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  • 「ググっても出てこない」ロボット手術、ラパロとの術野展開の違い本質3選

    「ググっても出てこない」ロボット手術、ラパロとの術野展開の違い本質3選

    「ロボット手術の術野展開って、難しくないですか?」

    この質問、よく耳にします。多くの方が抱える共通の悩みみたいです。

    今回は、ロボット手術特有の課題を解き明かしましょう。ラパロとの違いを軸に、術野展開の本質に迫ります。これまで曖昧だったポイントがクリアになり、ロボット手術の真価をより深く実感できるはず。

    個人の経験に基づく、考察になります。おそらく他にないはず。

    ロボット手術が急速に普及する中、理解を深めることは未来への一歩です。「ちょっと気になる」その部分だけでも構いません。一緒に考えてみませんか?

    ロボット手術と腹腔鏡手術の展開違いの本質3選

    ロボット手術は、ぶれない3D視野と手首のように動くアームが大きな特徴になってきます。これらの特徴から次も三つの違いが出てきます。

    1:展開の自由度が高い
    2:組織テンションの向き
    3:鉗子の入れ替えが困難

    ちょっと小難しい話っぽいですか?

    大丈夫です!このブログではなるべく簡単にわかりやすくをモットーにしています。

    それぞれひとつづつ見ていきましょ〜

    1. 展開の自由度が高い

    「あー角度がとれない」

    ラパロ手術中に聞いたことありませんか?

    特に巨大子宮筋腫などで展開が難しい症例でよくあります。「角度が取れない」というのは処理したい組織に適した角度を取れないという意味です

    基本的には組織に対して垂直に角度を取る必要があります。これをロボット手術は簡単にクリアすることができます。

    腹腔鏡手術:直線勝負の世界

    腹腔鏡手術の鉗子は、例えるなら「レーザービーム」のようなもの。真っ直ぐな動きしかできません。

    そのため、ポートの位置と処理する場所に応じて、「角度」が決まってしまいます。
    (一回ロボット学会で発表したスライドの一部です。)

    この制約をクリアするためには、展開によってピッタリの角度を取る必要があります。

    まるでパズルを解くような作業になり、ひとつひとつ場を作る必要があります。

    例えば左の上行枝の処理の時を考えてみましょう。マニュピレーターで右に大きく子宮を振り、円靱帯で直線化し捻れや角度を調整してバイポーラーが垂直に入る角度を展開します。

    ロボット手術:手首のしなやかさがカギ

    一方、ロボット手術は鉗子に「手首」がついている感覚。リストのように動くおかげで、処理に最適な角度を自由自在に取れます。そのため

    1. 見やすさを優先した展開が可能。
    2. 展開がちょっと甘くても問題なし。
    3. ただしアームの干渉を気をつける必要あり

    画像は左の上行枝を処理している場面。見えてさえいれば基本処理することができます。

    要は、ロボット手術は「職人の手のひら」を装備しているようなものなのです。

    2. 組織にかけるテンションの向き

    展開時にどちらに引っ張るかは目的によって異なります。

    腹腔鏡ではどれだけ右手の鉗子を処理したい組織に垂直に入れれるかが大切になります。つまり右手の位置によって取るべき組織の展開が決まってきます。

    手首のように動く鉗子によって、ロボット手術では展開の目的は見えやすさを優先できるが、アームの位置を考慮することになると先ほどお伝えしました。

    腹腔鏡手術:右手と垂直が命

    腹腔鏡手術では、右手の鉗子に対して組織を垂直にテンションをかける必要があります。ほとんどの場合、手前側に引っ張る作業が主流となります。広間膜③より抜粋

    組織が右手に対して垂直になるように左手を手前に強く引っ張っています。

    腹腔鏡では「右手の鉗子のための展開」となっているのです

    ロボット手術:みやすさとアーム同士干渉を優先

    ロボット手術では組織のテンションの方向よりも、見やすさとアーム同士がぶつからないことが最優先事項となります。

    どういうことかと言うと、

    3rdアームを「外側に」配置しスペースを確保します。
    ②手首の向きも基本的には外側にアームがくるように曲げます。(手首を内側にまげる)

    内側に幅広い展開可能となり、小さな展開を1.2番アームですることで手術を進めていきます。

    子宮の腹側を処理する時は、3rdアームの手首を腹側に向けてアームが背側に行くようにします。(そうすることで腹側側(図の赤丸)に空間ができる。)

    その後の処理ですが、1st,2ndアームで小さな展開を繰り返し、大きく展開を変えずに処理で来ています。

    3rdアームで大きな展開を取り、その後2本のアームで小さく処理していくイメージです。

    3. 鉗子の入れ替え問題

    腹腔鏡手術:鉗子はお好みで

    腹腔鏡手術では、多種多様な鉗子を使用可能ですよね。

    バイポーラー、メリーランド、腸鉗子、ハーモニックなどなど一つのポートでさまざまな鉗子を出し入れすることが可能です。

    そして、左手を展開専用に使うことが可能です。

    左手で組織を固定し、右手でバイポーラーで凝固してからハーモニックで切開といったアクロバティックな作業も簡単にできます。言うなれば、「道具のフルコース」を楽しめる状態です。

    子宮傍組織の処理②の右上行枝処理しているところですが、バイポーラーで凝固したのち、ハーモニックで切開しています。展開も全く変わっていません。

    https://sogogyne.online/%e5%ad%90%e5%ae%ae%e5%82%8d%e7%b5%84%e7%b9%94%e2%91%a1%e3%80%80%e3%82%82%e3%81%86%e5%87%ba%e8%a1%80%e3%81%97%e3%81%aa%e3%81%84%e3%80%81%e5%ad%90%e5%ae%ae%e5%82%8d%e7%b5%84%e7%b9%94%e5%85%a5%e9%96%80/

    ロボット手術:道具はシンプルに 3rdアームに命をかける

    ところが、ロボット手術ではコストや労力の観点から鉗子の頻繁な入れ替えが難しいのが現実。

    そのため、基本装備だと左手バイポーラー、右手モノポーラーといった状態で円滑に手術を行う必要があります。

    ここで鍵を握るのが3rdアーム。この1本で展開をしっかり固定する技術が必須となるのです。


    まとめと問題

    腹腔鏡手術での展開は「各工程で明確に決まっている」、なぜなら処理できる角度が決まっているため展開を右手に合うように調整する必要がある。

    ロボット手術はより自由度の高い展開が可能。なれれば効率性が一段上という印象です。ただし、3rdアームによる展開が全てと言っていいほど大切。

    手術の進化に驚きつつ、知恵と技術に改めて感謝ですね!

    また更新頻度を高めようかなと思っています。Xで通知しますのでよければフォローをお願いします。

    問題: ロボット手術と腹腔鏡手術の展開の違いについて、以下の記述のうち正しいものはどれですか?

    1. ロボット手術では、鉗子の入れ替えが非常に簡単で、複数の鉗子を使用することができる。
    2. 腹腔鏡手術では、鉗子の動きは直線的であり、展開には常に一定の角度が必要になる。
    3. ロボット手術では、鉗子の手首部分がないため、組織のテンションの方向に制限がある。
    4. ロボット手術では、展開の自由度が低いため、すべての角度を調整しやすいわけではない。
    5. 腹腔鏡手術では、3rdアームを使って展開の自由度を高めることが可能である。

    解答と解説:

    • 選択肢1:誤り。ロボット手術では鉗子の頻繁な入れ替えが困難であり、基本的には3rdアームで展開を固定しながら手術を行う必要があります。
    • 選択肢2:正しい。腹腔鏡手術では、鉗子が直線的にしか動かせないため、角度を調整するために展開を工夫する必要があります。
    • 選択肢3:誤り。ロボット手術では鉗子に「手首」のように動く部分があるため、組織のテンションの方向に自由に対応できるという特徴があります。
    • 選択肢4:誤り。ロボット手術は展開の自由度が高く、適切な角度を簡単に取ることができるため、効率的な手術が可能です。
    • 選択肢5:誤り。腹腔鏡手術には3rdアームがないため、鉗子の入れ替えを工夫して展開を進める必要があります。

    正解:選択肢2

  • 術野展開で気をつけるべきたった2つの原理原則

    術野展開で気をつけるべきたった2つの原理原則

    今回は、術野展開で気をつけるべきたった2つの原理原則について解説していきます。

    まず、術野展開について述べる前に、手術で絶対に欠かしてはダメなこと

    それは、愚直に安全に手術を終了することです。

    そんなの当たり前だと思いますよね。では、毎回毎回ちゃんとめんどくさがらずにできてますか?
    一度失敗して、修正しても少し経ったらまた同じ失敗を繰り返す。そんなこと起きてませんか?

