってこっれない時は、諦めてブロック状にして出しますが、この時も初めはCにきります。

    基本は長クーパーで切開しますが、初めのとっかかりはメスですることもあります。

    子宮体部は膨らんでいますので、奥の方できる時は、真っ直ぐではなくやや外側に向かって切るとうまいこと行きます。

    で必ず守る!!腟切開部は絶対に切らない!

    よくあるのが、腟の断端部が裏返っていて腟の切開部を誤って切開してしまうことではないでしょうか。

    これを防ぐにはこの二つを守ってください。

    を必ず根元まで(奥まで)入れる
    見ている範囲で切開する

    腟断端の縫合がかなり難しくなるので必ず腟を保護しましょう。

    切開の方向を考えて何度もの位置を変えて、保護します。

    とりあえず引っ張る

    テンションがかかっていないと切開ができないので必ず強い力っで引っ張りましょう。

    まずはそれからになります。

    コツは体重を乗せること。つまり体制を後ろにして後ろにひっくり返るように体を倒してください。

    イメージは綱引きです。体重を乗せましょう。

    うまく引っ張れている基準は、腕が痺れること。

    それぐらい引っ張り大事です。

    単鈎鉗子や双鈎鉗子で把持して引っ張り倒しましょう。

    筋腫の位置イメージが最も大切

    オペ中にどこに筋腫があるのかしっかり覚えておきましょう

    ”切開をするのは筋腫を核出するため”の原則に従うために筋腫に向かって切開していく必要があります。

    どこにメインの筋腫があるのか、どのようにアプローチするのかはかなり大きなポイントになります。

    これをしないのは地図を見ずに走り出すようなものです。

    しっかりイメージしてから切開に移りましょう。

    持ち前のエコーは、指!

    子宮の位置を確認していてもよく筋腫の位置がわからなくなることがあります。

    そんな時は、指でどこに何があるか確認してください。

    産婦人科の指は内診を経て精密機器と化しています。

    これを用いない手はないですね。

    膣に指を突っ込んで子宮の位置や筋腫の位置大きさを確認します

    筋腫の核出は”層”を意識する

    筋腫の位置を確認できればそちらに向かって切るのですが、このとき筋腫と子宮実質の間の層をしっかりと見極めます。

    コツはしっかりと筋腫の中心に向かって切開することです。

    実質の方が柔らかいので実質だけ切ることができ容易に筋腫の表面の層に入ることができます。

    ねじって展開してから切る

    最後のコツはねじって展開してから切るになります。

    上側を切る時は、左手を時計回りに捻り下に引っ張ることで、切開するべき場所が出てきます。

    逆に、下側を切る時は、左手を反時計回りにねじり上に引っ張ることで、切開できます。

    また、展開はハサミでもできます。ハサミの片刃を入れてから、ハサミを閉じずに子宮を押すように動かすことで展開を加えることができます。

    まとめ

    今回は、子宮を膣より回収する時のコツについて解説しました。

    大きさや筋腫に位置を確認し、腕が痺れるぐらい引っ張り、腟を保護しながらCの字に切開してください。コツは、捻りとクーパーの使い方です。

    ではでは。更新はXで告知してますので、少しでも役に立ったという方はフォローをお願いします。

  • LC(腹腔鏡下卵巣腫瘍核出術)のマスターガイド

    LC(腹腔鏡下卵巣腫瘍核出術)のマスターガイド

    今回は、私が卵巣機能を温存するためにこだわってやっているLC(腹腔鏡下の卵巣腫瘍核出術)の術式を記載します。

    記載と言ったのは、この記事ではガッツリ術式だけを記載していきます。

    他の施設でLCをどのようにやっているか 気になりませんか?

    かなりこだわりのある術式ですが見やすいように、シンプルに記載します。

    LCなんて初心者の術式なんじゃない?と思いますよね。

    確かに、出血がしにくいといった理由で早めにやることが多いですが、卵巣機能を温存するという意味合いではかなり重要で気を遣う手術になっています。

    この記事を読んでLCがうまくなれば、以下の大きなメリットが得られます。
    ・卵巣機能を温存できる
    ・術中破綻のリスクが軽減する
    ・術後出血がなくなる
    ・妊娠につながる!!

    TLHなどは認定医ビデオの題材にもなっているので詳しい解説が多いですが、逆にLCの解説は逆にすくなく珍しいのではないでしょうか。

    卵巣腫瘍は女性の生殖健康に影響を及ぼす可能性があるため、この手術は患者様の質の高い生活を支えるために不可欠です。お見逃しなく。

    セッティング

    ポート配置とトロッカーの選択

    基本的にLCは20-30代の若い女性が対象となることが多いです。そのためダイヤモンド配置を希望される方が多いです(患者さんに選んでもらっています。)

