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  • 【知識詰め込み終了】AI時代で本当に必要なのは・・・いつでも本質は変わらない。

    【知識詰め込み終了】AI時代で本当に必要なのは・・・いつでも本質は変わらない。

    「AIが診断も説明もできるなら、医師は何を磨けばいいのか?」

    医学生や研修医、現場の医師も一度は考えるテーマです。

    ご存知の通り、AIは医学情報の整理、鑑別診断、患者さん向け説明文の作成が得意です。

    正直、当直明けの私なぞ、足元にも及ばないレベルで働いてくれます。

    あ、当直明けじゃなくても負けてました。

    最近では東大、京大の医学部を首席合格できるレベルになったそうです。(参照)

    そんな、人間を超えた知能を持つAI時代に、この記事でわかることは、

    AIが得意なことと医師が担うことの違い。
    産婦人科で必要なコミュ力の正体。
    明日から診療で意識できる行動 SOLER

    です。未来に絶望する必要はありません。AI時代を乗り切るコンパスと地図を見つけましょう。

    AIは情報処理の相棒である

    AIって敵ですか?味方ですか?

    手術に携わることが生き甲斐になりつつある私にとって、ダビンチがオートで手術をし始める時代が来ることに多少、敵対する気持ちがあります。

    ただ、実際にAIと医師を対立させる必要はありません。AIは、医師の席を奪いに来た敵ではなく、情報処理を助ける相棒です。

    AIは一般的な説明を整理し、説明文のたたき台を作り、鑑別診断の候補も広く挙げられます。

    ただし、AIが出すのは基本的に一般論です。

    目の前の患者さんが何を恐れ、何を大切にし、どんな生活背景で迷っているのかまでは、診察室の空気から自動で読んではくれません。

    そこから先に、医師の役割があります。

    それは、コミュ力。

    コミュ力は雑談力ではない

    ここでいうコミュ力は、待合室を爆笑させる力ではありません。外来が居酒屋になっても困ります。

    AI時代に必要なコミュ力とは、

    文脈理解、信頼形成、合意形成の力です。

    ちょっとめんどくさい話になってきましたか? これは今後10年20年を変えうる話になります。

    文脈理解とは、相手の背景を踏まえて話を受け取ること。信頼形成は、不安を雑に扱わない姿勢から生まれます。合意形成(関係者が納得できる方針にそろえること)は、医師の判断と患者さんの価値観をつなぐ作業です。これは臨床技術です。

    尊敬している医師はいますか?

    もちろん、技術も知識もすごいと思いますが、きっと”コミュ力”が高いのではないでしょうか。

    産婦人科では人生背景が方針に入ってくる

    産婦人科は、医学的正解だけで方針が決まりにくい診療科ですよね。

    専攻医の時、ガイドライン信者であった私は、患者の社会的背景、病院機能の限界が治療方針を大きく変えていくことに大きな疑問を持っていました。

    不妊治療を続けるか、少し休むか。出生前検査を受けるか、受けないか。分娩誘発をするか、自然な経過を待つか。子宮筋腫で子宮を残すか、根治を目指すか。

    今なら、言えます。お互い納得した治療方針を決めるという能力がこの世にはあると。

    AIはメリットとデメリットを並べられます。しかし、患者さんにとって大事なのは一覧表の美しさではなく、「自分にとって、どの選択なら納得できるのか」です。

    同じ病名でも、妊孕性(妊娠する力)への思い、仕事、家族、不安の強さで選び方は変わります。情報は見えている。でも患者さんが進める形にはまだ展開されていないのです。

    患者さんもAIと一緒に来る

    これからは、患者さんもAIで調べてから受診します。「AIでは手術しなくてよいと出ました」「この薬が妊娠中に不安です」と相談される場面は増えるでしょう。

    そこで「AIは信用しないでください」と切ると、情報だけでなく不安まで切ってしまいます。切るなら癒着だけにしたいところです。

    大切なのは、まず受け止めることです。「どの部分が心配でしたか」「それを読んでどう感じましたか」と聞く。そこから医学的に安全な情報へ翻訳していく。情報の奥にある不安に敬意を払う姿勢が、信頼につながります。

    AIに任せるほど、医師は対話に集中できる

    学生時代よく言われたのが、「カルテと会話している医師」でした。

    パソコンに向かって患者さんの顔に一瞥もしない。そんな人をカルテと会話している医師と評されたのです。

    正直仕方がないところがあります。1人3〜5分程度で外来を回さないといけない。さらに急患が飛び込んでくる・・・

    私もブラインドタッチを身につけて、なるべく顔を見て話すようにしていましたが限界はありました。

    そこでAIを仲間として迎え入れるのです。AIが説明文や要約を助けてくれるなら、文章化は任せればよいと思います。

    そのぶん、医師は患者さんの表情を見る。沈黙を待つ。理解できているか確認する。迷いの奥にある価値観を聞く。

    今はまだ、AIを外来に取り込んでいるところはかなり少ない状況ですが、これから必ずカルテ記入作業はなくなります。

    AIが情報処理を担うほど、医師は「この患者さんではどうするか」に集中できます。

    AIが進むほど医師の価値が薄まるのではありません。むしろ、文脈を読み、信頼を作り、合意形成する力がある医師が重宝されるのです。

    技術が進んでも人間の本質は変わらないという言葉があります。ツイッター(現X)はITによって作られましたが、その本質は「コミュニケーションをしたい。」です。

    AIがどれだけ発展しようが、人間の本質は変わりません。ただただ患者とどれだけ向き合えるかになるのです。

    明日からできる小さな一歩 SOLER

    最後に明日から使える本質的なテクニックをお伝えいたします。

    AIに知識量で勝とうとしすぎなくてよいです。ただし、勉強しなくてよいという意味ではありません。知識は土台です。その知識を患者さんの人生に接続する練習が重要になります。

    おすすめはSOLERという話の聞き方を実践すること

    SOLERは、相手の話を「ちゃんと聞いています」と態度で示すための基本姿勢です。カウンセリングや医療面接、面談などでよく使われます。

    S:Squarely
    相手に正面から向き合う。
    斜めすぎたり、体をそらしたりせず、「あなたに向き合っています」と示す。

    O:Open posture
    開いた姿勢をとる。
    腕を組まない、ふんぞり返らない。防御的・拒否的に見えない姿勢にする。

    L:Lean slightly forward
    少し前傾する。
    関心を持って聞いている印象を与える。ただし近づきすぎない。

    E:Eye contact
    適度に目を見る。
    じっと見つめすぎず、自然なアイコンタクトで安心感を作る。

    R:Relax
    リラックスする。
    緊張しすぎず、落ち着いた表情・声・姿勢で聞く。

    まとめると、SOLERは
    「正面を向き、開いた姿勢で、少し前のめりに、適度に目を見て、リラックスして聞く」
    ということです。

    “この人は自分の話を聞いてくれている”と患者に感じてもらうための非言語スキルです。

    明日からできることは一つです。説明の前に姿勢を正し、「今日いちばん心配なことは何ですか」と聞いてみる。

    AI時代の産婦人科医に必要なのは、雑談がうまいコミュ力ではありません。患者さんの文脈をしっかりと組み込み、相手に合わせて安全に届けるコミュ力です。

    まとめ

    AIのおかげで本来すべき、手当て(手を触れること)ができるようになる。そのため、知識を詰め込むだけじゃなく、スキルと人と接する態度を伸ばすほうがよい。

    更新通知はXで行っています。お見逃しないようにフォローをぜひお願いします。

    4択問題

    問題
    AI時代の産婦人科医に必要なコミュ力として、本文の内容に最も合うものはどれか。

    A. 患者さんと雑談を長く続ける力
    B. AIを避け、すべて自分の知識だけで説明する力
    C. 患者さんの背景や価値観を踏まえ、情報を納得できる方針に接続する力
    D. 患者さんの希望をすべて優先し、医学的判断を控える力

    解答
    C

    解説
    本文でいうコミュ力は、文脈理解、傾聴、信頼形成、合意形成の力です。AIが情報を整理する時代だからこそ、医師にはその情報を患者さんの人生に接続する力が求められます。

  • 【徹底解説】ダビンチの電メ設定は何故わかりにくいのか?ジェネレータの全体像とともに

    【徹底解説】ダビンチの電メ設定は何故わかりにくいのか?ジェネレータの全体像とともに

    あなたは電気メスのジェネレータについて説明できますか?
    なぜダビンチにわざわざ外付けジェネレータを使って執刀している人がいるか説明できますか?