    術野展開は手術の安全性を担保するための一番大切な要素です。
    前立ちが変わると手術がうまくいかなくなったりしませんか?それを前立ちのせいにしていませんか?

    術野展開も含めて全て自分の責任です。その術野展開を理解するには根本であるたった2つの原理原則がわかれば大丈夫です。

    対象としては初心者〜中級者がメインですが、上級者でもこの二つに場合分けできている人は少ないでしょう。必見です。では早速いきましょう。

    術野展開で気をつけるべきたった2つの原理原則

    術野展開で求められている目標はたった二つに絞ることができます。

    ①見たい組織を見れるようにする
    ②処理したいしたい組織を処理できるようにする

    細かく見ていきましょう

    ①見たい組織を見れるようにする

    視野の展開なのでこちらはすごく理解が簡単だと思います。

    例えば、腹腔鏡下腟式子宮全摘術(TLH)において仙骨子宮靱帯(ザクロ)の処理をする場面になったとします。

    この時、ザクロは子宮の頸部後面についているので
    子宮を上げる→腸をどけることで見ることが可能になります。

    Screenshot

    あたりまえ体操ぐらいあたりまえですね。

    ②処理したいしたい組織を処理できるようにする

    ①の見れるようにするというのは簡単でしたが、②の処理したい組織を処理できるようにするというのは少し難しいです。

    観察するだけなら、目の前のものをどけるだけで良かったです。
    しかし、ここに”処理をする”ための展開となると難しくなります。つまり、処理ができる空間、角度とテンションを取る必要が出てきます。

    特に、腹腔鏡での手術ではポートの位置が決まっており、また鉗子も真っ直ぐなので組織を動かして処理できる角度を作らないといけません

    腹腔鏡下腟式子宮全摘術(TLH)での仙骨子宮靱帯(ザクロ)の処理

    腹腔鏡下腟式子宮全摘術(TLH)において仙骨子宮靱帯(ザクロ)の処理をする時を考えてみましょう。

    観察するだけなら、子宮をあげて腸をどけるだけで良かったです。
    しかし、ここに”処理をする”ための展開となると難しくなります。つまり、把持ができる角度とテンションを取る必要が出てきます。

    ザクロの処理では、前屈(アンテ)させたマニュピレーターの角で引っ掛けてテンションをかけた上で、鉗子が掴みやすい角度になるように動かす必要があります。

    腹腔鏡下腟式子宮全摘術(TLH)での広間膜腹膜の切開

    腹腔鏡下腟式子宮全摘術(TLH)において広間膜腹膜前葉の切開をする時を考えてみましょう。

    観察するだけなら特に何もしなくて良いです。まぁヘッドダウンして腸をどかしたり、後屈の子宮を真っ直ぐにする必要はあるかもしれません。

    実際切開するには子宮を押し込み、腹膜を程よくいい場所に持ち上げる必要があります。これは、処理するためには角度とテンションが必要だからです。

    例えば、TLHにおいて腹膜を切開する時に腹膜は右手の鉗子と垂直に当たるように上に引っ引っ張ります。例えば、変に奥に引っ張ると切開する角度が取れません。

    そして引っ張り具合としては、細い血管が切れないぐらいのテンションでぐっと引っ張ります。テンションをかけないと綺麗に切開できません。

    よくあるミスや注意点

    よくあるミスや注意点として、

    見えているが、処理できる展開ではない

    ということがよくあります。引っ張る向きが悪かったり、引っ張り方が甘かったりします。

    ・見えているのにうまくいかない時
    処理できる展開を目指して、鉗子の方向を確認して処理しやすい方向考えて展開してみましょう!

    ・チェックポイント
    そもそも子宮の向きは合っているか
    子宮は捻れていないか
    いつもと違う場所に腫瘍がないか
    ポート配置的に手が入らない位置ではないか
    力はしっかりとかかっているか

    ここら辺を見てみましょう。

    まとめ

    今回は視野展開の原理原則二つに絞って解説しました。

    ①見たい組織を見れるようにする
    ②処理したいしたい組織を処理できるようにする

    聞いてみればあたりまえですが、この二つを認識して手術している人は少ないと思います。

    次からは、腹腔鏡手術(TLH)とロボット支援下手術(RASH)における展開の違いについて解説していきます。

    更新の通知はXにて行います(X)。ではまた!

    練習問題

    問題: 術野展開において、次のうち正しいものはどれですか?

    1. 観察するだけの場合、組織の処理を意識する必要はない。
    2. 腹腔鏡下手術では、ポートの位置に関係なく、どの角度でも処理が可能である。
    3. 見えている組織があるならば、そのまま処理に進んでも問題ない。
    4. 組織を処理するためには、適切な角度とテンションを確保する必要がある。

    正解: 4. 組織を処理するためには、適切な角度とテンションを確保する必要がある。

    解説: 観察だけではなく、実際に組織を処理するためには、角度とテンションを適切に調整する必要があります。腹腔鏡下手術では特にポートの位置が固定されており、適切な処理角度を作ることが重要です。他の選択肢は、観察と処理の違いを理解していないか、誤った手術手技を示しています。

  • 医学生「圧倒的な実力をつける”理想的な”研修病院の選び方って何ですか?」理想病院を見つけるためのガイドライン

    医学生「圧倒的な実力をつける”理想的な”研修病院の選び方って何ですか?」理想病院を見つけるためのガイドライン

    読者さんから質問が来ました。

    医学生の方で、うれしいことに産婦人科希望。

    熱心に腹腔鏡の練習と勉強をされているみたいで、わざわざネットで調べてメールをくれました。

    質問はこちら(本人に同意を得たうえで掲載。一部省略しています)

    初期研修はどのような病院で行う事が理想でしょうか
    先生はどこの病院で、またどんな初期研修を行っていましたか?

    個人的にお答えするにつれ、多くの人にとってメリットの大きい内容になりましたので、思い切って記事にしました。

    質問は初期研修病院についてですが、少し大きな枠でとらえて研修病院の選び方について解説していきたいと思います。

    研修病院をどのように選べばいいのか、根本からきっちり言語化しました。

    その分ボリュームが多くなりましたが

    研修病院選びをどのように行えばいいのか迷っている医学生や研修医、修練医には道しるべとなる最適なガイドラインとなった自信があります。

    今後、後悔したくない人生にしたい人はどうぞお見逃しなく。

    ”理想的な”研修病院とは

    そもそも理想的な研修病院とは何かについて考えていきます。

    そもそも物事を考えるには、軸となる基準が必要です。

    食事で言うなら

    誰と(友人、家族、上司、後輩、初対面など)
    どのような形で食べるのか(立ち飲み、コース、アラカルトなど)
    他には、金額は?おすすめ料理は?立地は?