    また、整容性を考慮して傷をなるべく小さくするために、左手ポートと助手ポートには3mmトロッカーを使います。

    執刀医の右手も3㎜にしたいのですが、使えるデバイス制限が大きいのでここは5mmトロッカーでやっています。

    ただ、癒着が強い症例は腸損傷のリスクや他臓器損傷のリスクを考慮して全て5mmトロッカー+パラレル配置で行っています。

    エネルギーデバイス

    電気メスで行っています。

    刃先で剥離をするときがあるのでシザーズ(ハサミ)型の鉗子にモノポーラーコードをつけて行っています。

    卵巣腫瘍核出術の基本手順

    ①切開ラインを決定する

    切開ラインはズバリ「卵管の対側で固有策から遠い部分」になります。

    腫瘍の大きさを見て赤道ライン(腫瘍の一番大きな径)を通れる切開の大きさにします。

    ②卵巣表面の切開

    電気メスの凝固で表面を凝固します(CUTですると穴が開きます)。

    凝固した部分を鈍的に裂いて卵巣表面を切開します。

    ③層の同定

    卵巣と卵巣腫瘍の間の層を同定します。

    つるつるの層が出てこれば正解です。入りやすいところではなくつるつるしたところです。(卵巣実質に入っていることがある)

    ④卵巣腫瘍の剥離

    卵巣腫瘍の実質が残るように、かつ腫瘍が破綻しないように剥離をしていきます。

    ③で見つけた層を広げていきます。

    剥離は一方向を深くするのではなく、幅広く全周性に行っていきます。

    ⑤切開の追加

    剥離が出来れば必要に応じて切開を追加していきます。

    この時、電気メスを使わなくてもよいです。コールドで切ったほうが破綻はしにくいです。

    ただ、手前に切るときは②の切開方法と同じく、凝固し裂いて切開を追加していきます。

    ⑥卵巣の皮をひっくり返す

    腫瘍の大横径(一番広いところ)まで剥離と切開が進めば、次は皮(卵巣実質)をひっくり返します。

    (個人的には、この大横径を”赤道ライン”とかってに言っています。赤道という言葉を使うことで上下の意識が生まれます。)

    手首を回外(開いていく)しながら、裏返すようにずりおろします。

    もし切開が足りない場合は、無理をせずに剥離と切開に戻ってください。

    ⑦栄養血管を処理

    卵巣腫瘍の栄養血管は骨盤漏斗靭帯側から来ています。

    そのため、⑥の工程が終わり南半球にくれば(勝手に呼んでます)栄養血管が通っていると考えながら剥離を進めていきます。

    具体的には、鈍的に引きちぎるのではなく、細かい血管の凝固をしながら、テンションをかけ過ぎずに鋭的に切開します。

    ⑧卵巣腫瘍核出と止血の徹底(+縫合)

    栄養血管は骨盤漏斗靭帯側にあり、それを避けるために切開ラインは骨盤漏斗靭帯の反対側になっています。

    そのため、⑦の栄養血管の処理がうまくいかなかった場合は出血が、核出後の袋状の卵巣の”底”におこります。

    そのため止血が難しくなることが多いですが、展開を助手+重力と共に行い、出血点をしっかりと同定し止血します。

    ここで止血を雑に行うと卵巣内に血種が起こります。

    縫合はどちらでもよいみたいですが、私は元の形にしたいので縫合しています。

    以上になります。詳しい方法やコツは随時記事にしていきます。

    チョコレート嚢胞ではやり方が変わってきます。

    更新情報についてはXにて行いますので、どこの記事かわからなくなる前にぽちっとフォローをお願いします。

    まとめ問題と解説

    問題:

    卵巣腫瘍核出術における切開ラインの決定方法について正しいのはどれか?

    A. 腫瘍の一番小さな径を通る切開の大きさにする

    B. 卵管の対側で固有策から近い部分にする

    C. 卵管の対側で固有策から遠い部分にする

    D. 卵巣表面の最も薄い部分にする


    正解:

    C. 卵管の対側で固有策から遠い部分にする

    解説:

    卵巣腫瘍核出術において、切開ラインは腫瘍と関連する解剖学的構造に配慮して決定されます。この手順では、切開ラインを卵管の対側で固有策から遠い部分に設定することが推奨されます。このアプローチは、腫瘍を適切にアクセスし、取り除くために必要な視界と操作空間を確保するためのものです。また、腫瘍の大きさを見て、その一番大きな径(赤道ライン)を通れる切開の大きさを選定します。これにより、手術中に腫瘍を効果的に扱えるようになります。選択肢Aは誤りです、なぜなら切開の大きさは腫瘍の一番大きな径に基づくためです。選択肢Bは切開ラインの決定方法に反しています。選択肢Dは切開ラインの決定基準としては適切ではなく、卵巣表面の最も薄い部分ではなく、解剖学的位置に基づいて決定されます。

  • RASH開始記録② 初執刀

    RASH開始記録② 初執刀

    RASH(ロボット支援下子宮単純全摘術)を始めてから1年間で約50例ほど執刀しました。

    初めはアームの動かし方もわからないところから始めて、今はコンソール時間最速で39分で執刀できるところまでくることが出来ました。

    この一年間がどのようなものだったのか、その体験談を、資格の枠の取り方やRASHがTLHと比べてどのように違うのか何を気を付けるべきなのかなどを含めて話していきたいと思います。

    これから始めるぞという方はもちろん、すでに始めている方にも新しい知見が得られるような内容になっていますのでどうぞお見逃しなく。

    初執刀のメンタル

    初執刀は、CIN3の症例でした。閉経後でしたので、子宮は正常大~やや委縮気味ぐらい。

    感想としては、

    こんなの余裕だぜ!