    今回はこれらをドヤ顔で説明できる素敵な記事をご用意しました。

    ・・・ちなみにですが、

    「説明できない人は本当にやばいです!手術する資格ありません!!」

    なんてこと言うつもりは、まったくありません

    正直言うと全員がジェネレータについて説明できなくて良いと思っています。
    知らなくても手術はできるからです。

    例えば、今お持ちのスマホやパソコンのスペックを解説できますか?
    ストレージやメモリといった項目がそれぞれ何を示しているか。そして、自分の目的に応じて最適化して選べていますか?

    おそらくわからず、とりあえず真ん中あたりの値段のものにしとこうかなぁって感じじゃないですか?

    でも普通にスマホ、使えてますよね?LINE、カメラ、ネットなどしたいことはできているわけです

    よく考えてみると不思議じゃないですか?

    これは、よくわかっている人が、”いい感じ”に調整してくれているからできているわけです。

    みんなYoutube見るぐらいだし、これぐらいのスペックでいいかって感じです。

    手術のジェネレーターに関しても同様のことが言えます。

    つまり、基本的に手術で誰が使っても”いい感じ”になるように設定されているわけです

    電気メスを使って腹腔内全てが消し炭になるなんてことないですよね!?CUT押しても全く切れないなんてことないですよね?誰かがいい感じに設定してくれてます。

    「使えてるなら、知らなくていいんじゃない?」と思いました?

    このブログを読むようなマニアックな方は絶対に知っておくべきです!!

    ジェネレータ設定を知らないと、必ず、どこかで思い通りの手術ができず行き詰まります。

    どんどん手術の解像度が上がってきた時、そして細かい血管走行やファシアを一本一本切りたい時に必ずジェネレータの知識が必要だからです。

    これは例えば、スマホやPCでこだわった動画編集をしたい時に似ています。どれぐらいのスペックが必要なのか理解してせず、低スペックのマシーンで動画編集を行うとフリーズします。これと同じですね

    この記事を数分読むだけで、ずっと悩んでいた処理できなかった組織が綺麗に処理できるようになるかもしれません

    最後にはジェネレーターの全体像が見えてきます。

    ジェネレーターの説明ができるだけで、この人こだわってるなぁって思われること間違いなしです笑

    なるべく噛み砕いて説明するので、楽しんで見ていってください。

    erbe社のジェネレータを元に知識を深めて行きましょう

    ダビンチのジェネレータ erbe VIO dV ってどんなの?

    ダビンチが急速に広まる中、現在広く普及しているジェネレータは”erbe VIO dV”になります。

    erbeという会社のVIOシリーズのdV(ダビンチ専用)というわけです。

    Appleという会社のiPhoneシリーズの17Pro的な感じです!erbe社ではVIO3が比較的有名なジェネレータですね。

    普通のジェネレータはモードとワットを設定すれば大丈夫です。ソフト凝固の80Wとかですね。

    VIOシリーズは強さの設定が独自です。VIOシリーズのみモード/エフェクト/ワットの三つを設定する必要があります。

    モード=CUTとCOAGの比率設定

    モード設定は「どう切って焼くか」という挙動の選択になります。ざっくりCUTよりにするかCOAGよりにするかのグラデーションで理解してください。以下は公式の発表に基づく説明です。こちらは他のジェネレータとも同じ様なイメージですね。

    大まかに、よく切れるようにするか、それとも広範囲に凝固できるようにするかのグラデーションです。大体モードが3つぐらいあるのはそのためです。よく切れる、よく凝固できる、その間。

    例えば、VIOdVの電気メスの凝固(COAG)であれば、
    ・凝固いつつ切れ味もでるClassic
    ・凝固に特化したForced
    ・その間のSwif
    といった具合です。

    「凝固の中で、純粋な凝固にするのか、すこしCUT寄りにするのか」を選ぶイメージです。
    バイポーラーに関しても同様に考えて良いです。ここまでは結構わかりやすいですよね。

    まずは『モード=CUTとCOAGの比率設定』と覚えてください。切りたいか、焼きながらちょっと切りたいか、焼きたいか。これはすべてのジェネレータに共通した考えです。

    エフェクトとワットについて

    つぎにエフェクトとワットの話をします。
    結論から言うと

    ・エフェクト:強さ(狙う組織効果の強度)
    ・ワット:強さの上限(安全性のリミッター)

    という整理がわかりやすいです。

    重要なのはワットが強さを定義しているわけではないという点です!強さは主にエフェクト側で決まります。

    普段であればWを調整すれば良いわけです。「つよさ40にして〜」「80まで上げて〜」と看護師さんにお願いしますよね。しかし、VIOでは、これが「エフェクトあげて〜」になるわけです。

    ここが混乱ポイントとなります(ワット設定項目として残るため、なおさらわかりにくい)。

    例えば、凝固の最も凝固寄りのFORCED COAGについて見てみましょう。こんなイメージ↓

    Geminiを使用し作成

    エフェクトが上がるほど(概念的には)強く/広く/深くなっていきます。

    ワットは上限になります。安全機構のように捉えると理解しやすいです。
    そのため、低いエフェクトで高いWを設定しても効果は限定的です。逆に高いエフェクトで低いWを設定するのも筋が悪いです。

    個人的なイメージ VIOのジェネレータはシャワーと同じ

    なかなかここまでの話でイメージがつかみにくい場合は「ベランダで水やりするシャワー」を思い浮かべてください。

    Geminiで作成

    実は、シャワーヘッドと元栓の構造はジェネレータと全く同じなんです。

    って言えばびっくりしますよね?実はこの例え、芯を食ってます。

    ・シャワーヘッドの形(ジェット/霧など)=モード
    ・レバーの握り具合=エフェクト
    ・元栓がW(上限)

    もし高圧洗浄のように組織に切り込みたいなら、シャワーの「ジェット」に相当するCUT寄りのモードにすればいいし、幅広く凝固したいならシャワーの「霧」の様に広がるCOAG寄りのモードに寄せればいいのです。

    そして強く、深く、広くしたい場合は、シャワーレバーを握るように、エフェクトをあげてやる訳です。

    最後のWは安全機構ですね。例えば、ジェットでベランダ洗浄をしていたらお隣さんまで水を飛ばしてしまう危険性があり元栓を少し締めておく様なものです。

    なんとなくイメージできましたか?