    もちろん研修病院選びにもいろんな軸があります。

    研修体制という軸はもちろん、場所、給与、人数、上級医の学年、強い科(その中でも強い分野)、立地などの軸が挙げられます。

    といったところでしょうか。

    そのため、一般的に理想的な研修病院といえば、

    友人や家族の近くで立地がよく、給料がべらぼうに高く、やる気のある謙虚で優しい同期がいて、やる気があり優秀な上級医がおおく、すべての分野で強い病院。

    ・・・あります?

    ・・・ありませんよね?

    こんな病院はないですよね。

    ちなみに”理想”に関しても、人によって違います。

    新しい環境に身を置くことが好きな開放性が高く外向性が高い人は地元より東京など遠く離れた場所が理想的となるかもしれません。

    家がかなりのお金持ちで給料は理想の軸に入らないかもしれません。

    ひとりでやることが好きな人には、やる気がある人がいると逆にしんどくなることがあります。

    近しい上級医が多いとそれだけできる手技が減るとも考えられます。

    ある分野が強いところに行くと、発展していく過程を見ることが出来ないこと自体が機会損失になっているのかもしれないです。

    ”理想的な”研修病院とはの答えは・・・

    存在しない

    が結論になります。

    終了。

    ・・・

    ではだめですね(笑)

    これでは意味のない返答になるのでもう少し深堀しましょう

    ”個人の理想”の病院とは

    ”一般的な理想”などありえないうえで、考える必要があるのは、”個人の理想”とはなにかではないでしょうか。

    食事でも、お肉が好きなのか、魚が好きなのか、野菜が好きなのかで変わりますよね。

    一般的な理想病院などないことがわかったところで、”個人の理想的な研修病院”の探し方について具体的解説します。

    個人の理想の研修病院を見つけるには以下の3つのポイントがあります。

    ①データ集め
    ②自分の価値観の明確化
    ③捨てる覚悟になります。

    それぞれ軽く説明すると

    ①データ集め:
     判断材料。ネットの情報だけでなく人から聞くことが最も大切になります。
    ②自己の価値観の明確化:
     判断基準。自分とは今まで何が好きで、どうゆう状況で成長したのか、逆に何が許せず、ストレスになるのかを明確化する必要があります。
    ③捨てる覚悟:
     エッセンシャル思考。何を選ぶのかというのは”何を捨てるのか”と同じ。何を選ぶのかではなく、何を捨てるのがとても大切になります。

    そして決断時の最後の最後は”縁と直感と勇気”になります。

    これだけでは正直何が何かイメージしにくいと思いますので。具体的なアクションプランに落とし込んでいきましょう。

    個人の理想を達成する、具体的なアクションプラン

    では具体的なアクションプランの例として、

    私個人がどのように初期研修病院を選んだのかという話を一つの例としてお伝えします。

    ①見学に行く病院の設定

    まず、自分に病院がわからなかったので、病院の属性で分けて見学に行く病院を決めました

    市中病院なのか大学病院なのか、市中病院でも大きい病院と小さい病院(100床行かない程度)

    救急が忙しいのかどうか いわゆるハイポとハイパー

    田舎なのか都市部なのか

    住んでいるところからの遠さ

    給与が高いのか低いのか

    といった、属性で探しました。

    で気になるところ(先輩が行っているところなど)を何となくピックアップして見に行ってみました。

    初めの病院選びは何となくでよいですよ。

    実際行ったのは、今の淡〇医療センター以外に、丸〇町音〇病院(市中の小さい病院)、滋〇済〇会病院(市中の大きい病院)、湘〇鎌〇総合病院(救急日本一の病院)、亀〇総合病院(ド田舎のドハイパー病院)、京〇府〇医科大学(出身大学)となります。

    これらすべての見学に行きました。確かあと二個ぐらい行ったと思います。

    ②データ集め

    それぞれ、行く前に評価項目を作っていきました。

    あとから設定しては聞き逃したり、比較するときに困ることを避けるためです。

    立地、給与、研修医の数、学年の近い上級医の数、学年の遠い上級医の数実際の忙しさ、人間関係などなど聞いておきたいことを決めていきました。

    これらをそれぞれの病院に行ったときに研修医の先生と直接お話をし(できれば1対1)データを集めてメモをしていきました。

    必ず、実施に働いている医師に確認できるようにお願いしました。

    ここでは研修医の先生からの情報が最も大切になります。

    行く予定の年から待遇が変わったりしないか。

    手技を上級医がさせてくれるのか。

    実は無駄な作業ばかりに時間を取られていないのかなどなど。

    あんがい車で移動すれは都市部に近かったり、駅まで院内バスが出ていたりします。

    ここでのデータが今後の判断でかなり大切になってくるので必ず、事務さんだけでなく近い年代の医師と直接話せる時間を作ってもらいましょう

    ③自己の価値観の明確化

    次は価値観の明確化になります。

    と言われても、自分の価値観はわからないし、価値観ってそもそも何なのかもわからない。

    という人が多いのではないでしょうか(私もまだまだ探求中)

    ここでの価値観は”何が好きで、何が嫌いで、何を選び、何で後悔したのか”という定義?にしておきます。

    価値観がわからないって人は、今まで自分が最も成長したタイミングや、最も楽しかったタイミングを思い出してください

    逆に、最も堕落したタイミグや、もっともつらかったタイミングも考えてみてください。

    自分は、部活が体育会系だったので救急が強いハイパーなところがあっていると思っていました。

    実際、何か手を動かし、自分で考えて練習したり、成長していくのが好きです。

    人と接するのも好きですが、一人で黙々と作業や勉強をするのも好きです。

    つまり”私が”最も成長したり楽しかったのは自分でやりかたを考えコツコツ努力したとき。

    でも、”やるべきだからやる”とか、”脳死でこうしたほうがいいらしい”とか、”みんながしているからする”とかは嫌いでした。

    やらされた宿題とかをやるのは嫌いで、軽く請け負った作業で後悔することがしばしばありました。

    とくに、最も堕落しつらかったタイミングは中学の時の部活教師の体罰が最もパフォーマンスを落としたと思っています。

    自由が制限されハラスメントが横行している組織には絶対いてはいけないと思っています。

    なので方針としては、自己成長が出来、がちがちに縛られているところは避けよう、自分で考えて決める方針としました。

    繰り返しになりますが、

    価値観がわからないって人は、今まで自分が最も成長したタイミングや、最も楽しかったタイミングを思い出してください

    逆に、最も堕落したタイミグや、もっともつらかったタイミングも考えてみてください。

    自分の価値観が明確化するのに大きなヒントが隠れています。

    ④捨てる覚悟

    次は捨てる覚悟になります。

    これは集めたデータを自分の価値観に照らし合わせることで行います。

    湘〇鎌〇総合病院に行ったとき、知り合いのキラキラしていた先輩の眼が死んでいました(西医体優勝していたような体力ばりばりの人)。

    忙しすぎたのです。

    確かに力はつくかもしれませんが、自由な時間が必要な自分の価値観に照らし合わせ、

    自分で考える時間がなく自分なりの研鑽が出来ない病院はやめることにしました。

    ここで、”忙しすぎて自分で考えて研鑽できない病院”が捨てる対象となりました。

    上で言うと、亀〇総合病院、湘〇鎌〇総合病院となります。(時間がないかどうかは個人の感想です。現在どうなっているかはわかりません。無常なり)

    このように、今あるデータを解釈し、自分の価値観に照らし合わせていきます。

    みんながよいと言っている事に疑問を持ち、悪いと言っているところの良いところ、良いと言っているところの悪いところを考えていきました。

    例えば、大学のタスキが最もよい(市中と大学が両方経験できる、最新の治療が学べるから)と言われていましたが、あえて悪いところ(同年代が多いので手技が取り合いになる、給与が悪い、学生とかわらない可能性があるなど)を考えていきました。