    ではなく、

    慣れない!怖い!こんなんやってられるか!!!

    でした。

    というのも普段、TLH(腹腔鏡下子宮全摘術)ではエネルギーデバイスをメインで使っています。

    エネルギーデバイスで最も良いところは、挟んで切れるところなんですよね。

    圧倒的な安心感、挟んでから少し展開して後ろを確認することもできるし、挟んだところしか切れないといった安全システム。かなり安心して切開が出来ます。

    今回、電気メスはほとんど使ったことない状態でのRASHの初執刀でした。

    もちろん、原理や使い方、それにアニマルラボと準備はたくさん積んできましたが初めてのことってやっぱり緊張と不安で押しつぶされそうになりました。

    自転車で初めて補助輪を外したようなそんな怖さと緊張感がありました。

    初執刀の感想

    実際はやってみた時のとしては

    近い!

    でした。

    臓器がかなり手前にあるように感じましたね。

    というのも、ロボット手術では3D視野で本当に目の前にあるような見え方になります

    手前にあるものは当然すごく強調されますし、奥にあるものは認識が甘くなります

    腹腔鏡での2D視野の場合は、手前にある卵管も、奥にある膀胱も大きさは変わりますが、良くも悪くも

    ”同じ視野内のモノ”

    として扱うことが出来ましたが、

    これが出来なくなったので、思ったより近く見えて、驚いたのを覚えています。

    そのため、だいぶ恐る恐るアームを動かしていきました。

    この時のメンタルとしては、アームが動くと動脈がとんでしまう。そんなぐらいの気持ちでやっていました。ビビりすぎですね。

    終わってみて

    終わってみて、コンソール(ロボットを動かすための操作台)から頭を挙げたときはかなりの達成感がありました。

    子宮は閉経後のCIN3でしたので小さかったですが、達成感はものすごく大きかったです。

    練習に付き合ってくれた企業の方や、見守ってくれた上司やプロクター(他病院からの招聘した指導資格を持った医師)、およびスタッフの方々に感謝の気持ちがわき出てきました。

    あの安堵感と達成感と感謝が混じった体験はなかなかないと思います。

    この初期のの気持ちは忘れずにやっていきたいですね。

    ここまで体験記といった感じでした。

    次からは実際に、RASHとTLHでどう違うのか、本気で考察していきたいと思います。

    お楽しみに!

  • LM(筋腫核出)の筋腫を取るまでの全体像 北半球と南半球

    LM(筋腫核出)の筋腫を取るまでの全体像 北半球と南半球

    LM(腹腔鏡下子宮筋腫核出術)を執刀する自信ってありますか?

    なかなか自信あります!とは言えるひとは少ないと思います。

    正直言うとTLH(腹腔鏡下の単純子宮全摘術)よりも難しいです。

    それは子宮を残すからです。

    残さなくていいなら、血管をつぶして、層をつぶしても大丈夫なのですが残すならそうはいきません。残すのは取るよりも難しいのです。

    ジェンガを思い出してください。

    倒すだけなら適当に押すだけでいいですが、倒さないようにするには、場所や力加減、方向が大切になりますよね。

    子宮筋腫核出術は女性の生殖に影響を及ぼす子宮を温存しつつ筋腫を除去する手術であり、子宮の機能を最大限に保ちながら、症状を緩和し、将来の妊娠の可能性を維持するというとても困難で意味のある手術です。

    この手術の技術を習得することは、女性の人生において重要な役割を果たすことができます

    ただ、子宮筋腫核出術は筋層の切開、筋腫と筋層の同定、さらには手術操作の経時的な変化に至るまで、多くの細かな技術が必要となります。

    今回の記事では、これらの課題に焦点を当て、この重要な手術技術を習得するため全体像の理解を深めることを目指します!

    子宮筋腫核出までの基本

    子宮筋腫核出術において成功を収めるためには、筋層切開の位置と深さ、筋腫核と筋層の間の同定、および経時的変化の認識が極めて重要です。以下、これらの要素について詳しく解説します。

    筋層切開の位置

    子宮筋腫核出術の最初のステップは、子宮の筋層を適切な場所と深さで切開することです。

    筋層の切開は、筋腫を取り囲む健康な組織を最小限に損傷するように慎重に選択する必要があります。

    簡単に言うと筋層の一番薄いところです!