    ジェネレータ=シャワーというのは良いメタファーなのです。

    erbe VIO dVが酷評される理由とその素晴らしさと限界

    酷評される理由のひとつは”慣れ”

    このerbe VIO dVですが”わかりにくい”と酷評されています。

    なぜでしょうか。勘のいい人なら、ここまで来たらわかりますよね。

    理由は単純、変数が3つあるから。しかも他のすべてのジェネレータが採用している、Wでの強さ設定をしていないから。

    調べてみると、erbe以外の代表的なジェネレータ(Medtronic(FT-10)、OLYMPUS(ESG-400)、ETHICON)などは基本的に「モードとW」の2変数で設定されています。

    強さをワットではなくエフェクト、そしてワットは強さを表さず上限を示している。

    これがわかりにくい原因ですね。ラパロでErbe以外を使っていた人からするとこんがらがります(私もそうでした)。

    人は普段と違うものに拒否感を示すもの。酷評されているのも分かります。

    しかし、実はerbe社VIOは他とは一線を画す思想を持っています!そしてその思想がさらなる酷評の引き金となります。

    Erbe社の素晴らしい思想と最高のジェネレータ

    Erbe社のジェネレータの設計思想は

    「狙った組織効果を再現する」=reliable / reproducible tissue effects(参考)

    つまり

    「どんな組織でもいつも同じ様な切れかた、焼け方をする。」

    なので、”EFFECT”という言い方をします。組織に対して与える効果を設定しているのです。

    これってすごくないですか?脂肪でも血管でも、ウェットな術野でも、乾いていても、接触が甘くても同じ様にきれたり焼けたりする訳です。

    組織によって当て方を変えたりする必要がありません。

    車で言うと自動運転の様なものです。周りの状況を常に監視しいい感じに車を操作してくれる様な素晴らしい技術です。

    ちなみに、今一番よいと言われているジェネレータとモードはerbe ”VIO3”のPreciseSECTモードです。

    このUPSTREAMの伊藤雄二先生の説明が全てを表しています。この動画の13分の膀胱剥離を見るとかなり綺麗にきれています。ぜひ時間がある時に見てみてください。

    こちらはスクショです

    癌研有明の金尾先生もこのモードを使用していると、講演で述べられていました。

    この最高ジェネレータのVIO3と酷評のジェネレータVIOdV、そこの違いを深掘りしてみましょう。

    erbe VIO dVは力不足 VIO3の1/25,000の能力とは

    医療機器を作るときは認可申請をする時に、「これを元に作りましたよ〜」っていうものがあった方が通りやすいのはご存知でしょうか。
    この元となる機器をpredicate deviceと言います。

    例としてhinotoriは認可を通りやすくするために、ダビンチを真似して作っています。同じ様な配置になっているのはそのせいです。

    さて、ダビンチのジェネレータVIO dVのpredicate deviceはVIO 300Dという機種になります(こちらの4ページ目参照)。

    実は、このVIO300DはVIO3の1世代前のジェネレータになります。ということはVIOdVは現在のVIO3より1世代前のジェネレータを元に作られたということになります。

    そんな変わらないんじゃないの?って思いますよね。大きな大きな差があります!

    VIO3は標的組織を毎秒2,500万回以上測定しています。めちゃくちゃ多いですよね。PreciseSECTモードは先ほど述べた、どんなものを切っても、切れ味良く出血が止まるという理想を叶えています。(参照リンク)

    一方で、VIO300DつまりVIOdVは毎秒1000回です。(こちらの17分30秒ごろ参照)

    え、少なくないですか?2万5千倍違うんですか?

    25000倍? 万桁違うの?? 1mlが25Lの様なもんだよ???

    私もいまだにびっくりします。

    ドラゴンボールの界王拳ですら20倍までやぞと。ジンバブエドルのハイパーインフレちゃうんやぞと。(ジンバブエドルは月8億倍らしいです笑)

    いまだに疑っていますが調べた限りでは、おそらくあっていそうです。

    VIO3はerbe社の思想を達成した素晴らしいジェネレータですが、その1世代前のジェネレータの性能しかないVIOdVはerbe社の素晴らしい思想を実現するには力不足という結論が導き出せます。

    変数が3つあり分かりにくく、さらにジェネレータ自体のフィードバック回数が少ないことから性能としても不十分なジェネレータとなってしまったVIOdVは酷評されている訳ですね。

    外付けでジェネレータをつけている執刀者の考えもこれで分かりましたよね。

    なお、現在はダビンチ5がローンチされ、新しいジェネレータが出ています。実際に使用してみたので、今度レビューしますね!お楽しみに。気になる方は各種SNSのフォロー(X)をお願いします。

    まとめ

    ジェネレーターは「誰が使っても破綻しないように“いい感じ”に設計されている」一方で、手術の解像度を上げていくほど“設定の意味”が効いてくる。
    モードは、切る(CUT)と焼く(COAG)の性格=挙動を決めるつまみ。
    VIOシリーズがわかりにくいのは、強さをWで決めるのではなく、EFFECTで“狙う効果”を決め、Wは上限(リミッター)という発想だから。
    ただVIOシリーズの良さは、条件が揺れても狙った組織効果を再現しやすい設計思想にあります。
    ダビンチのジェネレータVIOdVではフィードバック制御が粗くなりやすく、その分性能が低い。
    ジェネレーターを理解することは、手術手技を増やすというより、「同じ手技の再現性を上げる」ための武器となる。

    選択肢問題

    Q1. VIOシリーズにおける「EFFECT」と「W」の関係として、最も適切なのはどれ?

    A. EFFECTが上限で、Wが強さそのもの
    B. Wが強さそのもので、EFFECTは飾り
    C. EFFECTが狙う組織効果(強さ)で、Wは上限(リミッター)
    D. EFFECTもWも同じ意味で、どちらを変えても同じ結果になる

    正解:C

    解説: この記事の核です。VIOでは“強さ=W”という感覚が通用しにくく、狙う組織効果(強さの中心)はEFFECT側で決まり、Wは安全側の上限として働く、という整理が一番スッキリします。


    Q2. 「モード」を一言で表すなら、どれが近い?

    A. 通電時間を決める
    B. CUTとCOAGの性格(比率・挙動)を決める
    C. 温度を直接指定する
    D. 組織抵抗を測定する回数を決める

    正解:B

    解説: モードは「どう切って、どう焼くか」の挙動選択です。CUT寄り/COAG寄り/その中間というグラデーションを作っているのがモード、という理解が一番迷いません。


    Q3. シャワーのメタファーで、EFFECTに最も相当するものは?

    A. シャワーヘッドの種類(ジェット/霧)
    B. レバーの握り具合(出る勢い)
    C. 水道の元栓(安全側の絞り)
    D. ホースの長さ

    正解:B

    解説: シャワーヘッドの形=モード、レバーの握り具合=EFFECT、元栓=W(上限)という対応でした。イメージが湧けば、VIOの3変数が直感的に整理できます。


    Q4. 「低いEFFECTに高いW」を設定したときの説明として、この記事に沿うのはどれ?

    A. 最高に強くなるので万能
    B. 安全性が上がるだけで効果は上がらない
    C. 上限を上げても、EFFECTが低いので狙う効果は出にくい(意味が限定的)
    D. 逆に弱くなる

    正解:C

    解説: Wは上限です。上限を上げても、そもそもの“狙う効果”がEFFECT側で決まっているなら、期待した変化は得にくい、というロジックになります(※実機の挙動は機種・モードで差が出ますが、記事の理解としてはこれでOK)。


    Q5. 外付けジェネレーターを併用する執刀者がいる理由として、この記事の流れに最も合うのはどれ?