    逆に、不人気な病院のいいところ(自由な時間が多い、自分次第で手技が転がっているなど)も考えていきました。

    これを突き詰めて、”一般的に良いとされている病院”を捨てました。それは立地がよかったり、知り合いが多かったりするところです。

    理由としては、人気なところというのは病院側が人を選び、条件が悪くなることが多いと考えたからです。滋〇済〇会病院などが消えました(条件が悪いかどうかは当時の私個人の感想です。現在どうなっているかはわかりません。無常なり)

    そして自分は好奇心が強く、新しいところや物が好き(趣味は旅行)という価値観を優先しました。

    新しいものと出会うには今までの環境や知り合いを捨てる(完全に捨ててはない)こととしました。

    ここで、京〇府〇医科大学は消えました。

    最新の医療は大学でなくてもネットや動画でいくらでも学べるいまの情報供給の変化も大きいです。

    ”学年の近い医者が多いところ”も捨てました。学年が近い医者が多いと手技が回ってこないからです。

    逆に、学年の離れた先生が多いと、やらせてもらえるチャンスも多いと考えました。

    ⑤最後は縁と直感と勇気

    ここまでで、したことは

    病院をいろんな属性で選び、データを直接集め、自分の価値観を明確化し、捨てるものを選ぶ。

    これらによって見つけた”私の理想の研修病院”の条件とは

    人気病院を避け、知り合いが多いところは避け、近い学年の医師がいるところは避ける

    といったかなり一般的ではない理想となりました。

    決断の時です。”個人の理想”の病院選びのの最後の決断になります。

    最後の決断で大切なことは”縁と直感と勇気”になります。

    初期研修病院として実は今いる淡〇医療センターを選んでいます。

    理由としては

    縁:腹腔鏡のプロであり尊敬できる先生がいたこと、事務の方の雰囲気がよかったこと

    直感:この病院は盛り上がると思った。これから研修医を増やそうという意気込みがあり、いわゆる殿様病院とは違った。

    勇気:実は自分の1つ上の研修医は2人しかいなかったし、先輩で行っている人も知り合いもいなかった。一番の親友にはやめておけと言われた。が、自分の直感と縁を信じた。

    こんな感じで決めました。

    当時の病院の状態としては、一般的な人から見たら激悪です。

    まず研修病院として定員割れしている不人気病院。滋〇という田舎で立地は最寄りの駅より徒歩20分、学年の近い医者がほとんどいないといったところでしょうか。

    激悪ですね。

    でも結局、行ってみると自分に合っていて”自分にとって理想的な研修”を受けれたと思います。

    確立した研修システムがなかった → 自分がしたいようにできた。そのため毎日腹腔鏡の練習をすることが出来た。今の時代ネットや本でいくらでも学べた。

    若い医師が少ない → 手技はやり放題であった。CV挿入はもちろん、外科ローテの時に腹腔鏡下虫垂切除を完全執刀させてもらえた。

    研修医を集めている時期 → 給料はいいし、待遇もよかった。

    研修医が少ない → 個人の先生として覚えてもらえた(研修医の先生たちというくくりではなく)

    立地がわるい → 今の時代タクシーもすぐ呼べるし、京〇の友達と飲みに行くのに1時間とかからず(本やスマホで時間つぶせばいい)、つながりは消えなかった。

    田舎 → 人混みを避けられるし、自然でストレス解消が出来た。都会に行くとすごく新鮮で楽しめた。

    一般的に理想とは程遠い病院でも、個人的には理想となるわけです。

    まとめると、

    ファクトフルネスなデータを集め、自己省察で価値観を具体化し、エッセンシャル思考で自分が捨てるべきものを理解できれば、最も優先すべきものがわかり、納得感と勇気をもって”理想的な”研修を受けることが出来る。

    結局、理想を達成することは難しいのですが、これは本当に自分で考えて決断するしかないと思います。

    見学生にここまでやっている人は見たことがないと言われたことがあります。

    しかし、ここまですると後悔することはないと思いませんか?

    ここまで読んでいただきありがとうございます。

    皆様の人生が後悔をするとしても、納得した後悔のできる人生になれば幸いです。

    もし研修先を悩んでいる人がいましたら、このURLでも送り付けてやってください。皆さんがハッピーで理想的な研修を受けられるますように願っています。

    ではでは。

    まとめ問題と解答解説

    問題:
    文章に基づき、理想的な研修病院を見つけるために考慮すべき要素はどれか?次の選択肢から最も適切なものを選びなさい。

    A) 立地の良さ、給与の高さ、知名度のある病院
    B) 個人の価値観の明確化、データの収集、捨てる覚悟
    C) 他人の推薦、医療設備の充実、病院の規模
    D) 上級医の学年、研修医の数、病院の名声

    答え:
    B) 個人の価値観の明確化、データの収集、捨てる覚悟

    解説:
    この文章は、医学生や研修医が理想的な研修病院を選ぶためのアプローチに焦点を当てています。理想的な研修病院を見つける上で重要なのは、個人の価値観を明確にし、必要なデータを集め、そして何を優先し何を捨てるかの覚悟を決めることです。立地の良さや給与の高さ、病院の名声などは重要な要素かもしれませんが、文章は個人のニーズと価値観に基づく病院選びの重要性を強調しています。そのため、選択肢Bが最も適切です。

  • ”Googleの猫”と”手術”の共通点

    ”Googleの猫”と”手術”の共通点

    ディープラーニングの元祖”Googleの猫”と”手術”って同じですよね。

    え、違います?

    今回は、研修医の先生とともに手術に入ったときに必ず伝えている重要な手術習得の要素について説明していきます。

    読み終われば、すっきり間違いなし!

    手術への認識ががらっと変わります。

    ぜひ楽しんでいってください。

    Googleの猫

    皆さん”Googleの猫”って知っていますか?

    医療業界では全く聞いたことない人も多いのではないでしょうか。

    実は、はやりのAIやディープラーニングにかかわる人なら必ず知っている衝撃的な研究結果になります。

    それは

    「Googleの猫」とは、2012年に発表されたAIの研究結果です。
    Google社の研究チームは、ディープラーニングという手法を用いて、YouTubeに投稿されたビデオの中から無作為に一千万枚の画像を取り出してAIに学習をさせました。
    その結果、AIが「猫が写っている画像を見分けられるようになった」と発表したのです。
    この研究で特に注目されたのは、人がAIに「猫」という概念を教えたわけではない
    参照;2012年にAIの歴史が動いた!ついに猫認識に成功した「Googleの猫」 | マルチナ、永遠のAI。 | ダイヤモンド・オンライン (diamond.jp)

    つまりか~なり雑に1行にまとめると

    教えてないのにAIに画像を見せまくったら猫って勝手に認識した。

    ということになります。

    これってものすごくないですか?

    コンピュータに対して指示がないのって考えられないですよね。

    普通は必ず指示は行いますよね。

    例えば、猫の耳の形を指定して、この形の耳を持つものは猫という風に、どこがどうなっているかを説明することでしかコンピュータはわからなかったはずです。

    これをぶち破ったのが”Googleの猫”というわけです。

    ”Googleの猫”と手術の共通点

    ここで本題に移りましょう。

    ”Googleの猫”と手術の共通点です。

    それは

    ”ある閾値を超えると急にわかる”

    ということです。

    よくわかりませんか?

    具体的に見ていきましょう。

    例えば、初めて子宮全摘の術野を見たときを考えてみると、始めはよくわからないですよね。

    子宮はわかるけど、膀胱や尿管なんて言われてもよくわからなった記憶はありませんか?

    しかし、ある時ふと”尿管だ!!!”と認識できたことありませんか?

    これが卵巣で子宮の後ろについているのか!と分かった経験ありませんか?

    今まで見えてこなかった、血管が急に見えて、認識できるようになったことはありませんか?