    もちろんそれだけではありません。

    切開の位置は、筋腫の位置、大きさ、および数に基づいて術前にある程度決定します。

    術中に触りながら場所を最終決定することが大切です。

    もちろん、薄いから取って血管や卵管に近いなどあれば避ける必要があります。細かい基準に関しては別記事に譲ります。

    切開の幅や深さ

    切開の深さは、筋腫に十分にアクセスできるようにしながら、周囲の健康な組織への影響を最小限に抑える必要があります。

    つまり、広すぎず狭すぎず、そして浅すぎず深すぎず。

    筋腫ごとの大きさや深さによって切開の幅や深さは変わってきます。

    当然ですが、狭すぎたり浅すぎると取り出すことはできませんし、広すぎたり深すぎると出血量が増えたり筋層の損傷が増えることとなります。

    (このちょうどいい塩梅は言語化できるのですが、1記事かかるので後日記載します。それぞれの項目でより詳しいことをまた解説していきますね。)

    筋腫核と筋層の間の同定

    筋腫核と周囲の筋層の間を正確に同定することは、筋腫を効果的に除去し、子宮の機能を保存する上で非常に重要です。

    つまり、筋腫がつるつるに向ける層を同定できると子宮筋層は損傷少なく、出血は減り、縫う量も減ります

    この同定プロセスは、特に筋腫が子宮壁に深く埋まっている場合には、かなり技術的な挑戦となります。

    当然、深いものを見つけるって難しいですよね。

    正確な層の同定には、高度な視覚的判断と繊細な手技が必要とされ、これには豊富な経験と練習が必要です。層のずれや内膜の損傷を避けるためには、細心の注意を払う必要があります。

    初めにきれいな層を見つけられるかどうかが最も大切な部分になります

    北半球と南半球での操作の違い

    私が勝手にいってる用語は何個かありますが、その一つを紹介します。

    北半球と南半球

    この用語はLMを理解するにあたってとても手助けとなる単語となっています。

    単語は存在することで人間の認識を変えることが出来ます

    例えば、人間を認識するときに、性別という単語があるので男性と女性が分かれます。
    貧富という単語があるの貧乏とお金持ちに分かれますよね。

    このように、単語があることで特定の認識をしやすくなるのです。

    この北半球と南半球という単語があることでLMの手技の理解が深まるなら導入しないわけにはいかないですよね。

    LMにおける北半球と南半球

    上半分と下半分です。(切開部より)

    あえて北半球と南半球という用語を使うことで、認識が進み手術手技を理解できるのでこのブログではこの用語を使っていきます。

    もう少し詳しく掘り下げると下記のようになります。

    • 北半球: 筋腫の上半分。筋腫と子宮筋層の間を剥がしやすい傾向にあります。これは、上から手が入る腹腔鏡では上半分へのアクセスが比較的容易であり、筋腫を包む筋層剥離が比較的容易であるためです。その結果、スムーズに進行しやすくなります。
    • 南半球: 筋腫の下半分。手術はより複雑になります。この領域では、子宮と筋腫の間で適切なな角度を取ることが難しく、また、栄養血管の存在により、層を追っての手術や出血が原因で視野を確保することが困難になります。このため、南半球での筋腫核出術に特に注意を払う必要があります。

    南半球まで処理が終われば筋腫の核出は終了となります。このあと縫合に移るのですがいったんここまでとしておきます。

    まとめ

    子宮筋腫核出術は、研修医が習得すべき重要な手術技術の一つです。

    この手術は、子宮の機能を保持しつつ、女性の生殖健康に関わる問題を効果的に解決できますがその分難しい手術になります。

    子宮筋層の適切な切開、筋腫と筋層の間の正確な同定、および手術操作の地理的な違いへの適応は、成功のために不可欠な要素です。

    子宮筋腫核出術の成功は、手技、判断力、そして経験に大きく依存します。

    この記事が、子宮筋腫核出術の重要な側面を理解し、研修医がこの貴重な手術技術を習得するための基礎を築くのに役立つことを願っています。

  • 超ゆる解説 子宮のとり方「そもそも子宮全摘ってどうするの?」→「引っ張ってはがすだけ!」

    超ゆる解説 子宮のとり方「そもそも子宮全摘ってどうするの?」→「引っ張ってはがすだけ!」

    最近の動向を見ていると、医学生さんや研修医の先生が見てくれていることも多くなってきました。

    内容としてはかなりマニアックなブログですがもう少し歩み寄って、専門用語をかみ砕きまくった、ゆる解説をしていくシリーズを行います。

    そもそも子宮全摘の方法を何個かに分けて説明したいと思います。これは開腹(AT)でも腹腔鏡手術(TLH)でもロボット支援下(RASH)でも共通した内容になります。

    臓器を取るとは

    そもそも臓器を取るについてゆるーく考えてみましょう。

    一般化して、ふつうにものを取るときってどうしますか?

