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  • 【知識詰め込み終了】AI時代で本当に必要なのは・・・いつでも本質は変わらない。

    【知識詰め込み終了】AI時代で本当に必要なのは・・・いつでも本質は変わらない。

    「AIが診断も説明もできるなら、医師は何を磨けばいいのか?」

    医学生や研修医、現場の医師も一度は考えるテーマです。

    ご存知の通り、AIは医学情報の整理、鑑別診断、患者さん向け説明文の作成が得意です。

    正直、当直明けの私なぞ、足元にも及ばないレベルで働いてくれます。

    あ、当直明けじゃなくても負けてました。

    最近では東大、京大の医学部を首席合格できるレベルになったそうです。(参照

    そんな、人間を超えた知能を持つAI時代に、この記事でわかることは、

    AIが得意なことと医師が担うことの違い。
    産婦人科で必要なコミュ力の正体。
    明日から診療で意識できる行動 SOLER

    です。未来に絶望する必要はありません。AI時代を乗り切るコンパスと地図を見つけましょう。

    AIは情報処理の相棒である

    AIって敵ですか?味方ですか?

    手術に携わることが生き甲斐になりつつある私にとって、ダビンチがオートで手術をし始める時代が来ることに多少、敵対する気持ちがあります。

    ただ、実際にAIと医師を対立させる必要はありません。AIは、医師の席を奪いに来た敵ではなく、情報処理を助ける相棒です。

    AIは一般的な説明を整理し、説明文のたたき台を作り、鑑別診断の候補も広く挙げられます。

    ただし、AIが出すのは基本的に一般論です。

    目の前の患者さんが何を恐れ、何を大切にし、どんな生活背景で迷っているのかまでは、診察室の空気から自動で読んではくれません。

    そこから先に、医師の役割があります。

    それは、コミュ力。

    コミュ力は雑談力ではない

    ここでいうコミュ力は、待合室を爆笑させる力ではありません。外来が居酒屋になっても困ります。

    AI時代に必要なコミュ力とは、

    文脈理解、信頼形成、合意形成の力です。

    ちょっとめんどくさい話になってきましたか? これは今後10年20年を変えうる話になります。

    文脈理解とは、相手の背景を踏まえて話を受け取ること。信頼形成は、不安を雑に扱わない姿勢から生まれます。合意形成(関係者が納得できる方針にそろえること)は、医師の判断と患者さんの価値観をつなぐ作業です。これは臨床技術です。

    尊敬している医師はいますか?

    もちろん、技術も知識もすごいと思いますが、きっと”コミュ力”が高いのではないでしょうか。

    産婦人科では人生背景が方針に入ってくる

    産婦人科は、医学的正解だけで方針が決まりにくい診療科ですよね。

    専攻医の時、ガイドライン信者であった私は、患者の社会的背景、病院機能の限界が治療方針を大きく変えていくことに大きな疑問を持っていました。

    不妊治療を続けるか、少し休むか。出生前検査を受けるか、受けないか。分娩誘発をするか、自然な経過を待つか。子宮筋腫で子宮を残すか、根治を目指すか。

    今なら、言えます。お互い納得した治療方針を決めるという能力がこの世にはあると。

    AIはメリットとデメリットを並べられます。しかし、患者さんにとって大事なのは一覧表の美しさではなく、「自分にとって、どの選択なら納得できるのか」です。

    同じ病名でも、妊孕性(妊娠する力)への思い、仕事、家族、不安の強さで選び方は変わります。情報は見えている。でも患者さんが進める形にはまだ展開されていないのです。

    患者さんもAIと一緒に来る

    これからは、患者さんもAIで調べてから受診します。「AIでは手術しなくてよいと出ました」「この薬が妊娠中に不安です」と相談される場面は増えるでしょう。

    そこで「AIは信用しないでください」と切ると、情報だけでなく不安まで切ってしまいます。切るなら癒着だけにしたいところです。

    大切なのは、まず受け止めることです。「どの部分が心配でしたか」「それを読んでどう感じましたか」と聞く。そこから医学的に安全な情報へ翻訳していく。情報の奥にある不安に敬意を払う姿勢が、信頼につながります。