    これこそ”Googleの猫”との共通点になります。

    ここまでくれば何となくわかったと思います。

    つまりまとめると

    Googleの猫は、大量に猫の画像をAIに見せまくったらいつの間にか猫を認識していた。

    手術は、大量に手術を経験していたらいつの間にか尿管を認識していた。

    となるわけです。

    つまり、大量に経験を積むこと(画像を見る)ことで”モノ”を認識できるというわけです。

    数多く見ることで、ある段階を超えると急に臓器が認識できるわけですね。

    共通点からの学び

    この共通点からの学びは何でしょう?

    陳腐な結論を言ってしまうと、

    経験を積むとよいになってしまいます。

    しかし、もっともっと大きな希望に満ちた結論があります。

    実は、ディープラーニングは人間の学び方と同じと部分があるといわれています。

    そして、人間の学び方、手術の上達とディープラーニングが同じであるならば、焦ることは必要ないわけです。

    よってこのように言うことが出来るのではないでしょうか。

    今わからなくても大丈夫。いつかわかるときがくる。

    そんな希望のある話になるのではないでしょうか。

    なので、もし今何か認識できない臓器や血管走行や手技があったとしても大丈夫です。

    いつかわかるようになる。それでよいのです。

    焦らなくても大丈夫。ではまた。

  • 縫合の原則② 創部の減張

    縫合の原則② 創部の減張

    前回の続きです。前回は層を意識して、同じ層を合わせようという話を具体的なアクションプランと共に紹介しました。

    今回は原則②、創部を減張するに移っていきましょう。

    原則②:創部を減張させる

    二つ目の原則は・・・”創部を減張させる”になります。まずは原則①の創部があっていることが前提になっています。

    ”減張”ってイメージしにくいですよね。イメージは、傷口がぎゅっとくっついている状態にするでよいと思います。

    基本的に縫合した創部が開くようなテンションはダメです。

    傷がずっと開くような状態だとなかなかくっつきませんし、くっついたとしても破綻しやすい状態になってしまいます。


    縦切りの腹部の切開で、下端(足側)が一番分厚くなっている患者さんを見たことがあると思います。

    あれは、重力でたわんだ創部が開く力がかかり下端が分厚く治っているわけです。

    減張はかなり大切な要素になってきます。では次に、どうすれば減張できるのか、具体的なアクションプランに移りましょう。

    例えば、皮膚であれば、表面にテープを貼ることで動きによる開きを和らげる、ことが出来ますよね。


    他の組織でテープが張れないところや、薄くてどうしようもない場合はどうすればいいのでしょうか。一般化してみましょう

    創部を減張する具体的なやり方

    ①層をたくさん縫合する

    一点に力が加わると、当然かかる力も強くなりますよね。

    何層にも縫合すると力が分散され減張することが出来ます。

    わかりやすい例を挙げるならば、家の柱を思い浮かべてください。

    家の柱を増やせばより強固になりますよね。これと同じです。

    先ほどの表面にテープを張ることも同じ原理ですね。

    例えば皮下脂肪は2cm以下であれば浅筋膜の縫合は必要ないという報告がありますが、縫合したほうがより減張にはなります。

    減張を狙うなら、層を多くとるようにしてください。

    ②縫合する層を選別する

    層をたくさん合わせるにも、合わせてよい層と合わせるとよくない層があります。

    例えば、皮膚であれば真皮は固い組織なので(前後の脂肪と表皮と比べて)真皮を縫合するときに強く合わせることで表皮や脂肪層の減張になります。

    逆に、脂肪層をかけると圧迫で脂肪が溶けてしまい炎症が生じて逆に創部の直りが悪くなります。

    一方で、硬いところは強く引っ張っても避けることがないので強く合わせることが出来ます

    腹膜を取るときも、腹膜裏の筋膜を取ることで強く縛ることが出来ます。

    つまり、脂肪や、穿刺してはいけない臓器を避け、なるべく丈夫な組織を多く縫合することが大切なになります。

    ③より多くの組織を取る

    取ってはいけない層をさけて、より多くの層を取るよい縫合層の選択が出来れば、最後はその層自体の取り方になります。

    層の組織を取るときは、より多くの組織を一塊になるように運針するとよいです。

    当然ですがちょっと取るよりも幅広くとったほうが、

    より幅広い範囲で力が分散されるため創部の減張になります。

    二つの原則

    以上となります。二つの原則、

    ①同じ層を合わせる
    まず層を知る、層が見やすいように展開する、層同士を縫う
    ②創部の減張する
    層をたくさん縫合する、運針で硬いところを強く合わせる、より多くの組織を取る

    をイメージして縫合に挑んでみてください。次は腟断端の具体的な縫合について第二原則に基づいて説明していきます。お楽しみに。更新はXで告知していますのでよければフォローをお願いします。

    まとめ問題と答え

    問題:
    テキスト「創部を減張させる」に関する次の記述のうち、最も正しいものを選びなさい。

    A. 減張は、創部のテンションを最小限に抑え、早期の治癒を促進する技術である。
    B. 縫合する際には、創部の全ての層を均等に縫合するのが最適である。
    C. 縫合においては、特に脂肪層の縫合が重要であり、これが減張の鍵である。
    D. 層を多く縫合することで力が分散され、創部の減張を達成できる。

    答え:
    D. 層を多く縫合することで力が分散され、創部の減張を達成できる。

    解説:
    提供されたテキストによると、創部の減張は創部が開かないようにすることが目的であり、これには複数の層を縫合することが効果的です。これにより、縫合された部分にかかる力が分散され、創部の開きを防ぐことができます。選択肢Aは正しいが、減張の技術の一般的な説明に過ぎず、選択肢BとCはテキストに基づいていないため、不正確です。したがって、最も正確な答えは選択肢Dです。

  • 縫合の原則① 「まず、縫合するときに気を付けることってなんですか。」

    縫合の原則① 「まず、縫合するときに気を付けることってなんですか。」

    今回は、縫合の原則についてです。医師になったら誰しもがやりますよね。縫合。

    持針器で針もって、セッシで皮膚もって、張りを通して結紮。

    たったこれだけ。

    院内研修が終われば救急で結構早めに到達する手技ですよね。

    ただ、奥が深い!バイカル湖ぐらい深い。こだわりだすと本一冊かけます。

    今回、その深い深い縫合をたった2つ原則にギュッとまとめました。


    どの様に縫うのか気になるよって方以外にも、縫合をする可能性のあるすべての医師に読む価値のある内容になっていますのでお見逃しなく。

    原則①:同じ組織(層)を合わせる

    早速、原則の一つ目に行きましょう。一つ目は・・・

    ”同じ組織を合わせること”

    例えば、腕の切り傷を縫うときに、腕の皮膚と指を縫い付けることはしませんよね。

    そんなのあたりまえじゃないか!!!