    ものって”持ち上げる”と取れますよね。

    落ちてるボールを拾うときは持ち上げるだけでボールを取ることが出来ます。

    では、土に埋まっているジャガイモを取り出すときはどうでしょう。

    ただただ取ろうとしても引っかかりますよね。根っことか周りの土など。なのでついている根っこをはぎ取り、土をはらいますよね。

    引っかかるものがあればそれをどけて取ります。

    他の例なら、洗濯物の山からズボンだけを取り出すとき、山に手を突っ込んで、ズボンを引っ張ってその周りのパンツやシャツをどかして取り出しますよね。

    そんな雑なことはしませんか?(笑)

    言いたいことはわかりますよね。

    ものを取るときには、引っ張って周りのものをどける

    これがものを取るときの方法になります。

    実は、手術でもこの単純な作業をしています。

    もちろん手術をするということは生半可な事ではダメで、人の命に係わり、医師免許がなければ傷害罪であり、産婦人科であれば生命の誕生にも関わるとてもとても大切なことです。

    ただ、こういった意義的なところを無視し、している事だけを注目すればやっている作業としてはジャガイモや洗濯物の例と変わりないです。

    実際手術でやっていることは、引っ張りながら膜や血管や隣接臓器をはがして引っこ抜いて終了。

    かなり暴論ですがこれが真理となります。

    この考え方で子宮全摘を見ていきましょう。

    超ゆる子宮全摘

    子宮を取るときって、子宮は持ち上げてもとれません。何がついているのでしょう。

    この画像を見てもらうとわかりますが、上部靭帯と下部靭帯があります

    子宮を引っ張りながら、この上下の靭帯を切って最後に膣を切ったら子宮は取れます。

    以上が子宮全摘術となります。

    これでは抽象度が高すぎるのでもう少し具体的な話をします。少し具体的になるので難しいかもしれません。

    困難は分割せよ

    ”困難は分割せよ”

    デカルトの言葉ですね。

    すべての現象に当てはまることですが、難しいことは分割して考える必要があります。

    旅行に行く → いつ、どこに、誰と、お金はいくら?などなど

    自分のできる範疇にまで分割して考えることで、実際に行動が出来るわけです。

    今回、超ゆるーく子宮全摘を

    引っ張って上部靭帯と下部靭帯を処理したらできると説明しました。

    これも一つ一つ分割して処理するだけです。

    上部靭帯→ 円靭帯、卵巣、卵管 →それぞれの切開ライン、切開方法、展開方法 →腹膜の切開、血管の切開、把持部位

    という風に分割していき、自分がわかる範囲まで考えればいいのです。

    ちなみに、どこまで分解し解像度を上げられるか。それがどれだけ熟達しているかを分ける一つの指標になります。

    これらはすべてのことにおそらく共通していて、

    全くしたことないですが、メイクであれば

    顔にメイク用品を塗る → 部位によってメイク用品を変える → 塗り方を変える → 色や材質をこだわる 

    といった風にどんどん上達するにつれて細かくなっていくのではないしょうか(やったことないので間違っていたらすみません)

    他には、日本を旅行するときに、東日本、西日本という分け方しか知らない人と、関西地方の大阪府の難波の通天閣までわかっている人とどちらが慣れているかは一目瞭然ですね。

    手術の分割した内容に関しては

    TLHまとめページ – 産婦人科医ごっそのラパロなブログ (sogogyne.online)

    こちらを参照してください。読んでいただきありがとうございました。

    まとめ

    1. 一般的な物を取る方法:物を取るときには、引っ張って周りのものをどけるだけ
    2. 手術における同様のアプローチ: 物を取る際の考え方は手術においても同様である。手術においても、周囲の組織を処理し、必要な部位を引っ張って取り除く作業が行われる。
    3. 子宮全摘術の手順: 子宮を取り出す際には、上部靭帯と下部靭帯を切ってから、膣を切開するだけである。
    4. 困難を分割して考える: 困難なことは分割して考える必要がある。具体的には手術であれば手順を細分化して考えることが重要である。
  • RASH開始記録① 1例目執刀するまで。開始に大切なのは技術?メンタル?それとも・・・?

    RASH開始記録① 1例目執刀するまで。開始に大切なのは技術?メンタル?それとも・・・?

    RASH(ロボット支援下子宮単純全摘術)を始めてから1年間で約50例ほど執刀しました。

    初めはアームの動かし方もわからないところから、今はコンソール時間最速で39分で執刀できるところまでくることが出来ました。

    この一年間がどのようなものだったのか、その体験談を、資格の枠の取り方やRASHがTLHと比べてどのように違うのか何を気を付けるべきなのかなどを含めて話していきたいと思います。

    これから始めるぞという方はもちろん、すでに始めている方にも新しい知見が得られるような内容になっていますのでどうぞお見逃しなく。

    執刀資格と資格枠の取り方

    1例目を始めるまでは結構大変です。

    腹腔鏡みたいに特に資格なしでできるわけではなく、ロボット支援下手術をするにはちゃんと執刀資格を得た上で執刀をする必要があります。(オペ室や看護師さんとの調整も結構大変ですがそれは割愛します。)

