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  • 骨盤漏斗靭帯の処理② 手技のコツ4選✙白色凝固って?

    骨盤漏斗靭帯の処理② 手技のコツ4選✙白色凝固って?

    骨盤漏斗靭帯の処理は手術の基本テクニックが詰まっています

    ここがわかれば、手術全体がうまくなる!というコツも同時にお伝えします。
    今回は、前回説明した骨盤漏斗靭帯の処理の手順に沿って説明していきます。

    Step1.腹膜切開時のコツ

    骨盤漏斗靭帯周囲の腹膜切開の手順としてはまずは卵管を引っ張り上げて、腹膜のテンションを高め、骨盤漏斗靭帯の同定と突っ張り部分の同定を行います。そして、腹膜を骨盤漏斗靭帯を単離するように切開していきます。

    この時のコツとしては

    卵管牽引を子宮側にする

    になります。目的としては腹膜に切開ラインとなるツッパリを作るためです。

    腹側に牽引することで骨盤漏斗靭帯は牽引されますが、切開ラインが見づらいため、腹膜を切開するときはむしろ水平方向に子宮側に卵管を引っ張るほうがよいです。

    ”手術は展開がすべて”

    と学会でも聞くことがあります。うまい助手が前立の時は何も意識しなくても切開するものが見えてきませんか?これを地震でできるようにするのです。

    切開するものを浮き上がらせるような牽引が出来るようになると手術の安全性と進行スピードがかなりよくなります。

    Step2.附属器周囲の組織の処理時のコツ

    次に、附属器の周囲の組織を剥離することによって骨盤漏斗靭帯をなるべく単離していきます。こうすることで血管の凝固止血の効率が高まるためかなり大切な手技になります。

    この時のコツは

    骨盤壁から卵巣に向かって細い脈管を丁寧に処理すること

    以前文献でみたのは、腸腰筋より走っている脈管との記載がありました。

    このように、大血管以外の細い脈管の走行を知っておくということもかなり大切です。

    これは座学ももちろん大切ですが、何より数を繰り返すことが何よりも大切と感じます。

    例えば、京都旅行に行ったとして、初めは金閣寺、祇園などの大まかな部分しか見えませんが、そこに住んだり何回も旅行に行くことで細部の通りの名前、富小路通や綾小路通などの細かい通りの名前がわかってきます。これと同じですね。地道に手術を経験する、見に行くことが大切ですね。

    細い脈管を処理すると、その後のメインの血管の処理のクオリティがかなり変わってきますので大切にしていきましょう。

    Step3.骨盤漏斗靭帯の凝固と切離

    最後に、骨盤漏斗靭帯を凝固して切開して官僚になります。

    コツの一つ目としては

    附属器側で切開する。

    もはや基礎の基礎ですが、残す側にしっかりとのりしろを作ることが再出血予防に欠かせません。附属器は左右対称の形をしているためどちらを残すのかしっかりと意識して切開するようにしましょう。そのため今回は骨盤側にしっかりのりしろを作るため卵巣側で切開します。

    コツの二つ目としては

    血管を白色凝固させることとなります。

    白色凝固はかなり大切なのでもう少し詳しく説明していきます。

    白色凝固とは

    60-90度程度で起こるタンパクの変性であり、見た目が白色になっており、もっとも止血作用があるといわれています。

    と言われてもよくわからないと思いますのでステーキで例えましょう。

    おいしそうなステーキですね。

    この図で言うと、白色凝固はここになります。

    ちなみにいわゆる焼き過ぎた状態は炭化と言って、、電気を通さない状態になっていて、止血作用もかなり弱いです。

    いわゆる「焼きすぎると逆に止まらない。」という奴ですね。

    この理論が血管でも使うことが出来ます。同様に血管を白色になるように焼きます。

    血管を凝固止血するときは必ず、中までしっかりと焼けていることを確認してください。

    焼きが甘いと、表面だけが焼けていてぱっと見は凝固できていても切開すると出血することがあります。

    上のステーキのようなミディアムレアの焼き方では出血します。外がこんがり焼けて、中はウェルダンで行きましょう。

    目安としては、感覚的なりますが、バイポーラで凝固時は水泡が出てきてやや落ち着いたぐらいがちょうどいい焼き加減になります。

    このように、簡単に見える附属器の処理ですが手術の手技の基本が詰まっているため一例一例大切にしていきましょう。

    コツのまとめ

    卵管のテンションをなるべく子宮側にする → 切開するものを浮き上がらせるような牽引

    骨盤壁から卵巣に向かって細い脈管を丁寧に処理する → 大血管以外の細い脈管の走行を知っておく

    附属器側で切開する → 残す側にしっかりとのりしろを作る

    血管を白色凝固させる → 焼きすぎず中までしっかりと凝固する

    まとめ問題と解説

    問題:
    骨盤漏斗靭帯の処理について述べた文章から、次の選択肢の中で最も正しいのはどれでしょうか?

