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  • 前方アプローチ、広間膜腔の展開① 箱イメージと円靭帯切開の秘密の関係

    前方アプローチ、広間膜腔の展開① 箱イメージと円靭帯切開の秘密の関係

    ”初めに円靱帯を完全に切断する”

    ここに疑問を持った方はいるのではないでしょうか。
    初めに円靭帯を切る理由は何でしょうか?

    その理由はズバリ

    広間膜腔の展開が圧倒的にやりやすいから

    その理由を具体的にかなりかみ砕いてお伝えします。

    広間膜腔を作るもの

    広間膜腔を展開するには広間膜腔を知らないといけない。

    魚を捌くには魚に骨と皮と肉と臓器があると知っておかないと、捌くときにぐちゃぐちゃになる。

    それぐらい手術に関して構成している要素を把握するということは大切になってきます。

    ではいきましょう!広間膜腔とはっ!!!

    ”広間膜を広げた時にできる腔”

    ・・・・

    当たり前。今言っているのは「京都市は京都にあるよ」ぐらい当たり前の話。もう少し解像度を高めて話をしていきましょうか。

    広間膜腔とは 

    ”広間膜前葉と後葉の間の組織を広げた腔”

    やっと、「京都市は京都の南の方」ぐらいの解像度。

    ではぐっっと解像度を高めてみよう!

    広間膜腔とは

    ”広間膜前葉と後葉を広げ、子宮と基靭帯と骨盤壁と円靭帯(附属器)の間に作った腔”

    ・・・

    ゲボ吐きそう。イメージ沸きにくっ!!

    でも大丈夫。一つ一つみていけば必ず理解しイメージできる。

    ここが理解できているかどうかでこの前方アプローチができるかどうか大きく変わってきます。

    ここまでくれば、「京都のどこに清水寺があり、どのような経路で行こうかな」というぐらいの解像度となる。

    観光がてら広間膜の尿管を見に行くぐらいの気持ちになれるわけです。

    ちなみに広間膜腔は広げた腔や作った腔とずっといっているのは、

    本来広間膜腔は人体には存在しないためです。広間膜を抜けて、前葉と後葉を上下に広げて初めて出てくるのです。

    気になった方は先にこちらをどうぞ

    https://sogogyne.online/広間膜腔とダビデ像

    広間膜腔は自分で作っていくという心持が大切。

    では広間膜腔の具体的なイメージに移っていきましょう。

    広間膜腔と箱の関係

    ここではあえて広間膜を切らずに広間膜腔を作ってみよう!

    前葉と後葉の間にカテラン針を刺して、ぷくっと空気で膨らませる。

    どのような形になりますか?

    いろいろ考えられますが、ここでは広間膜腔は”箱”と考えてください。

    左壁が骨盤壁、奥壁が基靭帯、右壁が子宮、手前が円靭帯と附属器。これらの壁の上下を前葉と後葉で蓋をしている。

    展開図でイメージするとこんな感じ

    これが前方アプローチにおける広間膜腔となります。もう少し立体的にするとこうなる。

    「広間膜前葉と後葉を広げ、子宮と基靭帯と骨盤壁と円靭帯(附属器)の間にできた腔」

    の意味を何となく理解できたでしょうか。ではこれからが本題!!

    なぜ円靱帯から切断するのか

    昔なぜ円靭帯から切るのかをBOSSに聞いたことがあります。

    答えは

    「その方が広がるから。」

    今考えると確かにその通り、広がるから。

    が、それはこの円靱帯を先に切ることの真意というにはかなり荒い説明でした。ここではもう少し解像度を高めた言い方にします。

    それは・・・

    「円靱帯を切り広間膜前葉を広げることで、残りの子宮および基靭帯と尿管が綺麗に把握できるから。」

    はい、わけわからん。でも怒らないで。

    ちゃんとわかりやすく説明します。

    円靭帯および前葉切開後

    円靱帯を切開して、前葉を切開した場合を先程の広間膜腔の箱で考えてみよう。

    手前の壁(円靭帯)をなくし、上蓋(前葉)を開けるととどうなりますか?

    残り4面となる。

    左壁が骨盤壁、奥壁が基靭帯、右壁が子宮、そして底が広間膜後葉。

    立体的に少し箱の形にすると

    ここで見やすくなったのはなんでしょう??

    先に円靱帯と広間膜前葉を開けることで、知りたかったものが見えてくる。

    そう、尿管(骨盤壁)、子宮動脈(基靭帯)、上行枝(子宮)が丸見えとなる!!!

    逆行性に考えると

    子宮動脈と尿管の位置知りたい→円靭帯と前葉をあけたい→まずは手前の円靱帯を切らないといけない

    という論理展開となる。これが円靭帯から切る理由。蓋を開けるイメージですね。

    実際の手術でどのように見えるか

    これは左の円靭帯を切除し広間膜前葉を展開した後の図になります。

    いったん、立体的に奥行きをもって見てください。

    左壁が骨盤壁、奥壁が基靭帯、右壁が子宮、そして底が広間膜後葉。

    ・・・

    先ほどの展開図を合わせるとどうなりますか。

    このように見えればイメージは完璧。

    しっかりとイメージできましたか?

    今日からできること

    箱のイメージをもって広間膜腔をとらえてみる。

    まとめ問題

    以下の選択肢の中から、円靭帯を先に切断する最も重要な理由を選んでください。

    • A) 広間膜腔の展開がやりやすくなる。
    • B) 子宮動脈の血流が確保される。
    • C) 広間膜後葉の展開が容易になる。
    • D) 尿管の損傷リスクが低くなる。

    正解: A) 広間膜腔の展開がやりやすくなる。

    解説: 円靭帯を先に切断する理由は、広間膜腔の展開が圧倒的にやりやすくなるためです。円靭帯と広間膜前葉を開けることで、残りの子宮、基靭帯、尿管が綺麗に把握できます。これにより、尿管(骨盤壁)、子宮動脈(基靭帯の上縁)、上行枝(子宮)が丸見えになり、手術が容易になります。

    最も重要という意味でAが意味を包括しているため正解となります。

    今回説明した”箱のイメージ”はめちゃめちゃ大切なイメージなのでぜひ自分のものにしてください。

    次回は”広間膜の切り方と腹膜の本当の姿”となります。お楽しみに。