    この執刀資格を取るのがかなり大変です。簡単に列挙すると

    MRさん(営業)との練習を何回か → 見学 → 資格を取りに東京へ 

    期間で言うと始まってから数カ月かかります。費用も22万ほどかかりなかなかハードルが高いです。

    さらに、資格を取る枠の確保が難しいです。何ならここで一番つまづくかもしれません。

    私は、運よくロボット手術立ち上げチームの二番手として入ることが出来たので。立ち上げから3カ月ほどで資格を取ることが出来ました。

    いまはロボット手術の流れが来ているので、執刀資格を取る枠は1000人単位の待ちがあるとの噂を聞いたことがあります。すごいですね。

    ここで枠を取る秘訣を3つ

    ①MRが優秀であること
    ②信頼関係がある程度できていること
    ②MRさんに情熱を伝えられていること

    実は資格を取るための枠を取るのはMRさんです。

    そのため、資格を取るためにはMRさんがどれだけ本腰を入れて枠を確保してくれるのかそれにかかっています。枠が空いた瞬間に全国のMRさんの枠の取り合いになります。

    本腰を入れてMRさんに競争してもらう必要があるわけです。

    ではそのMRさんが力を本気を出してくれるのはどのような時でしょうか。

    MRさんが本腰を入れるには、もちろん営利企業ですのでMRさんに利益がある(症例が十分ある)ということは大きなウェイトを占めます。

    もう一つ大きなfactorとして”推しになってもらう”ということがあると思います。

    どの様なビジョンで手術に取り組んでおり、どのような今後の大きな展望があるのかを明確に伝える必要があるわけです。MRさんも人間です。頑張る気がある人を応援したくなるのも当然ですよね。

    少なくとも、MRさんをないがしろにしていると枠はなかなか確保できないと思います。

    なんなら今は、やりたい医者が多いのでMRさんのほうが立場が上であると考えたほうがよいかもしれません。

    始めるには、MRさんと二人三脚で行います。そのイメージが大切です。

    脅されまくる初執刀までの練習

    執刀の枠が決まれば、次にMRさんとの練習が始まります。

    正直、かなり脅されますw 足ガクブルです。

    特に事故症例、死亡症例について毎回教え込まれます。

    ここでメンタルやられそうになりました。

    この動きをすると危ない、この動きで動脈がとんだ。など聞くだけで足が震えるような内容を教え込まれます。

    やめてくれと正直思っていましたが、今となれば必要だったと思います。

    MRさん教えるのが下手かというとそうではなく、むしろ優秀な方が多く、教えるのも上手です。

    途中で担当のMRさんが変わりましたが、それぞれ内容は異なるもの、教え方はとても分かりやすかったです。

    かなりプレッシャーをかけられながらも、二人三脚で一歩一歩ステップバイステップで着実に上達できるようにプログラムが組み込まれています

    優秀なに人は、何が大切かわかっています。

    それは、事故を起こさないこと

    死亡例や損傷例をめちゃめちゃ教え込まれましたが、これってあれと同じですよね。

    自動車教習所

    教習所ってめちゃめちゃ事故の場面を教え込まれませんか?

    ボールが転がってきたら子供!

    この意識を刷り込まれますよね。

    でも、現実世界で子供が出てくるのって年に一度あるかないかではないでしょうか。

    動脈を飛ばすのなんでめったにない。けど大切。

    MRさんの脅しも必要な脅しだったというわけですね。

    まとめ

    執刀資格取得のプロセス

    1. MR(医療機器営業担当者)との練習: 手術に必要な技術と知識を習得するために、MRと何回か練習を重ねる必要があります。
    2. 見学: 実際の手術を見学し、手術の流れや必要な技術を学びます。
    3. 資格取得のための東京への旅行: 資格を取得するためには、東京にある特定の施設や機関で必要な試験や講習を受ける必要があります。この過程には数ヶ月かかり、費用は約22万円となります。

    資格取得の難しさ

    • 資格取得枠の確保: 資格を取るための枠を確保することが一番の難関であり、全国のMR間で競争が発生します。現在、ロボット手術の需要が高まっているため、資格を取得する枠には1000人単位の待ちがあるとのことです。

    枠を取るための秘訣

    1. MRが優秀であること: 枠を確保するためには、MRが積極的に動いてくれることが必要です。
    2. 信頼関係の構築: MRとの信頼関係がある程度築かれていることが重要です。
    3. 情熱の伝達: 自身のビジョンや手術に対する熱意をMRに伝えることで、MRが枠を確保するために本気で動いてくれるようになります。

    初執刀までの練習

    • プレッシャーのかかる練習: MRとの練習は、事故症例や死亡症例に関する知識を重点的に学ぶため、非常にプレッシャーがかかります。しかし、これらの練習は事故を避けるために非常に重要です。

    結論

    ロボット支援下手術の執刀資格を取得する過程は、MRとの練習、資格取得のための出張と費用、そして資格取得枠の確保という複雑なプロセスが必要。MRとの良好な関係構築と情熱の伝達が成功の鍵であり、事故を避けるための徹底した練習が必要です。