    A. 見た目がかっこいいから
    B. 設定が面倒なので機械を増やしているだけ
    C. 狙う組織効果の再現性を上げる/世代差や設計差を埋めたいから
    D. どのジェネレーターでも結果は同じなので、気分で付けている

    正解:C

    解説: 本文では、ERBEの思想(reliable / reproducible tissue effects)や、世代差(制御・フィードバック設計の違い)が示唆されました。外付け併用は「手技の問題」ではなく「狙った組織効果を安定して出す戦略」として説明すると筋が通ります。

  • 【アーム干渉】誰でもできる!ロボットアーム干渉ゼロ配置のコツ。#2「アームごとの役割からか考えるといいよ。」

    【アーム干渉】誰でもできる!ロボットアーム干渉ゼロ配置のコツ。#2「アームごとの役割からか考えるといいよ。」

    ロボット手術のとき、アーム同士がガチャガチャとぶつかって「あぁっ!やりにくい!」と感じたことはありませんか?

    ロボットアームは便利な反面、正しく使わないと自分で自分の首を絞める結果になりかねません。でも大丈夫、コツはあります。しかもたった一つの考え方に集約されるのです。

    前回は、一旦3rdアームを離すことで、大きな球(ワーキングスペース)ができて干渉を防げると言う原理の話を行いました。

    この記事でわかること

    • 3rdアームの本当の役割
    • アーム干渉を防ぐ配置のコツ
    • 現場で役立つ“リストの向き”の考え方

    各アームは「なんの手?」

    まず覚えておいてほしいのは、ロボットアームには“役割分担”があるということです。

    3rdアームは、まさに「助手の手」そのもの。
    術野を大きく展開してスペースを確保するために使います。”大の展開”や”場を作る”と言いますね。

    一方、1stと2ndアームは「執刀医の両手」。
    実際に手術を進めていくためのアームになります。この2本で組織を微調整しながら、慎重に剥離を進めていくのです。

    つまり、こういうことになります。

    • 3rdアーム:展開の基盤をつくる
    • 1st & 2ndアーム:その空間内で繊細に操作する

    この役割をきちんと認識しておくだけで、動かし方がグンと変わってきます。

    この記事で展開方法については詳細を書いています。⇩

    https://sogogyne.online/jutyatenkai/

    干渉の原因は“手の向き”にあり 

    では実際の配置について。

    アームがぶつかって困る、というとき、その多くはアームのリスト(手)の向きが原因です。

    例えるなら、思いっきり内股にして動いているようなもの。そりゃあぶつかってしまいます。

    理想的な配置はこうです:

    手が向かい合うように配置する。つまり、1st・2ndアームを使いたい向きと相対するように、3rdアームのリストの向きと合わせて配置する

    例えば以下の図を見てください。

    以下の3点を把持したいと思います。

    この時の配置は以下のようになります。

    まず、3rdアームがなるべく外側に行くように配置します。つまり内側に手を向けます。(前回の記事参照)

    そしてその後の、1stと2ndの手が向かい合うようにします。

    イメージは、3rdアームが空間を押し広げてくれて、1st・2ndアームがその中で繊細な作業をする“舞台”を与えてくれている感じです。

    失敗例

    これが持つところは同じで反対向きにするとどうでしょうか

    まず、カメラに近くなるように3rdアームを手首が外側になるように配置します。

    そして1st.2ndアームも手が外側に向くように配置。

    アームの位置を見てください。だいぶ窮屈になっていますよね。

    もはやカメラ当たってます。

    手を外側に向けると干渉しやすいのです。

    ある日のオペ:3rdアームが空気を変えた

    ある症例、巨大子宮のRASHで行っていたときのことです。

    助手が腟パイプで良いテンションを取ってくれていたものの、1stアームでどうしても届かない、角度が取れないという場面がありました。

    そこで私は、3rdアームで子宮を左奥に持ち上げて空間をしっかりと広げてみました。するとどうでしょう、処理したかった右上行枝が見事に露出。あとは1stアームでそっと滑り込ませるだけで処理完了。

    「視野が変わると、手術が変わる」とはこのことかと実感しました。

    まとめ:3rdアームで空間を操る者が勝つ

    ロボット手術で最も重要なこと、それは“空間をどう作るか”。

    そして、その空間を操るのが3rdアーム。展開の基礎を築き、1st・2ndアームがその空間で踊るように働く——これが美しい手術のかたちです。

    アームがぶつかる? 視野が狭い?

    そんなときは、3rdアームの配置とリストの向きを見直してみましょう。

    きっと新しい術野が見えてくるはずです。

    アーム配置の極意:3rdアームは“助手の手”。そして基本は向かい合わせになるようにアームを配置

    次回は、「それでもダメな時・・・」についてご紹介します。X(旧Twitter)で更新通知しているので、ぜひフォローをお願いします。


    問題

    問題

    ロボット手術において、アーム同士の干渉を避けるために重要な工夫はどれか?

    A. 3rdアームは操作しないようにする
    B. 1stアームと2ndアームを内向きに曲げる
    C. 3rdアームと1st・2ndアームのリストの向きを向かい合わせに配置する
    D. すべてのアームを同じ方向に向ける

    解答

    C

    解説

    3rdアームのリストの向きと1st・2ndアームのリストの向きを“向かい合わせ”にすることで、アームの動線が交差しにくくなり、干渉が防げます。全アームを同方向に向けるとむしろ干渉のリスクが高まります。

  • 【アーム干渉】誰でもできる!ロボットアーム干渉ゼロ配置のコツ。#1「3rdアームで”巨大な球”を描け!」

    【アーム干渉】誰でもできる!ロボットアーム干渉ゼロ配置のコツ。#1「3rdアームで”巨大な球”を描け!」

    ロボット手術中、気づけばアーム同士が絡まり動きにくくなり、

    「バチん!」

    そんなアーム干渉によるヒヤリを経験したことはありませんか? 

    原因の9割は3rdアームの位置にあります。

    この記事では

    • なぜ球体イメージで干渉を防げるのか
    • カメラ中心からアームを遠ざける具体的ステップ

    を解説します。読めば明日の症例で視野が一段と広がるはずです。

    今回の話は他の開腹手術や経膣、腹腔鏡にも応用可能です。ぜひ見てみてください。

    干渉原因は??

    なぜアーム同士が干渉するのか?

    その理由として、以下の三つが考えられます

    • 全体が見えにくい
    • 触覚がない
    • アームが太い

    つまり、ロボットは近接視野で行うので、俯瞰した視野を取りにくく全体像が見えにくい。また、触覚もないのでぶつかっているという感覚が少ない。さらに、腹腔鏡の鉗子と比べてアームが太くぶつかりやすい。

    核心はたったひとつ 3rdアームで巨大球を作ろう

    これらを解消するための考え方をお教えしましょう!

    カメラを中心に3rdアームまでの球を描き、その球をできるだけ大きく保つ

    ——これこそが干渉ゼロの秘訣です。

    解説

    円で考えていきます。本当は3次元で直感的に説明できるといいのですが、2次元が最も人間が認識しやすいと言われています。

    (人間は3次元で情報を理解するのが苦手です。現代で最も優れた情報整理の方法は表形式(2次元)と言われているほどです)

    カメラから3rdアームまでの距離を半径とした円

    まず、アームがありますよね。

    カメラから3rd

    アームまでの距離を半径とした円をイメージしてみてください。

    そこにアームが来ているイメージをしてください。こんな感じですね。

    弓道の的をイメージしてください。3rdアームの位置を工夫し、この円をなるべく広くなるようにする(アームを中心から離す)ことで、干渉が起こりにくくなります。

    この図で言うと円は青の部分になります。大きな円で干渉がないですよね。

    干渉する時

    仮に3rdアームを中心に近づけて、小さな円にしてみるとどうなるでしょうか。

    アームが干渉します。

    まとめ

    今回はロボットアームの干渉の防ぎ方をかなり簡略して解説しました。

    やることは、カメラを中心とし、3rdアームまでの距離を半径とした球をイメージして、その球がなるべく大きくなるように3rdアームを配置するだけです。

    それでもうまくいかないこともありますよね。

    なぜそうするといいのかの深掘り、そして、うまくやるTIPSについて続きで説明していきます。

    ぜひXをフォローしてお待ちください!