    AIに任せるほど、医師は対話に集中できる

    学生時代よく言われたのが、「カルテと会話している医師」でした。

    パソコンに向かって患者さんの顔に一瞥もしない。そんな人をカルテと会話している医師と評されたのです。

    正直仕方がないところがあります。1人3〜5分程度で外来を回さないといけない。さらに急患が飛び込んでくる・・・

    私もブラインドタッチを身につけて、なるべく顔を見て話すようにしていましたが限界はありました。

    そこでAIを仲間として迎え入れるのです。AIが説明文や要約を助けてくれるなら、文章化は任せればよいと思います。

    そのぶん、医師は患者さんの表情を見る。沈黙を待つ。理解できているか確認する。迷いの奥にある価値観を聞く。

    今はまだ、AIを外来に取り込んでいるところはかなり少ない状況ですが、これから必ずカルテ記入作業はなくなります。

    AIが情報処理を担うほど、医師は「この患者さんではどうするか」に集中できます。

    AIが進むほど医師の価値が薄まるのではありません。むしろ、文脈を読み、信頼を作り、合意形成する力がある医師が重宝されるのです。

    技術が進んでも人間の本質は変わらないという言葉があります。ツイッター(現X)はITによって作られましたが、その本質は「コミュニケーションをしたい。」です。

    AIがどれだけ発展しようが、人間の本質は変わりません。ただただ患者とどれだけ向き合えるかになるのです。

    明日からできる小さな一歩 SOLER

    最後に明日から使える本質的なテクニックをお伝えいたします。

    AIに知識量で勝とうとしすぎなくてよいです。ただし、勉強しなくてよいという意味ではありません。知識は土台です。その知識を患者さんの人生に接続する練習が重要になります。

    おすすめはSOLERという話の聞き方を実践すること

    SOLERは、相手の話を「ちゃんと聞いています」と態度で示すための基本姿勢です。カウンセリングや医療面接、面談などでよく使われます。

    S:Squarely
    相手に正面から向き合う。
    斜めすぎたり、体をそらしたりせず、「あなたに向き合っています」と示す。

    O:Open posture
    開いた姿勢をとる。
    腕を組まない、ふんぞり返らない。防御的・拒否的に見えない姿勢にする。

    L:Lean slightly forward
    少し前傾する。
    関心を持って聞いている印象を与える。ただし近づきすぎない。

    E:Eye contact
    適度に目を見る。
    じっと見つめすぎず、自然なアイコンタクトで安心感を作る。

    R:Relax
    リラックスする。
    緊張しすぎず、落ち着いた表情・声・姿勢で聞く。

    まとめると、SOLERは
    「正面を向き、開いた姿勢で、少し前のめりに、適度に目を見て、リラックスして聞く」
    ということです。

    “この人は自分の話を聞いてくれている”と患者に感じてもらうための非言語スキルです。

    明日からできることは一つです。説明の前に姿勢を正し、「今日いちばん心配なことは何ですか」と聞いてみる。

    AI時代の産婦人科医に必要なのは、雑談がうまいコミュ力ではありません。患者さんの文脈をしっかりと組み込み、相手に合わせて安全に届けるコミュ力です。

    まとめ

    AIのおかげで本来すべき、手当て(手を触れること)ができるようになる。そのため、知識を詰め込むだけじゃなく、スキルと人と接する態度を伸ばすほうがよい。

    更新通知はXで行っています。お見逃しないようにフォローをぜひお願いします。

    4択問題

    問題
    AI時代の産婦人科医に必要なコミュ力として、本文の内容に最も合うものはどれか。

    A. 患者さんと雑談を長く続ける力
    B. AIを避け、すべて自分の知識だけで説明する力
    C. 患者さんの背景や価値観を踏まえ、情報を納得できる方針に接続する力
    D. 患者さんの希望をすべて優先し、医学的判断を控える力

    解答
    C

    解説
    本文でいうコミュ力は、文脈理解、傾聴、信頼形成、合意形成の力です。AIが情報を整理する時代だからこそ、医師にはその情報を患者さんの人生に接続する力が求められます。

  • 医師の未来とAI──やりがいはどこへ向かう?AIによる医者の働き方の変化予想。

    医師の未来とAI──やりがいはどこへ向かう?AIによる医者の働き方の変化予想。

    ある日の外来、診療している私はふと手が止まった。
    AIに入力すれば、鑑別診断、治療方針、説明文まで即座に生成される。
    カルテすら自動で要約され、同意書まで下書き済み。
    「私、要る?」と、少しだけ肩が重くなった。

    医師という職業が大きく変わろうとしている。
    その変化は、静かだが確実に、私たちの日常に入り込んでくる。

    この記事でわかること

    • AIによって医師の仕事はどう変わっていくのか
    • 「考える楽しさ」が失われる可能性とその影響
    • 新たなやりがいの見つけ方とは?

