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  • 運針ってそんなに自由だったの?縫合マスターへのたった二つのコツ。

    運針ってそんなに自由だったの?縫合マスターへのたった二つのコツ。

    縫合に自信ありますか?

    縫合難しいですよね。特に腹腔鏡になると・・・

    実は、

    運針の原則はたった2通りしかないと聞くとどうでしょう。

    できる気がしませんか?

    今日の縫合やらせてもらえませんか?」と自信を持って言えるそんなふうになりたくないですか?

    この記事では、縫合で針を自在に操るための基本動作とコツを、初心者にも伝わるように解説します。自信を持った自分になるための2分をどうぞ。

    運針の2原則

    運針技術は患者を守る

    縫合は外科医にとって最も大切な手技の一つですよね。

    出血が止まらない時の最後は縫合。組織を再建した時の出来上がりを決めるのも縫合。

    止血と、再建って完全に外科医の中心に位置する手技ですよね。

    つまり、縫合がうまいかどうかで外科医としての器量を図ることができる。こう言えるかもしれません。

    押すか、回すか。それだけ。

    「針の動かし方は二つだけ」と聞くと、「え?それだけでいいの?」と思うかもしれません。

    でも、このシンプルさこそが奥深さの入口

    その二つとは

    押すか、回すか。

    たったそれだけの組み合わせで、針はまるで意思をもったように滑らかに、思い通りに動いてくれます。

    そう、まるで革細工の職人の指先のように。

    「回して、向きを合わせたら押す」


    押してから回すこともありますがこの順番が基本です。

    針先の向きが進行方向と合っていれば、組織の中をするっと気持ちよく進んでくれます。

    まずはその針先、「顔」を向けてやる必要があるんですね。

    下は腹腔鏡下の子宮核出の場面です。粘膜下に近く死腔を作らず縫合するためにプルアップ法(禁酒を残したまま底を縫っていく方法)を用いているところです。

    端の縫合のため、Vの字に運針する必要があります。

    やることは?

    回して押すだけ!!

    やっていることは単純ですよね

    実際のやり方

    向きを合わせる:針先を中心に動かす

    では、実際に「右に出したい」場合。

    これはつまり、筋膜の右側に針を抜きたいということ。

    そのときは、まず針の向きを右に。ぴたりと方向が合ったら、そこでぐいっと押し出します。

    ここでポイント

    針先の向きを変える時は、針先を回転の中心とする。

    針先を回すときにシャフトを移動させる必要があります。

    押す

    向きを合わせたら、それから押す。

    まるでハンドルを切ってからアクセルを踏むようなものです。

    向きと推進力、この両輪が針をコントロールする鍵となります。

    左手で調整する

    ここまでで「押す」「回す」の2つの基本操作がわかりましたが、もう一つ重要なテクニックがあります。

    それが「左手で組織を引っ張る」こと。

    え、なんで左手?と思ったあなた、実はここが職人の技の見せ所なんです。

    ポイントは

    出したい方向と逆に引っ張る

    たとえば左に運針したい場合は、組織を右に引っ張る。すると針の通る道が自然に左へ向き、摩擦も減ってスムーズになります。

    手前に出したい時はどうすればいいですか?

    手前に出すなら左手で組織を奥に押します。

    考えてみれば当然ですが、案外できていない人は多いので意識してみてください。

    ちょっとした左手の力加減が、縫合全体のリズムと精度に直結します。

    素振りしてみよう

    ドライボックスと手術中で感覚は違いますよね。

    これは、どうしても角度や距離感やカメラの問題がるためしょうがないです。

    ドライボックスでめちゃくちゃに練習したのに、手術中は思うようにいかない。

    そんなのはあるあるです。

    そんな時は素振りをしてみましょう。何ミリ入れた後、回し始めるのか。実際素振りをしてみてください。

    自在に針を操るという感覚と素振り

    はじめは「え?なんで思ったところに出ないの?」と焦ることもあるでしょう。

    でも、向きを合わせてから押す。そして左手で組織を引っ張る。この一連の動作が一体化してくると、不思議なことに針が「勝手に動いてくれる」感覚を味わえるようになります。

    これはちょっと大げさに言えば、縫合というよりも「針と踊る」感覚。針の動きを制御するというより、針と呼吸を合わせるのです。まるで太極拳のような静かな力強さ。

    まとめ

    針の動かし方は、驚くほどシンプル。押すか回すか、そして左手で引っ張るか。その3つを極めるだけで、縫合はぐんとスムーズになります。

    最初は動きがぎこちなくても、繰り返すうちに、針の先があなたの「手の延長」に変わる瞬間がきます。焦らず、向きを見て、そっと押してみましょう。

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    問題

    針を左に出したいとき、適切な操作はどれか?

    A. 針を右に回して押す
    B. 組織を左に引っ張りながら針を押す
    C. 針を左に向け、組織を右に引っ張って押す
    D. 針をまっすぐのまま押し込む

    解答
    C

    解説
    針の動きは「向きを合わせてから押す」が基本。また、出したい方向とは逆に組織を引っ張ると、針がスムーズに進みます。したがって「針を左に向け、組織を右に引っ張って押す」が正解です。

  • LM(筋腫核出)の筋腫を取るまでの全体像 北半球と南半球

    LM(筋腫核出)の筋腫を取るまでの全体像 北半球と南半球

    LM(腹腔鏡下子宮筋腫核出術)を執刀する自信ってありますか?