  • TLH 目次ページ

    TLH 目次ページ

    このページは目次としてTLHに関して場所ごとにまとめています。

    セッティング

    TLH パラレル配置、前方アプローチ、マニュピレーターあり、エネルギーデバイスメイン(ハーモニックまたはソニシジョン)

    RASH 5ポート、前方アプローチ、マニュピレーターなし、電気メスメイン

    前方アプローチのTLH術式

    円靭帯の切開

    前方アプローチのTLHでは円靭帯をまず処理します(膀胱のところもありますが)。簡単そうに見えてめちゃめちゃ大切な円靭帯処理の解説です。

    円靭帯なめてません?
    ・円靭帯の切開でその後の処理の難しさが激変する。
    ・円靭帯裏の血管に注意
    ・いろいろ切開パターンはあるが円靭帯は単離しよう。

    切開場所、言語化できてますか?
    ・切開位置はとりあえずは真ん中では成長しない
    Point1 子宮動静脈上行枝から離れている。
    Point2 骨盤漏斗靱帯から離れている
    Point3 子宮から遠すぎない。

    円靭帯と”あるもの”の距離を見れば広間膜の癒着がわかる。
    ・骨盤漏斗靭帯との距離で癒着具合がわかる。
    ・円靭帯と骨盤漏斗靭帯の距離が近いときは癒着有る

    ”とりあえず真ん中”で!!ダメ場合っていつですか? 
    ・癒着症例で円靭帯と骨盤漏斗靭帯が近いとき
    ・巨大筋腫、巨大卵巣腫瘍で円靭帯が引き延ばされているとき

    広間膜腔の展開

    子宮全摘のハイライトである、広間膜腔の処理について、箱のメタファーを用いてこれまでになく詳しく解説しています。

    広間膜腔は箱イメージ 円靭帯切開との秘密の関係 
    ・広間膜腔は人工的に作るもの。
    ・箱のイメージで広げていくとうまくいくことが多い。
    ・円靭帯の切開から広間膜腔の展開は始まっている。

    腹膜の本当の姿しってる?
    ・腹膜には広い意味と、狭い意味がある
    ・腹膜の下には腹膜下筋膜(硬い層)がある。
    ・この硬いところも切りきらないとラップがかぶったようになり広間膜腔を展開できない。

    前葉はなるべく子宮に近くで切るほうがよい。なんで?前葉の切開ラインと、切り方を徹底解説
    ・広間膜前葉の切開は円靭帯から子宮動脈または膀胱まで。
    ・子宮に”寄って”切開することが何よりも大切
    ・離れるときれいに腔が展開できず、子宮に組織が残る。

    ④広間膜腔は人工的に作られるものであり、作り上げるにあたって正しい形を知る必要がある。目指すべき形は箱をきれいに開けたような姿(詳しくはこちら

    ⑤具体的な広間膜腔展開の手順 (詳しくはこちら

    ⑥脂肪は脈管の所有物で、所を示す指標になり手術を安全に行う道しるべとなる(詳しくはこちら

    尿管子宮動脈交差部の同定

    ①前方アプローチは難しいだからこそ困難症例に向いている。(詳しくはこちら

    ②尿管同定方法は、側方アプローチ型、子宮動脈アプローチ型、前方アプローチ型の3つ。前方アプローチ型は尿管と子宮動脈を同時に見つけることができ、非常に強力(詳しくはこちら

    ③発生学的を知っておけばパッキングされた構造の理解と認識が進み、交差部の同定が容易となる。(詳しくはこちら

    ④子宮動脈と尿管は平行に走っている場面のほうが多いので注意。(詳しくはこちら

    膀胱の剥離

    ①膀胱剥離は必要ない?膀胱剥離の理由は膣を安全に縫うため。(詳しくはこちら

    ②膀胱が剥離しにくいのは筋膜が癒合して癒合筋膜となるから。(詳しくはこちら

    ③膀胱剥離の正面突破の4STEP(詳しくはこちら) 