    と思いますよね。

    例えば、切り傷ではなく、裂けたような傷の場合、ギザギザな創部となりもともとの形がわかりにくい時があります。

    これにより、もともとの位置とは違う組織同士を合わせてしまうミスが起こることがあるんですね。

    さらに、解像度を高めると、この”違うもの同士を縫い合わせる”を知らずにしている場面があります

    ”組織を合わせる”の解像度を上げると”同じ層を合わせること”といえます。

    出来ていない状況を考えると、例えば、皮膚を縫うときに真皮同士を合わせずに、真皮と表皮を合わせてしまうようなものです。

    表皮同士が付かないと、傷はくっつきませんよね。

    そのため、組織はもちろん、もっと解像度を高めて、同じ層を合わせることが大切になります。

    同じ組織(層)の具体的な合わせ方

    では同じ層の具体的な合わせ方についてみていきましょう。

    ①まず層を知る

    層に何があるか知ることがファーストステップになります。

    何が存在するかどうか知らないと何もできないです。

    知る方法としては、

    ”調べること”と”実際見ること”

    の二つがあります。実際、見てみて同じそうな色や質感のものを探してください。そうすると認識しやすくなります。

    ②層が見やすいように展開する

    層を見えるようにすることが二つ目のステップになります。

    もっと具体的に言うと、薄くしっかりとセッシで持ち上げること組織を離します

    本を開くと、ページが見えてきますよね。しかし、握りしめて開くと内容が見えませんよね。

    また、少ししか開かなくても内容は読めませんよね。

    なのでしっかりと本を読むときは開く必要があるわけです。

    本で言うと当たり前ですが、創部を分厚く、少ししか持ち上げず層が見えていない場面に遭遇することが時々あります。

    しっかりと左手で近くを把持して、展開して層を見えるようにしましょう

    層同士を縫う

    ②の手順でしっかりと展開が出来れば、

    あとは層同士を取るように運針できれば層のあった縫合は完了となります

    この時に大切なのは、左手で組織を動かすことです。

    組織を動かすことで運針が思った通りに行うことが出来ます。

    逆に言うと左手が使えないと、自由に運針をすることはできません。


    ちなみに脂肪は縫合すると溶けて炎症を引き起こすので基本かけないほうがいいですね。

    皮膚での模式図で言うと以下のようになります。

    長くなってきたので、原則②は次回紹介になります。お楽しみに。更新はXで告知しています。

    まとめ問題と解説

    問題: 縫合における「同じ組織(層)を合わせる」という原則に基づいて、以下のうち正しいのはどれか?

    1. 縫合時には皮膚の表皮層だけを合わせることが重要である。
    2. 脂肪層は縫合すると溶けて炎症を引き起こすので、縫合しない方が良い。
    3. 創部を展開する際には、創部を分厚く持ち上げて層を見ることが重要である。
    4. 縫合時には層を認識しやすくするために、左手を使用せずに進めるべきである。

    答え: 2. 脂肪層は縫合すると溶けて炎症を引き起こすので、縫合しない方が良い。

    解説:

    • 選択肢1は誤りです。縫合では、皮膚の表皮だけでなく、真皮層も含めて同じ層を合わせることが重要です。
    • 選択肢2は正しいです。脂肪層を縫合すると溶けて炎症を引き起こす可能性があり、通常は縫合されません。
    • 選択肢3は間違っています。創部を展開する際には、層が見やすいように薄くしっかりと持ち上げることが重要です。
    • 選択肢4も誤りです。縫合時には、左手を使って組織を動かし、適切に層を合わせることが重要です。左手の使用が縫合技術において非常に重要です。
  • 鈍的も鋭的も思いのまま!失敗しない剥離テクニック完全ガイド

    鈍的も鋭的も思いのまま!失敗しない剥離テクニック完全ガイド

    前回のコラムで剥離について解説を行いました。

    そもそも剥離とはから始め、鈍的剝離と鋭的剥離の違い、どちらが良いかという話をしました。

    結論としては、

    リスクが高い場面では細かく処理のできる鋭的がよいが、時間、集中力の節約のためやリスクが低い場面なら引きちぎる鈍的がよい。

    このような結論となりました。今回は理由を実際の剥離を含めて深堀していきたいと思います。

    鋭的剥離より引きちぎる鈍的剥離が優れている点

    切っていく鋭的剝離は正確に行えれば確かに安全です。なぜなら過剰なテンションがかからない為避けて出血や他臓器損傷がおこらないからです。

    しかし、前回説明した通り、切るという手順が増えるため時間がかかりますし、切開部位を間違えれば出血や他臓器損傷を引き起こしてしまいます。

    そのため、よほど困難症例ばかりの施設でない限り、集中力の限界と時間の制約がある現実世界では引きちぎる鈍的剝離を行うほうがトータルよい場面が多いと考えます。

    例えば、超緊急帝王切開で用いられる Joel-Cohen 法が最たるもので、赤ちゃんを素早く出すという最大のメリットを得るため、組織を引きちぎることで展開と剥離を同時に進め、血管や他臓器損傷のリスクを冒しながら、素早く手術をすすめるわけです。

    そのため、”鋭的剥離こそ最強、鈍的剝離は下手のすることだ”という考えには否定的で場合によりますし、むしろ、力加減や出血しそうな場所を把握できた人の上手な鈍的剥離こそ技術が必要であると考えています。

    ここでより深堀するため、現在、鋭的剥離が勧められるようになっている理由と流れを考えていきましょう。

    鋭的剥離が重宝されるようになったストーリー

    切る鋭的剝離が隆盛を極めている理由としては、出血リスクの低下によるドライな術野と合併症の低さが挙げられます。

    ここに至るまでのストーリーとしてこのように考えています。

    ①もともと、電気メスもなかった時代は、引きちぎる鈍的剝離がメインであった。なぜなら止血は圧迫しかなくどれだけ早く手術を終わらせることこそが出血量を減らす手段であった。つまり手術の剥離の源流は引きちぎる鈍的剝離であった。

    ②徐々に科学が発展し、電気メスやエネルギーデバイスが現れ、鏡視下手術も始まった。

    ③開腹に比べ、視野確保が難しい鏡視下手術では細かい出血が大敵となった。

    ④細かい出血の原因を見てみると、組織間の細かい静脈が原因であった。(カメラにより、正確にわかるようになった)

    ⑤そのため、細かい出血を減らし視野を確保するには、凝固や切開を細かくできる鋭的剥離が推奨されるようになった。そして鈍的剝離は悪となった。

    このようなストーリーがあったと考えられます。

    ではこのストーリー通り古い引きちぎる鈍的剝離は完全悪なのでしょうか?

    そんなことはもちろんなく、安全に引きちぎることが出来るならば鈍的剥離は悪にはなりません

    引きちぎる鈍的剝離が悪になるときを考えその対策をしていきましょう。

    鈍的剝離が悪となる場面は3つ考えられます。

    ①出血を引き起こすとき

    ②層がわからなくなるとき

    ③他臓器損傷を引き起こすとき

    この”3悪”さえクリアできればより早く、時間や集中力といったリソースを削減できる引きちぎる鈍的剝離のほうが優れていると言えますよね。

    次の段落ではどのようにすれば”安全に”引きちぎることが出来る考えていきましょう。

    安全に引きちぎる鈍的剝離のやり方

    一つ一つ見ていきましょう。

    ①の出血がおこる理由は何でしょうか。

    それは接着剤となる組織が剥がれる以上に張力をかけることで細い血管が破綻するためです。

    これを避けるためには、組織は剥がれるが、細い血管が破綻しないぐらいのテンションのベクトルをかけることが出来ればこの問題は解決できます。

    細い血管があるところを避けながら、組織間の剥離面が剥がれる必要十分なテンションをかけるわけです。

    ②と③の層がわからなくなる、他臓器損傷がおこる理由は共通しています。

    力の入れる方向や場所を間違えると層の破綻や他臓器損傷が起こります。

    これに関しては、力の入れる場所と方向でカバーすることが出来ます。

    先ほどの、ガムテープをはがすスキーマで考えていきましょう。

    ②の層を追っていく場面において、段ボール側に沿って行きたいときどうしますか?

    段ボール側に接着剤が残らないように、指で段ボール側をこする様に剥離していきますよね。

    たとえば広間膜後葉に沿って広間膜腔を広げていくなら、広間膜後葉に近いところでやや後葉をこする様に力を入れていくようにするほうがよいと思います。

    つまり追いたい層に近いところでこする様にテンションのベクトルをかけることが出来ればよいわけです。

    では③の他臓器損傷に関してどうでしょうか?