    問題

    ロボット手術において、アームの干渉を防ぐために推奨される3rdアームの配置はどれか?

    A. カメラのすぐ近くに3rdアームを配置することで繊細な操作を可能にする
    B. 3rdアームを中心(カメラ)からできるだけ遠ざけて、大きな球をつくるように配置す
    C. 3rdアームを内側に曲げ、アーム同士が接近するように配置する
    D. 干渉を避けるため、3rdアームはなるべく使用しない

    解答解説

    B. 3rdアームを中心(カメラ)からできるだけ遠ざけて、大きな球をつくるように配置する

    記事では、カメラを中心に「球」を描き、3rdアームがその球の外縁になるような大きな球体をイメージして配置することで、アーム同士の干渉を避けられると説明されている。逆にカメラ近くにアームを配置すると球が小さくなり、アームの動作範囲が狭まり干渉が起きやすくなる。

  • 医師の未来とAI──やりがいはどこへ向かう?AIによる医者の働き方の変化予想。

    医師の未来とAI──やりがいはどこへ向かう?AIによる医者の働き方の変化予想。

    ある日の外来、診療している私はふと手が止まった。
    AIに入力すれば、鑑別診断、治療方針、説明文まで即座に生成される。
    カルテすら自動で要約され、同意書まで下書き済み。
    「私、要る?」と、少しだけ肩が重くなった。

    医師という職業が大きく変わろうとしている。
    その変化は、静かだが確実に、私たちの日常に入り込んでくる。

    この記事でわかること

    • AIによって医師の仕事はどう変わっていくのか
    • 「考える楽しさ」が失われる可能性とその影響
    • 新たなやりがいの見つけ方とは?

    エンジニアの世界で起きていること

    エンジニアの世界では、大きな変化が起きている。

    コードをAIに欠かせ、人間はレビューするだけ。

    もはや常識だ。コードを書くという手を動かす仕事はAIに任せ、レビューだけ行う。

    医療でもきっと同じことが起こる。

    AIが鑑別診断を並べ、治療方針を提案し、患者説明のシナリオまで整える。
    カルテ作成、処方提案、ガイドライン照合。これらを一瞬でやってのける。
    医師の役割は、「診断する人」から「診断をチェックして最終判断する人」へと変わってくる。

    この変化を歓迎する声も多い。
    実際、過重労働に悩む現場において、AIの助けは大きな支えになる。
    でも、心の奥には小さな違和感が残る。

    「自分で考える時間が、確実に減ってきている」

    医師の仕事、2つの未来

    AIの進化によって、医師の働き方は今後2つの道に分かれていくと考えられる。

    ひとつは、大量の患者を捌くルート

    AIが問診し、カルテを作成し、ガイドラインに従って初期対応を行う。
    医師は確認してハンコを押す係になり、「次の方どうぞ」を1日何十回と繰り返す。
    ここではスピードと効率が命。考える時間を楽しむ余裕はない。
    ファストドクター時代の到来である。

    もうひとつは、手術や手技に特化するルート

    現在、AIには世界に関わる物理的な肉体を持たない。
    そのため手術や手技は「人間の領域」となる。
    手術や手技を極めることは、AI時代では大きなアドバンテージになりうる。


    だが手術支援ロボットはますます進化し、遠隔操作、AIナビゲーション、さらには自律型ロボットの開発まで進んでいる。「手術を極めれば安泰」という時代も、案外短いかもしれない。

    つまりどちらの道を選んでも、「人間だけができる仕事」は急速に狭まっていく。
    これは挑戦であると同時に、問いでもある。

    医師のやりがい、どこに再配置するか?

    「仕事時間が減るかもしれない」という予感を、なんとなく多くの医師が抱いていると思う。
    実は仕事は減らない。実際産業革命が起こり、生産性が高まったが仕事時間が減ったわけではない。

    実は減るのは「やりがい」である。そして「考える時間の消失」だ。

    AIコンビニの失敗から見る未来

    AIコンビニというものが中国にある。そこでは、AIが画像解析を行い、仕入れ品出しのタイミングを従業員に教え、それに従い従業員が動くというモノだった。

    確かに生産性は上がった。たった一人で忙しいコンビニを回すことができる。しかし、うまくはいかなかった。離職率が高かったのだ。

    考えてみてほしい、自分は何も考えず、ただ指示通り動く。トイレに行くにも指示を仰ぐ必要がある。何も自分で決めない。そんな状況でやりがいなどあるだろうか。

    医療は不確かさとの格闘だった。
    患者の言葉にならない訴えを聴き取り、情報をかき集めて仮説を立て、考えて、迷って、絞り込む。
    この「考える時間」こそが、やりがいだったのではないか。

    これからの世界で必要な力

    では、やりがいはもう戻ってこないのか?

    私は、そうは思わない。
    これから必要になる力を磨けば良い。

    それは「問いを立てる力」だ。
    AIは優れた解答者だが、何を問うべきかはまだ人間の領域だ。

    • 患者の価値観をどう診療方針に反映させるか
    • 社会的背景や心理的要素をどう読み取るか
    • 同じエビデンスのもとで異なる選択肢をどう評価するか

    ここには、医師の知性と共感、そして倫理的な判断力が不可欠だ。

    AIに触れ続けるという意志

    変化は待ってくれない。
    そして時代を巻き戻すこともできない。
    「ちょっと苦手で…」「時間がなくて…」などとAIに距離を取っていると、
    知らないうちに「AIを使いこなせる医師」と「そうでない医師」に大きな差がつく。

    だからこそ、まずはAIに触れること。
    一番初めは簡単な検索させてみる。

    できるようになったら対話してみる。そしてAIに入れる指示(プロンプト)を考えてみる。
    うまくいかなくても、それでいい。
    その違和感や誤差を拾うこと自体が、新しい医療の第一歩になる。

    再定義の時代に立っている

    医師という仕事は、確かに変わっていく。
    でも、それは価値が薄れるという意味ではない。
    「考える医療」から「問う医療」へ。
    AIという強力な道具を得た今、人間にしかできないことを深く掘り下げるチャンスでもある。

    やりがいは、時代に合わせて進化させていけばいい。
    まずは今日、ひとつAIで調べてみよう。
    その問いこそが、あなたのやりがいの再起動スイッチになるかもしれない。

    問題

    将来的にAIの活用が進んだ医療現場において、医師に最も求められる力はどれか?