    ④膀胱剥離がうまくできない時の対策3つ(詳しくはこちら

    ⑤膀胱剥離のサイドからの3STEP(詳しくはこちら

    ⑥膀胱剝離のサイドからのコツ① 子宮動脈から考える(詳しくはこちら

    ⑦膀胱剝離のサイドからのコツ② トンネルの作り方(詳しくはこちら

    骨盤漏斗と子宮附属器の処理

    ①骨盤漏斗靭帯の処理① 3ステップ(詳しくはこちら

    ②骨盤漏斗靭帯の処理のコツ。白色凝固を意識すると止血効果が高い(詳しくはこちら

    ③子宮附属器のメタファーはクローバーよりも冊子のほうがよい説(詳しくはこちら

    ④子宮附属器の処理のコツは、切りたい部分とその腹側の組織を同時に持つこと(詳しくはこちら

    広間膜後葉と仙骨子宮靭帯と子宮傍組織の処理

    ①広間膜後葉処理の”詳しすぎる”手順とコツ 仙骨子宮靭帯、筋膜を認識せよ(詳しくはこちら

    ②仙骨子宮靭帯は存在しない。ただの腹膜のたるみをそう認識しているだけ。(詳しくはこちら

    ③子宮傍組織のメタファーはシャンパンタワーがよい。位置を変えるには剥離。(詳しくはこちら

    ④子宮動脈上行枝の切断は”安全な高め”が無難(詳しくはこちら

    腟管切開+縫合

    ①腟管切開はリングのイメージが出来ていると失敗しない(詳しくはこちら

    ②超具体的な腟管の切開方法(詳しくはこちら

    ③腟断端の1層目は層を合わせることから始まる(詳しくはこちら

    ④腟断端の2層目は減張を意識、真皮縫合と同じ原理(詳しくはこちら

    コラム

    なぜ側方アプローチではなく前方アプローチ用いているのかは患者への侵襲を考えて(詳しくはこちら

    鈍的剥離と鋭的剥離どちらが良いかは状況による。常に鋭的剥離がよいわけではない(詳しくはこちら

    鈍的剥離は悪ではない、正しいテンションと方向を見極める(詳しくはこちら

    縫合の原則は層と減張(詳しくはこちら

  • 腟断端縫合② 2層目は真皮縫合と同じ?

    腟断端縫合② 2層目は真皮縫合と同じ?

    縫合の原則に基づいた、腟断端縫合シリーズの第二弾!

    1つ目は層を合わせる。2つ目は創部の減張でしたね。

    今回は”創部の減張”にフォーカスを当てた腟断端の縫合を見ていきましょう。

    2層目は真皮縫合と同じ

    腟断端の一層目は前回説明しました。

    筋層→粘膜→粘膜→筋層と筋層同士、粘膜同士が合わさる様に縫合しました。

    薄い粘膜がきれいにくっつくように1層目を取りました。

    2層目は創部の減張が一番の目的になります。

    ここで最も大切なイメージが皮膚における”真皮縫合”になります。

    真皮縫合は、真皮を幅広くとることで、表皮での減張を達成していますよね。

    これと同じことを腟断端で行えば良いわけです。

    イメージとしては以下のようになります。

    表皮→筋膜として、真皮→筋層として考え、筋層を幅広く、奥まで取れればよいわけです。

    腟をよこから見たのイメージはこんな感じです。

    減張するためには2層目は図のように運針するのが望ましいです。

    これによって中の筋層と粘膜が減張され傷の治りが理論的に良くなります。

    実際の縫合の仕方

    まずは筋層を展開します。

    この時のポイントとしては、メリーランド型の鉗子で筋層の外側、つまり筋層側を薄く持ちます。

    真皮縫合で表皮を持ち上げるようなイメージです。

    筋層に針を挿入していきます

    この時のイメージはやや奥(腟の尾側)に向かって運針するイメージで奥の組織を取れるようにします。

    筋層をひっかけながら手前に針を出す

    つぎに筋層をひっかけながら針の先端を軸にして針を手前向きにします。

    一層目ぎりぎりに出します。

    これで片方の運針が完了します。

    反対側も同様に

    反対側も同様に、筋層を展開し奥目に運針、針の先端を軸にめくりあげ、手前に運針します

    これをを繰り返して終了です。

    所属施設では年間200-300件ほどTLHやRASHを行っていますが、ここ数年腟断端離開は行っていないのでこのやり方でおそらく間違いはないと思います。

    ただこのやり方がその施設にとってベストかどうかは不明です。

    一層目を前層縫合して、プラス正中Z縫合や腹膜縫合でもよいと思います。閉経後など膣壁が薄い時はよくやっています。

    縫合後の腟断端の強さを調べれたら一番なのですがなかなか難しいですね。

    なので、今回のやり方も私が考える理論上よい2層縫合になります。

    めくりあげて、なるべく奥を取るような運針が必要となるためやや技術が必要となりますが、ぜひ参考にしてみてください

    これでやっとTLHが終わりました。今後は、他の術式についても詳しく解説していこうと思います。もしかしたらパラレル配置のTLHより需要があるかもしれませんね。もう少しコラム的なものも増やせたら良いなぁと思っています。よろしくお願いいたします。

    まとめ問題と答え

    問題: 腟断端の2層目縫合についての説明の中で、正しい記述を選択してください。

    A) 2層目縫合では筋層を薄くを取り縫合を目指す。
    B) 真皮縫合のイメージを参考に、筋膜ではなく筋層を幅広く取り、減張を達成する。
    C) 筋層は分厚く持ち上げ、扱いながら縫合する。
    D) 一層目の縫合は筋層を中心に行い、二層目では粘膜のみを縫合する。

    答え: B) 真皮縫合のイメージを参考に、表皮ではなく筋層を幅広く取り、減張を達成する。

    解説: 腟断端縫合の2層目では、真皮縫合のイメージを用いて筋層を幅広く縫合することが重要です。この方法は、表皮での減張を達成するのと同じ原理で、筋層を幅広く取ることにより、創部の減張を目的としています。これにより、傷の治りが理論的に良くなるとされています。他の選択肢は、このテキストに基づいた正しい手法を反映していません。