    エンジニアの世界で起きていること

    エンジニアの世界では、大きな変化が起きている。

    コードをAIに欠かせ、人間はレビューするだけ。

    もはや常識だ。コードを書くという手を動かす仕事はAIに任せ、レビューだけ行う。

    医療でもきっと同じことが起こる。

    AIが鑑別診断を並べ、治療方針を提案し、患者説明のシナリオまで整える。
    カルテ作成、処方提案、ガイドライン照合。これらを一瞬でやってのける。
    医師の役割は、「診断する人」から「診断をチェックして最終判断する人」へと変わってくる。

    この変化を歓迎する声も多い。
    実際、過重労働に悩む現場において、AIの助けは大きな支えになる。
    でも、心の奥には小さな違和感が残る。

    「自分で考える時間が、確実に減ってきている」

    医師の仕事、2つの未来

    AIの進化によって、医師の働き方は今後2つの道に分かれていくと考えられる。

    ひとつは、大量の患者を捌くルート

    AIが問診し、カルテを作成し、ガイドラインに従って初期対応を行う。
    医師は確認してハンコを押す係になり、「次の方どうぞ」を1日何十回と繰り返す。
    ここではスピードと効率が命。考える時間を楽しむ余裕はない。
    ファストドクター時代の到来である。

    もうひとつは、手術や手技に特化するルート

    現在、AIには世界に関わる物理的な肉体を持たない。
    そのため手術や手技は「人間の領域」となる。
    手術や手技を極めることは、AI時代では大きなアドバンテージになりうる。


    だが手術支援ロボットはますます進化し、遠隔操作、AIナビゲーション、さらには自律型ロボットの開発まで進んでいる。「手術を極めれば安泰」という時代も、案外短いかもしれない。

    つまりどちらの道を選んでも、「人間だけができる仕事」は急速に狭まっていく。
    これは挑戦であると同時に、問いでもある。

    医師のやりがい、どこに再配置するか?

    「仕事時間が減るかもしれない」という予感を、なんとなく多くの医師が抱いていると思う。
    実は仕事は減らない。実際産業革命が起こり、生産性が高まったが仕事時間が減ったわけではない。

    実は減るのは「やりがい」である。そして「考える時間の消失」だ。

    AIコンビニの失敗から見る未来

    AIコンビニというものが中国にある。そこでは、AIが画像解析を行い、仕入れ品出しのタイミングを従業員に教え、それに従い従業員が動くというモノだった。

    確かに生産性は上がった。たった一人で忙しいコンビニを回すことができる。しかし、うまくはいかなかった。離職率が高かったのだ。

    考えてみてほしい、自分は何も考えず、ただ指示通り動く。トイレに行くにも指示を仰ぐ必要がある。何も自分で決めない。そんな状況でやりがいなどあるだろうか。

    医療は不確かさとの格闘だった。
    患者の言葉にならない訴えを聴き取り、情報をかき集めて仮説を立て、考えて、迷って、絞り込む。
    この「考える時間」こそが、やりがいだったのではないか。

    これからの世界で必要な力

    では、やりがいはもう戻ってこないのか?

    私は、そうは思わない。
    これから必要になる力を磨けば良い。

    それは「問いを立てる力」だ。
    AIは優れた解答者だが、何を問うべきかはまだ人間の領域だ。

    • 患者の価値観をどう診療方針に反映させるか
    • 社会的背景や心理的要素をどう読み取るか
    • 同じエビデンスのもとで異なる選択肢をどう評価するか

    ここには、医師の知性と共感、そして倫理的な判断力が不可欠だ。

    AIに触れ続けるという意志

    変化は待ってくれない。
    そして時代を巻き戻すこともできない。
    「ちょっと苦手で…」「時間がなくて…」などとAIに距離を取っていると、
    知らないうちに「AIを使いこなせる医師」と「そうでない医師」に大きな差がつく。

    だからこそ、まずはAIに触れること。
    一番初めは簡単な検索させてみる。

    できるようになったら対話してみる。そしてAIに入れる指示(プロンプト)を考えてみる。
    うまくいかなくても、それでいい。
    その違和感や誤差を拾うこと自体が、新しい医療の第一歩になる。

    再定義の時代に立っている

    医師という仕事は、確かに変わっていく。
    でも、それは価値が薄れるという意味ではない。
    「考える医療」から「問う医療」へ。
    AIという強力な道具を得た今、人間にしかできないことを深く掘り下げるチャンスでもある。

    やりがいは、時代に合わせて進化させていけばいい。
    まずは今日、ひとつAIで調べてみよう。
    その問いこそが、あなたのやりがいの再起動スイッチになるかもしれない。

    問題

    将来的にAIの活用が進んだ医療現場において、医師に最も求められる力はどれか?