    答えは②とは逆の考え方になります。

    損傷したくない臓器に力がかからないベクトル方向を向けて力を入れることが必要になります。

    子宮と腸の癒着を考えると、腸管損傷を起こさないように、子宮に力がより加わるように力のベクトル方向を子宮に向けて力入れていきます。

    尿管を腹膜からはがして岡林腔に入るときは、尿管損傷を起こさないように、腹膜側に力がより加わるように力のベクトル方向を腹膜に向けて力を入れていきます。

    つまり、剥離したい層に沿って、細い血管を認識して、その血管を破綻させないような力と方向にテンションをかけることが出来れば、安全に鈍的剥離を行うことが可能になります。

    むしろ切る鋭的剥離ではないほうがよい場面

    切る鋭的剥離のほうが、リスクが高くなる状況があります。

    それは、癒着症例です。

    え?リスクの高い時は鋭的剥離のほうがよいと言ってたよね?

    もちろんそうですが、ある条件の時は鈍的剥離のほうがよいです。

    それは、片方は損傷してもよいもの(摘出臓器など)でもう片方は損傷してはいけないものの時

    この時はむやみに切らないほうが安全に進めることが出来ます。

    なぜなら、鋭的剥離の場合は切開を行うので、残したい臓器自体を切開してしまう可能性があります。子宮と腸がついているときは、子宮を鈍的にこする様に剥離することで腸の損傷を防ぎながら剥離を進めることが出来ます。

    また同様のに切り込む可能性があるため、腹腔鏡やり始めは切開する鋭的剥離は勧められません

    特にやり始めの時は、見誤ったり手がぶれたりするため、保たないといけない層に切り込んだりしたりして危険ですね。

    その為、初心者は鈍的剥離、慣れてきたら鋭的剥離と言われるわけです。

    ただし、癒着症例では鋭的剥離を行わないといけない場面が出てくるためどこかで鋭的剥離を習得する必要があります。

    著者が行っている実際の剥離

    長々と剥離について話をすすめていきましたが、最後に私がメインに行っている剥離について説明していきます。

    細かく言うと、鈍的~鋭的を様々な場面で細かく使い分けてはいます。

    それは、食事と同じで、魚を食べるとき、平べったいお肉を食べるとき、トマトをつまむとき、ひじきを食べるとき、豆腐を食べるときでお箸の使い方が異なるように多くの経験の上に徐々に身に着けたものですよね。

    結局は経験かい!となりそうですが、ここで鈍的と鋭的のおいしいところを取り入れた剥離法を、メインで使っているので紹介します。

    鈍的剥離と鋭的剥離の合わせ技

    鈍的剥離の一番のデメリットは何ですか?

    それは、細かい血管を出血させることでしたよね。

    この弱点を鋭的剥離で処理できれば素早く展開を行うことが出来ます。

    広間膜腔展開で考えてみましょう。

    次の場面はCS3後のTLHの症例で、左の円靭帯を切断した後の場面です。膀胱が吊り上がっていたため外側で広間膜腔展開しようとしている場面です。

    ここを広げるときに大切なのは、細い血管を見つけることです。この場面で言うと出血しそうな血管が赤丸にあります。ここをガサガサ鈍的に引きちぎると出血します。

    そのため、この血管を避けるように周囲を広げます。この時に鈍的に広げて剥離をすすめます。

    そして次に、鋭的剥離に移っていきます。

    まずは凝固

    そのあとに切開

    そのあとまた鈍的に腔を出血しないように広げる。もちろんハーモニックの下の細い血管も認識しながら出血しない程度に圧排しています。

    これを繰り返して剥離を繰り返していきます。最終ドライな視野で子宮動脈を同定できました。

    このように、細かい血管を把握し、これを避けて鈍的剥離を行うことで、鈍的剥離を行っても出血をすることなく素早く安全に剥離を行うことが出来ます。

    以上となります。

    結局は伝えたいことは、鈍的剝離、鋭的剥離のどちらが優れているわけでもなく、使いどころによってメリットデメリットがあり、鋭的剝離こそが最強ってわけでもないことでした。

    次回は、傍組織の処理に移っていきます。更新は週一程度で不定期なので、良ければX(Twitter)のフォローをお願い致します。

    まとめ問題と解説

    選択肢問題:
    以下の選択肢の中から、引きちぎる鈍的剥離が安全に行える場面を選んでください。


    A) 癒着症例で、片方は損傷してもよいもの(摘出臓器など)でもう片方は損傷してはいけないものの時
    B) 細い血管の破綻がリスクとなる状況
    C) 初めての腹腔鏡手術を行う場面
    D) 層がわからなくなり他臓器損傷のリスクが高い場面

    正解: A) 癒着症例で、片方は損傷してもよいもの(摘出臓器など)でもう片方は損傷してはいけないものの時

    解説:
    文章から、鋭的剥離では、残したい臓器自体を切開してしまう可能性があるため、子宮と腸がついているときは、子宮を鈍的にこする様に剥離することで腸の損傷を防ぎながら剥離を進めることが出来るとされている。そのため、癒着症例で、片方は損傷してもよいもの(摘出臓器など)でもう片方は損傷してはいけないものの時は鈍的剥離がより安全と考えられます。

  • 結局、鈍的剥離と鋭的剥離はどっちがいいの?

    結局、鈍的剥離と鋭的剥離はどっちがいいの?

    今回はコラム的に普段、質問を受けるものに答えていきたいと思います。

    質問はこちら

    ”鋭的剥離と鈍的剥離はどっちがいいの?”

    剥離って大切ですよね。どんな手術でも必要な剥離技術。剥離こそが手術という意見もあるぐらい大切なスキルですよね。

    手術ばかりをやっている婦人科医だけでなく、帝王切開ばかり行っている産科医にとって大切な内容になります。もちろんその両方を行っている産婦人科医にも、つまり全産婦人科医にとって必見の内容になっています。

    一昔前は、手クーパ、チギレクトミー(手で組織引きちぎる様)という用語が出来るほど鈍的剥離がメインの産婦人科手術でした。

    最近は鋭的剥離が隆盛を極めていますが、本当に鋭的剥離がいいのか考察していきたいと思います。

    そもそも剥離とは?

    そもそも剥離とは、物と物の間をはがしていくことを言います。

    いうならば、段ボールに張られたガムテープをはがすようなものです。

    剥離を細かく順序で述べるとこうなります。

    ①物と物の間の接着剤となるものを伸ばす

    ②その伸びた接着剤となるものを処理する。

    段ボールで考えると、少し引っ張るとまさに接着剤が線状に見えますよね。これを処理すると剥離が完成するわけです。

    術中うまく剥離が出来ると、組織同士が離れるため他臓器損傷や出血を抑えることが出来ます

    逆に、下手に剥離を行うとかなり危険な状態になります。

    ガムテープをテキトーにはがすとびりびりにガムテープが裂けたり、逆に段ボールが一部ガムテープに付いてきますよね。

    例えば腸管が子宮に癒着している間をはがすときを考えると、下手に剥離を行うと腸が損傷したり、子宮が裂けて出血したりするわけです。

    手術は合併症なく終わらせることが何よりも大切です。そのため”剥離こそが手術だ”という言葉の重みが増すと思います。

    鈍的剥離と鋭的剥離ってなに?