    A. 数値入力の速さ
    B. 診断アルゴリズムの記憶量
    C. 問いを立てる力
    D. 手書きカルテ作成スキル

    解答:C
    解説:AIが診断や治療方針を提示する時代では、それに対して「本当にこれでいいのか?」と問い直す力、人間の価値観や倫理に基づいて判断する力が必要になる。

  • 2024 ロボット認定医 チェックポイント抜粋

    2024 ロボット認定医 チェックポイント抜粋

    婦人科内視鏡学会のHPの審査指針と評価表を参照

    合格点

    初年度は合格点を中央で決める。66点満点。

    ロボット操作

    ロールインロールアウト

    いつも通りで良い。
    インスツゥルメント抜去時にカメラで追わなくて良い。
    ポート抜去や針の抜去はカメラで追う。

    ロボット操作

    リストとしっかり曲げて使ってアームの干渉を防ぐ

    組織は愛護的に

    静止しているアームがカメラ操作によって視野外に出ることは構わないし、静止させているアームをわずかにテンションのために動かすのは良い。

    ただし、見えていないアームを動かすのは基本やめた方が良い。視野外で見失うのもダメ。

    縫合の針をもって視野外に移動したら明確な減点対象

    カメラ操作

    少し汚れても操作に問題なければ大丈夫。

    中心に視野を持ってくる方が良いが、アーム干渉を防ぐためならずれてても良い。

    エネルギーデバイスの過剰な放電は減点対象。

    バイポーラーの先が汚れていても止血に支障がなければ減点とならない。

    子宮動脈と尿管と基靭帯

    子宮動脈

    本幹同定はしなくて良い。

    尿管

    尿管走行の確認が必要。尿管の露出はしなくて良い。

    基靭帯

    膀胱をしっかりおろし、基靭帯背側(広間膜後葉側)の剥離を行うこと。

    切断時は1㎝以上尿管から離れていること

    結紮はいらない。

    腟切開、回収、腟縫合

    腟切開は何で切っても良い。

    子宮回収の様子は動画におさめる。回収をカット編集しても良いがレポートに記載を。

    縫合は結紮が必要。

    腹膜縫合はどっちでも良い。腹膜縫合したらその分減点のリスクあり。

    その他

    マニュピレーターでも良いが穿孔したら減点。

    癒着防止剤は採点対象外

    卵巣の温存や切除に関しては理由をレポートにしっかり書くこと。

    卵管の切除理由はレポートにいらない。

    膀胱鏡は採点対象外 どちらでも良い。

  • 「その手、右手でお願いします」―ポテチ袋開封から学ぶ術野展開のコツ

    「その手、右手でお願いします」―ポテチ袋開封から学ぶ術野展開のコツ

    手術中、「もう1本手があったらなぁ」と思ったこと、ありませんか?
    そしてきっと、その手は「右手」ではないでしょうか?

    ずっと手術を見ていた私が見つけた、うまくいっている執刀者とうまくいっていない執刀者の違いがあります。

    なんとなく展開がうまくいかないと悩んでいる方、後輩指導の言語化に困っている方、さらにうまくなりたい方は必見です。

    この記事でわかること:
    ・手術における“展開”の決定的コツ
    ・視野が崩れない助手の使い方
    ・なぜ「右手」を渡すのが正解なのか?

    展開は「右手を渡す」が正解

    なぜ展開するのか

    それは剥離や凝固切開を行うためです。

    広間膜の腹膜を持ち上げることで広間膜腔が広がり、あわあわや毛細血管が見え、奥にある尿管や子宮動脈を見つけていくのです。

    つまり、触りたい腔を作り、その奥を操作するわけです

    絶対ルール

    展開で迷ったら、まずこのルールを思い出してください。


    「両手で開いて、右手を助手に渡す」


    つまり、両手の鉗子で展開したのち、右手の鉗子で持っていた部分を持ってもらう。これだけで視野の安定度がぐんと上がります。

    なぜ左手鉗子側じゃダメなのか?理由は単純です。

    左手鉗子側を渡してしまうと視野が崩れてしまうからです。

    展開後にやることは、右手で操作をします。

    上記の通り触りたい腔を作り、その奥を操作するため、両手で触りたい腔を作り、その奥を右手で操作するため、右手をフリーにする必要があり右手の組織を助手に持たせるといい訳です。

    ポテチ袋に学ぶ展開術

    イメージがしにくい時はポテチ袋を考えてください。

    みなさん、ポテチ好きですよね。どのように中のポテトを食べますか?

    袋を開けて食べますよね。

    これをもう少し解像度を上げてみましょう。

    両手で袋を開け、右手を離してポテチを取るということができます。

    普通に持ってもいいのですが、この時に、袋をうごかざすにポテチを取り出すにはどうすればいいでしょうか。右手を離すので右手の袋の端を固定する必要がありますよね。

    ではここで助手を呼びましょう笑

    あなたが助手と一緒にポテチの袋を開けて右手でポテチを取るとします。

    まず、両手で袋を開けますよね?
    このとき、どちらの手の端を助手に持たせますか?

    右手ですよね。


    なぜなら、左手で持っていても、結局は右手で中身を取るからです。


    手術もまったく同じで、「開いた後、右手で奥を操作する」という行動が前提になります。


    だからこそ、右手側を助手に任せれば、自分は左手で手前を持ちつつ、視野を保ったまま右手で自在に動けるのです。

    ミリ単位の配慮が、術者の未来をつくる

    こうした細やかな展開の工夫は、術者としての信頼を積み上げる土台となります。


    助手に「この人の視野は崩れないな」と思ってもらえたらしめたもの。

    「先生の展開綺麗ですよね」と言われたら、もう勝ちです。

    たった一つの意識が、手術の質を左右することもあります。


    だからこそ、両手で展開し、右手を助手に預ける。この原理原則を、明日からでもぜひ実践してみてください。

    まとめ

    手術の展開で迷ったときは、まずポテチの袋を思い出してください。
    両手で開いて、右手を助手に渡す。それだけで視野は安定し、動線はシンプルになります。
    展開がうまくいけば、術者の動きもスムーズに、術野も美しく保たれます。

    助手とのコンビネーションが決まる瞬間――それは、小さな工夫の積み重ねから。
    次の手術からぜひ、「その手、右手でお願いします」と心で唱えてみてください。

    更新情報はX(https://x.com/gossogyner)でお知らせ予定です。フォローしてお待ちください!


    問題

    手術中の展開操作において、「右手を助手に渡す」ことの主な利点はどれか?

    A. 視野を助手にまかせきれるから
    B. 左手でより繊細な操作ができるから
    C.術野が崩れることなく術者が右手で奥を操作しやすくなるから
    D. 助手が操作の主導権を持つことになるから

    解答:C
    解説:術者は通常、右手で奥を操作する。そのため、右手の持ち位置を助手に預けることで視野が崩れず、術者の操作性も保たれる。左手を渡すと、持ち替えなどで視野が不安定になるリスクがある。

  • 内視鏡認定医取得のための尿管と子宮動脈同定アプローチの選択ガイド

    内視鏡認定医取得のための尿管と子宮動脈同定アプローチの選択ガイド

    「尿管と子宮動脈、どのアプローチが一番スマート?」


    そんな疑問、内視鏡認定医ビデオ撮影前に一度は頭をよぎりますよね。

    内視鏡認定医試験は、知識だけでなく、手技の選択眼も問われる試練。前方、側方、後方と3つのアプローチから選ぶ必要があり、どれを選ぶかで評価が大きく変わることも。

    今回は、この選択の迷宮から抜け出すための3つのポイントを届けします。

    1. 自身の経験を第一の羅針盤に

    「慣れた道を選べ」――迷ったらまずは足跡を辿る

    まず最初に言いたいのは、「試験本番で実験しないで!」ということ。10回以上こなしたアプローチがあれば、それがあなたのゴールデンルールです。

    「いや、他のやり方も試してみたいんだよな…」なんて冒険心は一旦棚に上げてください。本番での「未知のアプローチデビュー」はリスクが高すぎます。


    どんな迷路でも、何度も通った道ならば自然と足が進みますよね。同じように、試験でも自分が10回以上手掛けたことのあるアプローチを選ぶのが最も確実です。慣れた動作は緊張した場面でも手が覚えており、余計なミスを防ぎます。