    A. 数値入力の速さ
    B. 診断アルゴリズムの記憶量
    C. 問いを立てる力
    D. 手書きカルテ作成スキル

    解答:C
    解説:AIが診断や治療方針を提示する時代では、それに対して「本当にこれでいいのか?」と問い直す力、人間の価値観や倫理に基づいて判断する力が必要になる。

  • 内視鏡認定医ビデオを攻略するための3つのポイント ~主体性と安全性を見せるコツ~

    内視鏡認定医ビデオを攻略するための3つのポイント ~主体性と安全性を見せるコツ~

    「内視鏡認定医ビデオって、どうやって評価されるの?」
    「いい感じのビデオ撮れたけど、なんだか点数が伸びない・・・」

    こんな疑問を抱える方、意外と多いのではないでしょうか。

    今回は、内視鏡認定医のビデオ作成を攻略するための根本の根本のポイントを解説します。

    「なんとなく操作を撮影するだけ」で終わらせるのはもったいない!正しい見せ方とアピール方法を押さえれば、採点基準に沿った高評価が狙えます。

    この記事を読めば、安全性と主体性を最大限アピールし、採点者の心を掴む動画作りの基本が身に付くはずです。

    これから提出する人はもちろん、指導予定の方も大きく関係してきます。見逃しなく!

    1. 内視鏡認定医ビデオの考え方 ~OSCEと同じ「見せる試験」~

    内視鏡認定医ビデオは、医学生が受けるOSCE(客観的臨床能力試験)やBLS(一次救命処置)と似た形式です。ただ技術を披露するのではなく、安全性と主体性をいかに「見せる」かが重要なポイント

    例えば、OSCEの救命では「周囲の安全を確認し、心肺蘇生を開始します!」と声を出しますよね。

    私は、ど緊張していて噛んでしまい、演者に笑われるという恥ずかしい思い出となっています笑

    実際の現場で言いますか?コードブルーで走って到着したのちに宣言している人いますか?

    これはただ、安全確保をゆうせんしてますよ〜というアピールにすぎません。

    これと同じことが、内視鏡手術認定医ではビデオ内で求められます。

    • 安全性を示す: 例えば、「尿管の位置を確認して進めています」と鉗子で尿管をさし示す。
    • 主体性を示す 「助手に展開を指示」して、自分が手術の主導権を握っていることを示す。

    それではもうアピールの仕方を少し詳しく見ていきましょう。

    2. 安全性をアピールするための具体策

    安全性は、採点基準で最も重視される要素の一つ。

    尿管の位置も確認せず、出血は放置し、カメラは汚れている状態での手術なんて怖くて見れないですよね。具体的には、以下の点に気をつけましょう。

    視野の確保

      • カメラは常に綺麗に。曇りや汚れがないか頻繁に確認。
      • 手術中、視野が狭くなったらすぐに修正。
      • 処理したい組織が展開により見えているか確認。

      他臓器損傷を防ぐ工夫

        • 優しい鉗子(例: 腸鉗子)を選び、組織を傷つけない操作を心がける。
        • 剥離範囲を必要最低限に抑える。広げすぎるとリスクが増えるので注意。

        出血の管理

          • 小さな子宮の擦過傷であれば焼いて血が垂れないようにする。
          • 血管出血が起きたら焦らず対応。「止血のため尿管位置を確認して進めます」と助手に声を出し、冷静さと慎重さをアピール。
          • 吸引やガーゼで血を除去しなながらまずは尿管走行をカメラで映す。安全なマージンがあれば止血する
          • 止血作業が終われば数秒は確認のためにカメラを動かさない。

          3. 主体性を強調するための工夫

          主体性もかなり言われています。前立ちが展開をほとんど行い、”ここ掘れわんわん状態”ではダメだよねというものです。

          認定医というだけあって、例えば新しい赴任先でも腹腔鏡を安全にできるように自分で考え、自分で展開し、自分で処理できる力が必要だということですね。

          主体性を示すには、器具で「自分が操作を指示している」ことを見せるのがポイントです。

          • 助手の待機時間をあえて作る
            助手から動くことを禁止します。自分が展開した組織を助手に保持させ、「次はこの方向に引っ張ってください」と具体的な指示を出す。ここは手術前に話し合っておきましょう。
          • 積極的な計画立案
            操作を始める前に「この範囲を剥離します」と声を出し、助手に対して計画を明確に示す。
            こうすることで自分が主導権を握ることができる。