    1. 腹膜切開時のコツとして、卵管のテンションをなるべく骨盤側にすることが望ましい。
    2. 附属器周囲の組織を処理する際は、大血管を最初に処理することが重要である。
    3. 骨盤漏斗靭帯の凝固と切離では、血管を黒色凝固させることが基本である。
    4. 骨盤漏斗靭帯の凝固と切離時には、骨盤側で切開し、卵巣側にしっかりとのりしろを作ることが重要である。

    正解:4. 骨盤漏斗靭帯の凝固と切離時には、骨盤側で切開し、卵巣側にしっかりとのりしろを作ることが重要である。

    解説:
    文章によれば、骨盤漏斗靭帯の処理においては以下の点が重要であることがわかります。

    1. 腹膜切開時のコツとしては、卵管のテンションをなるべく子宮側にすることが望ましいため、選択肢1は誤りです。
    2. 附属器周囲の組織を処理する際は、細い脈管を丁寧に処理し、大血管以外の細い脈管の走行を知っておくことが重要です。したがって、選択肢2は誤りです。
    3. 骨盤漏斗靭帯の凝固と切離では、血管を白色凝固させることが基本であり、焼きすぎると逆に止まらないため、選択肢3は誤りです。
    4. 骨盤漏斗靭帯の凝固と切離時には、骨盤側にしっかりとのりしろを作り、卵巣側で切開することが重要であり、選択肢4が正解です。
  • 骨盤漏斗靭帯の処理① 手順 3ステップ

    骨盤漏斗靭帯の処理① 手順 3ステップ

    骨盤漏斗靭帯の処理のテクニックについて説明していきます。

    なぜか毎回出血する

    なぜか骨盤漏斗靭帯と外腸骨動脈間の開きが悪い

    こう感じることはありませんか?

    実は些細なことで変わってきます。次回を含めて骨盤漏斗靭帯の処理に説明していきます。

    骨盤漏斗靭帯周辺は、何気に合併症が多く、術中の出血はもちろん、術後の再出血の多い部分になります。簡単そうに見えて気をつけないといけない部位、骨盤漏斗靭帯。

    ゴルフで言うパターのように、地味だがとても大切な部分ですね。

    今回は、骨盤漏斗靭帯の処理の手順について説明していきます。

    骨盤漏斗靭帯の処理手順

    Step1.腹膜切開

    まずは卵管を引っ張り上げて、腹膜のテンションを高め、骨盤漏斗靭帯の同定と突っ張り部分の同定を行います。

    腹膜を骨盤漏斗靭帯を単離するように切開していきます。

    距離としてはバイポーラの幅3倍程度まで腹膜を切開していきます。

    Step2.附属器周囲の組織の処理

    附属器の周囲の組織を剥離することによって骨盤漏斗靭帯をなるべく単離していきます。

    図の助手鉗子で持ち上げているような組織もできるだけ切開していきます。

    広間膜腔の展開の段階である程度処理されていることが多いためこのStep2は省けることも多いです。

    Step3.骨盤漏斗靭帯の凝固と切離

    骨盤漏斗靭帯を卵管をけん引し、骨盤漏斗靭帯を凝固していきます。

    幅をもって凝固し、卵巣側で切開。

    これを繰り返して骨盤漏斗靭帯の処理は終了です。

    Step2の附属器周囲の組織の処理、広間膜腔の処理がきれいにできていると図のような処理像になります。

    ステップとしてはかなり簡単で①腹膜を切開して、②動静脈を単離して、③切離するだけですが、手術の基本がかなり詰まっています。次回はコツについて説明していきます。

    まとめ問題と解説

    問題:
    骨盤漏斗靭帯の処理手順について説明するとき、次のうち正しい手順はどれでしょうか?

    A. Step1. 附属器周囲の組織の処理 → Step2. 骨盤漏斗靭帯の凝固と切離 → Step3. 腹膜切開
    B. Step1. 骨盤漏斗靭帯の凝固と切離 → Step2. 附属器周囲の組織の処理 → Step3. 腹膜切開
    C. Step1. 腹膜切開 → Step2. 骨盤漏斗靭帯の凝固と切離 → Step3. 附属器周囲の組織の処理
    D. Step1. 腹膜切開 → Step2. 附属器周囲の組織の処理 → Step3. 骨盤漏斗靭帯の凝固と切離

    正解: D

    解説:
    本文で述べられた骨盤漏斗靭帯の処理手順は以下の通りです。
    Step1では、まず腹膜を切開して、骨盤漏斗靭帯を同定します。次に、Step2では附属器の周囲の組織を処理し、骨盤漏斗靭帯をより単離します。そして最後に、Step3で骨盤漏斗靭帯を凝固し、切離します。したがって、選択肢の中で正しい手順はDです。