    仮に複数の道が「慣れた道」ならば、次に考慮するのは採点者の視点です。それは、観光ガイドが観光客に一番の見どころを選ぶようなもの。採点者にとってなじみ深いアプローチを選ぶことで、評価も好印象となるでしょう。

    2. 採点者が見慣れた風景を意識せよ

    採点者が馴染みのある「風景」を再現する
    内視鏡認定医試験の採点者は多くの場合、50代前後のベテラン医師たち。彼らの経験に基づく偏りを逆手に取ることが試験攻略の鍵です。


    採点者は長年の経験から、特定のアプローチに馴染んでいます。腹腔鏡手術でよく選ばれる側方アプローチは、彼らにとって「定番の観光スポット」のようなもの。

    一方、開腹手術での経験もなじみがあります。開腹では上部靱帯の処理から入りますよね。それは前方アプローチ。開腹経験があるため前方アプローチも親しみのある選択肢です。


    後方アプローチは「知る人ぞ知る名所」――興味を引く一方で、理解が追いつかないことも。採点者の年齢層や背景を考慮すれば、側方か前方を選ぶのが無難です。

    3. 剥離しすぎない――「触りすぎると爆発する地雷」と考える

    「剥きすぎ注意」――過剰な展開はリスクを招く

    尿管の同定に関して、「見つけなくてOK」と言われると拍子抜けするかもしれませんが、実はこれ、真実。学会の指針にも書いてあります。腹膜越しに尿管の位置を確認し、適切な距離を保てれば合格ラインです。


    尿管の位置は「地図に書かれた地雷ポイント」のようなものです。それを大げさに探し回る必要はありません。

    腹膜越しに確認でき、広間膜を適切に展開できていれば問題なし。剥きすぎると尿管という繊細な地雷を爆発させるリスクが高まります。

    また、剥離が広範囲に及ぶと、脂肪組織を傷つけ静脈出血が多きやすく見にくくなったり、結果として大量出血や他臓器損傷のリスクが増大します。「適度な距離感を保つ」ことが安全への鍵です.

    結論:どのアプローチを選ぶべきなの?

    結局どれを選ぶべき?

    最優先すべきは、やり慣れているアプローチです。練習で培った自信が何よりも力になります。ただし、迷った場合は、採点者が見慣れている側方アプローチや、開腹でオーソドックスな前方アプローチを選ぶと無難です。

    注意点として、側方や後方アプローチは剥離範囲が広がりやすいため、必要以上の剥離をしないように心がけましょう。試験では、「確実性」と「適度な範囲」が評価されることを忘れずに!

    1. やり慣れた道を進む
       試験という迷路で迷わないためには、自分の経験という羅針盤を信じましょう。
    2. 採点者に馴染みのある風景を意識
       側方アプローチは最も採点者が慣れている道筋。前方も開腹に近い形で馴染みがあります。
    3. 剥離のリスクを抑える
       「触れすぎると爆発する地雷」を避けるように適切な距離を保ち、尿管の位置を確認しましょう。

    さらなる実践のヒント

    試験の練習では、側方アプローチを中心に、前方アプローチの手順も確認しておくと安心です。剥離作業は、適度な力加減とテンションを意識することが大切です。視野展開をスムーズに進めるためには、出血しない範囲での剥離を徹底しましょう。迷わない準備が、合格への第一歩です。

    剥離に関してはこちらでガッツリ解説していますのでぜひ参考にしてみてください!

    https://sogogyne.online/hakurinogokui/

    この記事が試験準備の道しるべとなれば幸いです。次回は、各工程で大切にすることについて詳しく掘り下げます。X(旧Twitter)で更新情報をお知らせしますので、ぜひフォローを!

  • 内視鏡認定医ビデオを攻略するための3つのポイント ~主体性と安全性を見せるコツ~

    内視鏡認定医ビデオを攻略するための3つのポイント ~主体性と安全性を見せるコツ~

    「内視鏡認定医ビデオって、どうやって評価されるの?」
    「いい感じのビデオ撮れたけど、なんだか点数が伸びない・・・」

    こんな疑問を抱える方、意外と多いのではないでしょうか。

    今回は、内視鏡認定医のビデオ作成を攻略するための根本の根本のポイントを解説します。

    「なんとなく操作を撮影するだけ」で終わらせるのはもったいない!正しい見せ方とアピール方法を押さえれば、採点基準に沿った高評価が狙えます。

    この記事を読めば、安全性と主体性を最大限アピールし、採点者の心を掴む動画作りの基本が身に付くはずです。

    これから提出する人はもちろん、指導予定の方も大きく関係してきます。見逃しなく!

    1. 内視鏡認定医ビデオの考え方 ~OSCEと同じ「見せる試験」~

    内視鏡認定医ビデオは、医学生が受けるOSCE(客観的臨床能力試験)やBLS(一次救命処置)と似た形式です。ただ技術を披露するのではなく、安全性と主体性をいかに「見せる」かが重要なポイント。

    例えば、OSCEの救命では「周囲の安全を確認し、心肺蘇生を開始します!」と声を出しますよね。

    私は、ど緊張していて噛んでしまい、演者に笑われるという恥ずかしい思い出となっています笑

    実際の現場で言いますか?コードブルーで走って到着したのちに宣言している人いますか?

    これはただ、安全確保をゆうせんしてますよ〜というアピールにすぎません。

    これと同じことが、内視鏡手術認定医ではビデオ内で求められます。

    • 安全性を示す: 例えば、「尿管の位置を確認して進めています」と鉗子で尿管をさし示す。
    • 主体性を示す 「助手に展開を指示」して、自分が手術の主導権を握っていることを示す。

    それではもうアピールの仕方を少し詳しく見ていきましょう。

    2. 安全性をアピールするための具体策

    安全性は、採点基準で最も重視される要素の一つ。

    尿管の位置も確認せず、出血は放置し、カメラは汚れている状態での手術なんて怖くて見れないですよね。具体的には、以下の点に気をつけましょう。

    視野の確保

      • カメラは常に綺麗に。曇りや汚れがないか頻繁に確認。
      • 手術中、視野が狭くなったらすぐに修正。
      • 処理したい組織が展開により見えているか確認。

      他臓器損傷を防ぐ工夫

        • 優しい鉗子(例: 腸鉗子)を選び、組織を傷つけない操作を心がける。
        • 剥離範囲を必要最低限に抑える。広げすぎるとリスクが増えるので注意。

        出血の管理

          • 小さな子宮の擦過傷であれば焼いて血が垂れないようにする。
          • 血管出血が起きたら焦らず対応。「止血のため尿管位置を確認して進めます」と助手に声を出し、冷静さと慎重さをアピール。
          • 吸引やガーゼで血を除去しなながらまずは尿管走行をカメラで映す。安全なマージンがあれば止血する
          • 止血作業が終われば数秒は確認のためにカメラを動かさない。

          3. 主体性を強調するための工夫

          主体性もかなり言われています。前立ちが展開をほとんど行い、”ここ掘れわんわん状態”ではダメだよねというものです。

          認定医というだけあって、例えば新しい赴任先でも腹腔鏡を安全にできるように自分で考え、自分で展開し、自分で処理できる力が必要だということですね。

          主体性を示すには、器具で「自分が操作を指示している」ことを見せるのがポイントです。

          • 助手の待機時間をあえて作る
            助手から動くことを禁止します。自分が展開した組織を助手に保持させ、「次はこの方向に引っ張ってください」と具体的な指示を出す。ここは手術前に話し合っておきましょう。
          • 積極的な計画立案
            操作を始める前に「この範囲を剥離します」と声を出し、助手に対して計画を明確に示す。
            こうすることで自分が主導権を握ることができる。