    剥離の手順と重要度がわかったところで”鋭的剥離”と”鈍的剥離”について考えていきましょう。

    わかりやすく、先ほどの段ボール、ガムテープスキームを用いましょう。

    鈍的剥離とは、指でガムテープを引っ張るなどをして、間の粘着剤を”引きちぎる動作”になります。

    鈍的剝離の手順としては

    ①テンションをかけて接着剤となる部分を線状に出す

    そのままテープに力を加えて接着剤を引きちぎる

    となります。

    一方、鋭的剥離とは、ガムテープにテンションをかけて、先のとがったもの(レターオープナー)などを用いて間の粘着剤を”切る動作”になります。

    鋭的剥離の手順としては

    ①テンションをかけて接着剤となる部分を線状に出す

    テンションを追加せず、接着剤の部分を器具で処理する

    となります。

    ①のテンションをかけて展開するは同じですが、②の間の組織の処理が異なるわけですね。

    ガムテープスキーマの用語をを手術の用語に反映していくと、

    段ボールとガムテープ = 組織や筋膜や膜などテンションをかける対象となる部分

    粘着剤 =あわあわの層やFascia、フィブリンやコラーゲンなどのテンションのかかる部分

    鈍的剝離の指 = 指や鉗子や吸引管など力を加える装置

    鋭的剝離のレターオープナー = 電気メスやハサミやエネルギーデバイスなどの切開装置

    になります。

    先ほどの段ボールスキームを言い換えると

    鈍的剥離は”もの”と”もの”の間にテンションをかけ展開し、Fasciaなどの間の組織を張力を強めることで引きちぎり処理すること。

    鋭的剥離は”もの”と”もの”の間にテンションをかけ展開し、Fasciaなどの組織を切開し処理すること。

    こう言い換えることができます。

    結局間の接着剤の部分を、そのまま組織に力を入れて引きちぎるのか、器具で処理するかの違いになります。

    ”引きちぎる鈍的剝離””切開する鋭的剥離”ということが出来ますね

    結局、鈍的剥離と鋭的剥離どっちがいいの?

    長々と剥離について説明しましたが、本題に移りましょう。

    結局、鈍的剝離と鋭的剝離どっちがいいの?

    結論・・・

    リスクが高い場面では細かく処理のできる鋭的がよいが、時間、集中力の節約のためリスクが低い場面なら引きちぎる鈍的がよい。

    と考えています。

    リスクの高い場面とは、出血や他臓器損傷があり得るような、腹部腫瘍既往、内膜症、CS後などの症例における癒着部位を指します。

    え?あらゆる場面で安全な鋭的剝離こそ最強じゃないの?

    と思いますよね。

    そんなことはありません。この世の中にはある制限があります。

    それは、時間と集中力です。

    つまり、鈍的剥離が勧められる理由としては、手順を省略できることが大きな理由になります。

    なぜ省略できるのか。

    引きちぎる鈍的剥離の場合、テンションをかける(展開)と間を処理する(引きちぎる)をテンションを強めるという同一動作で行うことが可能だからです。

    まだ、納得できてませんよね。大丈夫です。さらに深堀していきます。

    次回は産婦人科手術のこれまでの流れを含めた詳しい理由と、どうすればうまく鈍的剥離を行えるのか、つまり”安全に引きちぎる鈍的剝離方法”に関して解説していきます。お楽しみに!

    PS:X(Twitter)にて更新報告しますのでよければフォローをお願いします。(こちら

    まとめ問題と解答


    問題: 以下の選択肢の中から、文章の内容に最も適したものを選びなさい。

    A. 鋭的剥離は時間がかかるが、リスクが低いので、どのような場面でも推奨される。

    B. 鈍的剥離は、リスクが高い場面でも、時間と集中力の節約のため推奨される。

    C. 鋭的剥離は、リスクが高い場面で細かく処理ができるため推奨されるが、リスクが低い場面では鈍的剥離が推奨される。

    D. 鈍的剥離と鋭的剥離は、どのような場面でも同じ効果が得られるので、どちらを選んでも良い。

    答え: C. 鋭的剥離は、リスクが高い場面で細かく処理ができるため推奨されるが、リスクが低い場面では鈍的剥離が推奨される。

    解説:剥離は、物と物の間をはがすことで、術中うまく行うことで他臓器損傷や出血を抑えることができます。特に「鈍的剥離」と「鋭的剥離」という二つの剥離の方法に焦点を当てています。鈍的剥離は、物と物の間にテンションをかけ、間の組織を引きちぎることで処理する方法で、鋭的剥離は、物と物の間にテンションをかけ、間の組織を切開することで処理する方法です。リスクが高い場面では細かく処理できる鋭的剥離がよいが、時間や集中力の節約、リスクが低い場面では鈍的剥離が良いと考えています。 結論として、「リスクが高い場面では細かく処理のできる鋭的がよいが、時間、集中力の節約のためやリスクが低い場面なら引きちぎる鈍的がよい。」ため、選択肢の中では、Cが最も適している。

  • 手術で大切なもの

    手術で大切なもの

    こんにちは、産婦人科医のごっそです。

    このブログは、普段手術をしている経験をもとに、癖のある産婦人科腹腔鏡手術を少しでもやりやすくするために作成しました。

    まず初めにこのブログを始める経緯について説明します。

    成長とは・・・

    手術が一瞬でうまくなる薬があればほしいですか?

    私は欲しくありません。

    その理由は・・・

    成長こそ人生だから

    これに尽きます。できなかったことが出来たときの充実感はたまらないですよね。

    初めて自転車に乗れた瞬間。できなかった問題が解けたときの瞬間。初めて手術を執刀した瞬間。

    これらを達成した瞬間の感覚は皆さん染み付いているのではないでしょうか。

    人生の自己実現のために成長は欠かせない要素ですよね。

    なので、個人的には成長にこそ人生があると思っています。

    世間には、これをするとすぐに上手になるとか、これをすれば成功するとうたう本やセミナーがあふれています。

    これはたくさんの人がうまくなり成功したいと熱望している証拠になります。

    成長はどのように進んでいくのでしょう。

    うまい人ほど調子に乗らない理由

    上手な先生の話を聞くと

    謙虚に「手術は今でも怖がりながらしている。」と言い、

    逆に成長し始めの先生に話を聞くと

    嬉しそうに「最近すべてがひとりで出来るような気がします。」と言う。

    実はこれ、ダニングクルーガー効果というバイアスにかかっている状態です。

    ダニングクルーガー効果とはやり始め程すぐに自信がつき、一度の失敗をおこすことで自信がなくなり、その後徐々に取り戻していくという人間の特性をしめしたものです

    つまり手痛い失敗を経験していない若手ほど自信満々で、酸いも甘いも知るベテランほど謙虚な自信を持っているということです。

    つまり成長とは謙虚に知識と経験を貯めていくということではないでしょうか。

    これからのサイト運営について

    今まで、私は戦略的に手術、特に腹腔鏡に関する練習や、環境整備を行い、苦しみもがきながら多くの失敗を経て、数100件以上の腹腔鏡手術を経験してきました。

    今になってから思ったのです。

    成長が鈍化してきたぞ・・・

    その停滞を打破するために、知人、先輩、本、ブログ、Youtube、メルマガといった、ありとあらゆる情報源を探りました。

    その中でいくつか答えのようなものを見つけました。

    徐々に人間は、他人を成長させることに尽力を尽くし始める。そしてそれが生きがいになることがある。

    確かに、後輩指導をしているときに生きがいを感じることが多々ありました。

    このブログでは私が見つけた手術の処方箋となるメソッドを発信していきます。

    発信内容

    周りの先生からは、言語化をすることが上手といわれることが多いです。それもそのはず。

    「ちゃんとやれ!!!」

    そうと言われながら、”ちゃんとする”を自分なりに言語化をずっとしてきました。

    手術メモも数百以上あります。

    そのメモを参考にしながら、なるべく具体的に言語化して発信していきます。

    個人的な経験が多いため、場所が変わればすべて変わるものと思います。

    もちろん手ぶらでよいです。ぜひ楽しんでいってください。

    まとめ

    成長とは、過去の自分よりもうまくなることをさす。成長を繰り返すことで人生は華やかなものとなる。しかし、成長に当たって失敗や壁は必ず出てくるもの。ダニングクルーガー効果にみられるように失敗を経て謙虚で強固な自信を持つことが出来る。これまでの手術経験をもとに、壁を乗り越えられる”はしご”のような記事の発信を行っていく。