    なかなか自信あります!とは言えるひとは少ないと思います。

    正直言うとTLH(腹腔鏡下の単純子宮全摘術)よりも難しいです。

    それは子宮を残すからです。

    残さなくていいなら、血管をつぶして、層をつぶしても大丈夫なのですが残すならそうはいきません。残すのは取るよりも難しいのです。

    ジェンガを思い出してください。

    倒すだけなら適当に押すだけでいいですが、倒さないようにするには、場所や力加減、方向が大切になりますよね。

    子宮筋腫核出術は女性の生殖に影響を及ぼす子宮を温存しつつ筋腫を除去する手術であり、子宮の機能を最大限に保ちながら、症状を緩和し、将来の妊娠の可能性を維持するというとても困難で意味のある手術です。

    この手術の技術を習得することは、女性の人生において重要な役割を果たすことができます

    ただ、子宮筋腫核出術は筋層の切開、筋腫と筋層の同定、さらには手術操作の経時的な変化に至るまで、多くの細かな技術が必要となります。

    今回の記事では、これらの課題に焦点を当て、この重要な手術技術を習得するため全体像の理解を深めることを目指します!

    子宮筋腫核出までの基本

    子宮筋腫核出術において成功を収めるためには、筋層切開の位置と深さ、筋腫核と筋層の間の同定、および経時的変化の認識が極めて重要です。以下、これらの要素について詳しく解説します。

    筋層切開の位置

    子宮筋腫核出術の最初のステップは、子宮の筋層を適切な場所と深さで切開することです。

    筋層の切開は、筋腫を取り囲む健康な組織を最小限に損傷するように慎重に選択する必要があります。

    簡単に言うと筋層の一番薄いところです!

    もちろんそれだけではありません。

    切開の位置は、筋腫の位置、大きさ、および数に基づいて術前にある程度決定します。

    術中に触りながら場所を最終決定することが大切です。

    もちろん、薄いから取って血管や卵管に近いなどあれば避ける必要があります。細かい基準に関しては別記事に譲ります。

    切開の幅や深さ

    切開の深さは、筋腫に十分にアクセスできるようにしながら、周囲の健康な組織への影響を最小限に抑える必要があります。

    つまり、広すぎず狭すぎず、そして浅すぎず深すぎず。

    筋腫ごとの大きさや深さによって切開の幅や深さは変わってきます。

    当然ですが、狭すぎたり浅すぎると取り出すことはできませんし、広すぎたり深すぎると出血量が増えたり筋層の損傷が増えることとなります。

    (このちょうどいい塩梅は言語化できるのですが、1記事かかるので後日記載します。それぞれの項目でより詳しいことをまた解説していきますね。)

    筋腫核と筋層の間の同定

    筋腫核と周囲の筋層の間を正確に同定することは、筋腫を効果的に除去し、子宮の機能を保存する上で非常に重要です。

    つまり、筋腫がつるつるに向ける層を同定できると子宮筋層は損傷少なく、出血は減り、縫う量も減ります

    この同定プロセスは、特に筋腫が子宮壁に深く埋まっている場合には、かなり技術的な挑戦となります。

    当然、深いものを見つけるって難しいですよね。

    正確な層の同定には、高度な視覚的判断と繊細な手技が必要とされ、これには豊富な経験と練習が必要です。層のずれや内膜の損傷を避けるためには、細心の注意を払う必要があります。

    初めにきれいな層を見つけられるかどうかが最も大切な部分になります

    北半球と南半球での操作の違い

    私が勝手にいってる用語は何個かありますが、その一つを紹介します。

    北半球と南半球

    この用語はLMを理解するにあたってとても手助けとなる単語となっています。

    単語は存在することで人間の認識を変えることが出来ます

    例えば、人間を認識するときに、性別という単語があるので男性と女性が分かれます。
    貧富という単語があるの貧乏とお金持ちに分かれますよね。

    このように、単語があることで特定の認識をしやすくなるのです。

    この北半球と南半球という単語があることでLMの手技の理解が深まるなら導入しないわけにはいかないですよね。

    LMにおける北半球と南半球

    上半分と下半分です。(切開部より)

    あえて北半球と南半球という用語を使うことで、認識が進み手術手技を理解できるのでこのブログではこの用語を使っていきます。

    もう少し詳しく掘り下げると下記のようになります。

    • 北半球: 筋腫の上半分。筋腫と子宮筋層の間を剥がしやすい傾向にあります。これは、上から手が入る腹腔鏡では上半分へのアクセスが比較的容易であり、筋腫を包む筋層剥離が比較的容易であるためです。その結果、スムーズに進行しやすくなります。
    • 南半球: 筋腫の下半分。手術はより複雑になります。この領域では、子宮と筋腫の間で適切なな角度を取ることが難しく、また、栄養血管の存在により、層を追っての手術や出血が原因で視野を確保することが困難になります。このため、南半球での筋腫核出術に特に注意を払う必要があります。

    南半球まで処理が終われば筋腫の核出は終了となります。このあと縫合に移るのですがいったんここまでとしておきます。

    まとめ

    子宮筋腫核出術は、研修医が習得すべき重要な手術技術の一つです。

    この手術は、子宮の機能を保持しつつ、女性の生殖健康に関わる問題を効果的に解決できますがその分難しい手術になります。

    子宮筋層の適切な切開、筋腫と筋層の間の正確な同定、および手術操作の地理的な違いへの適応は、成功のために不可欠な要素です。

    子宮筋腫核出術の成功は、手技、判断力、そして経験に大きく依存します。

    この記事が、子宮筋腫核出術の重要な側面を理解し、研修医がこの貴重な手術技術を習得するための基礎を築くのに役立つことを願っています。