          助手の先生が上級医の場合はなかなかコントロールが難しいこともあると思います。この時は、話し合いでこう言ってください。

          「認定医って主体性が結構の配点に入ったって聞きましたけどどうでしたっけ?」
          「主体性をビデオで見せるにはどうすればいいんでしょうか?」

          基本はアドバイスシーキング、つまりアドバイスを求める体でいいように誘導してみてください。

          ビデオ外の手術室でも主体性を見せることで、ビデオにそれが移り、採点者に「この医師は手術全体をしっかり把握している」という印象を与えられますよ。

          まとめ

          内視鏡認定医ビデオで高評価を得るには、安全性と主体性をいかに見せるかが鍵です。そのためには、以下の3つのポイントを押さえましょう。

          1. 安全性を強調する操作を意識
          2. 主体性を示す計画と指示を実践
          3. 細かな行動まで声に出して助手と意思疎通を行っておく

          ぜひ、今回の記事を参考にビデオをブラッシュアップしてみてください!次からは「選択すべきアプローチ」「各工程の注意点」をテーマに解説しますのでお楽しみに。

          この記事を通じて、皆さんが内視鏡認定医への道をさらにスムーズに進めることを願っています。更新情報はX(Twitter)でお知らせしますので、フォローをよろしくお願いします!

        1. 最速で子宮を腟から回収する方法

          最速で子宮を腟から回収する方法

          腟からの子宮の回収は得意ですか?

          AT,TLH,RASH後で地味に時間がかかるのが腟からの全摘した子宮の回収ですよね。

          今回は、最速で子宮を腟より回収する方法を解説します。

          これまで何100(何1000?)の子宮を回収してきました。キロ越えの子宮の回収を何度も行っています。そこで見つけたコツを余すことなく解説します。

          最速で子宮を回収する方法

          子宮が小さい場合 200g程度まで

          基本的に図のように切ればすぐに出ます。

          コツは子宮頸管を引っ張って腟内に入れた後に子宮体部と頸部の間(体部下部)より左の卵管角に向かって切開を入れていってください。

          出来上がりとしては一本の細長い棒になります

          子宮が大きいが 多発の場合 何gでもOK

          考え方は、何よりも筋腫を核出すること。

          ”切開をするのは筋腫を核出するため”

          コツは、筋腫の位置を完全に把握しどれから取るかイメージすること。

          よくあるミスが切りやすい子宮実質を切っていき、筋腫だけ残ってしまうことです。

          これは子宮筋腫の遺残にもつながるので避けましょう。

          具体的なやり方は後述します。

          子宮が大きくて筋腫が単発 または 腺筋症

          単発のでかいやつは一番大変です。なかなか膣の中に入ってこないので切ることができません。

          この1番の問題は、腹腔内での操作になるため、腸や腟切開部を傷つける可能性が高いことです。

          解決策として大きな袋に入れて回収しましょう。

          おすすめは⇩になります。

          https://appliedmedical.co.jp/Products/Alexis/CES

          まず、大きさが最大級です。径が17センチの物は6Lまで入ります笑
          正直17センチのものは使いにくいので14センチで十分です。

          単品で袋が3つセットのものがあるのでそれが一番コスパ良いと思います。

          袋の端にリトラクタが付いているので巻き巻きすると膣壁が広がって操作しやすいです。

          そして何より袋の素材が分厚く裂けにくい!!EZパースなど他の袋は安いですが薄くて扱いにくいですよね。

          回収の仕方は筋腫をブロック状に切開して地道に回収するしかありません。

          この時はなるべく長細くなるように回収していきます。

          するといつか膣内に筋腫が降りてくるようになり、一気に回収することができます。

          根気よく頑張りましょう。

          実際切る時の動き

          大きさによる場合分けが終わったところで、実際の動きについて解説してきます。

          基本の動きは”C”

          切開方法は基本的にCを描くように切っていきます。

          うまいこと行くとりんごの皮剥きみたいに1mほどの一直線の筋腫棒ができます。

          組織が大きくて、引っ張ってこっれない時は、諦めてブロック状にして出しますが、この時も初めはCにきります。

          基本は長クーパーで切開しますが、初めのとっかかりはメスですることもあります。

          子宮体部は膨らんでいますので、奥の方できる時は、真っ直ぐではなくやや外側に向かって切るとうまいこと行きます。

          鉤で必ず守る!!腟切開部は絶対に切らない!

          よくあるのが、腟の断端部が裏返っていて腟の切開部を誤って切開してしまうことではないでしょうか。

          これを防ぐにはこの二つを守ってください。

          鉤を必ず根元まで(奥まで)入れる
          見ている範囲で切開する

          腟断端の縫合がかなり難しくなるので必ず腟を保護しましょう。

          切開の方向を考えて何度も鉤の位置を変えて、保護します。

          とりあえず引っ張る

          テンションがかかっていないと切開ができないので必ず強い力っで引っ張りましょう。

          まずはそれからになります。

          コツは体重を乗せること。つまり体制を後ろにして後ろにひっくり返るように体を倒してください。

          イメージは綱引きです。体重を乗せましょう。

          うまく引っ張れている基準は、腕が痺れること。

          それぐらい引っ張り大事です。

          単鈎鉗子や双鈎鉗子で把持して引っ張り倒しましょう。

          筋腫の位置イメージが最も大切

          オペ中にどこに筋腫があるのかしっかり覚えておきましょう。

          ”切開をするのは筋腫を核出するため”の原則に従うために筋腫に向かって切開していく必要があります。

          どこにメインの筋腫があるのか、どのようにアプローチするのかはかなり大きなポイントになります。

          これをしないのは地図を見ずに走り出すようなものです。

          しっかりイメージしてから切開に移りましょう。

          持ち前のエコーは、指!

          子宮の位置を確認していてもよく筋腫の位置がわからなくなることがあります。

          そんな時は、指でどこに何があるか確認してください。

          産婦人科の指は内診を経て精密機器と化しています。

          これを用いない手はないですね。

          膣に指を突っ込んで子宮の位置や筋腫の位置大きさを確認します。

          筋腫の核出は”層”を意識する

          筋腫の位置を確認できればそちらに向かって切るのですが、このとき筋腫と子宮実質の間の層をしっかりと見極めます。

          コツはしっかりと筋腫の中心に向かって切開することです。

          実質の方が柔らかいので実質だけ切ることができ容易に筋腫の表面の層に入ることができます。

          ねじって展開してから切る

          最後のコツはねじって展開してから切るになります。

          上側を切る時は、左手を時計回りに捻り下に引っ張ることで、切開するべき場所が出てきます。

          逆に、下側を切る時は、左手を反時計回りにねじり上に引っ張ることで、切開できます。

          また、展開はハサミでもできます。ハサミの片刃を入れてから、ハサミを閉じずに子宮を押すように動かすことで展開を加えることができます。

          まとめ

          今回は、子宮を膣より回収する時のコツについて解説しました。

          大きさや筋腫に位置を確認し、腕が痺れるぐらい引っ張り、腟を保護しながらCの字に切開してください。コツは、捻りとクーパーの使い方です。

          ではでは。更新はXで告知してますので、少しでも役に立ったという方はフォローをお願いします。