          助手の先生が上級医の場合はなかなかコントロールが難しいこともあると思います。この時は、話し合いでこう言ってください。

          「認定医って主体性が結構の配点に入ったって聞きましたけどどうでしたっけ?」
          「主体性をビデオで見せるにはどうすればいいんでしょうか?」

          基本はアドバイスシーキング、つまりアドバイスを求める体でいいように誘導してみてください。

          ビデオ外の手術室でも主体性を見せることで、ビデオにそれが移り、採点者に「この医師は手術全体をしっかり把握している」という印象を与えられますよ。

          まとめ

          内視鏡認定医ビデオで高評価を得るには、安全性と主体性をいかに見せるかが鍵です。そのためには、以下の3つのポイントを押さえましょう。

          1. 安全性を強調する操作を意識
          2. 主体性を示す計画と指示を実践
          3. 細かな行動まで声に出して助手と意思疎通を行っておく

          ぜひ、今回の記事を参考にビデオをブラッシュアップしてみてください!次からは「選択すべきアプローチ」「各工程の注意点」をテーマに解説しますのでお楽しみに。

          この記事を通じて、皆さんが内視鏡認定医への道をさらにスムーズに進めることを願っています。更新情報はX(Twitter)でお知らせしますので、フォローをよろしくお願いします!

        1. 医学生「圧倒的な実力をつける”理想的な”研修病院の選び方って何ですか?」理想病院を見つけるためのガイドライン

          医学生「圧倒的な実力をつける”理想的な”研修病院の選び方って何ですか?」理想病院を見つけるためのガイドライン

          読者さんから質問が来ました。

          医学生の方で、うれしいことに産婦人科希望。

          熱心に腹腔鏡の練習と勉強をされているみたいで、わざわざネットで調べてメールをくれました。

          質問はこちら(本人に同意を得たうえで掲載。一部省略しています)

          初期研修はどのような病院で行う事が理想でしょうか
          先生はどこの病院で、またどんな初期研修を行っていましたか?

          個人的にお答えするにつれ、多くの人にとってメリットの大きい内容になりましたので、思い切って記事にしました。

          質問は初期研修病院についてですが、少し大きな枠でとらえて研修病院の選び方について解説していきたいと思います。

          研修病院をどのように選べばいいのか、根本からきっちり言語化しました。

          その分ボリュームが多くなりましたが

          研修病院選びをどのように行えばいいのか迷っている医学生や研修医、修練医には道しるべとなる最適なガイドラインとなった自信があります。

          今後、後悔したくない人生にしたい人はどうぞお見逃しなく。

          ”理想的な”研修病院とは

          そもそも理想的な研修病院とは何かについて考えていきます。

          そもそも物事を考えるには、軸となる基準が必要です。

          食事で言うなら

          誰と(友人、家族、上司、後輩、初対面など)
          どのような形で食べるのか(立ち飲み、コース、アラカルトなど)
          他には、金額は?おすすめ料理は?立地は?

          もちろん研修病院選びにもいろんな軸があります。

          研修体制という軸はもちろん、場所、給与、人数、上級医の学年、強い科(その中でも強い分野)、立地などの軸が挙げられます。

          といったところでしょうか。

          そのため、一般的に理想的な研修病院といえば、

          友人や家族の近くで立地がよく、給料がべらぼうに高く、やる気のある謙虚で優しい同期がいて、やる気があり優秀な上級医がおおく、すべての分野で強い病院。

          ・・・あります?

          ・・・ありませんよね?

          こんな病院はないですよね。

          ちなみに”理想”に関しても、人によって違います。

          新しい環境に身を置くことが好きな開放性が高く外向性が高い人は地元より東京など遠く離れた場所が理想的となるかもしれません。

          家がかなりのお金持ちで給料は理想の軸に入らないかもしれません。

          ひとりでやることが好きな人には、やる気がある人がいると逆にしんどくなることがあります。

          近しい上級医が多いとそれだけできる手技が減るとも考えられます。

          ある分野が強いところに行くと、発展していく過程を見ることが出来ないこと自体が機会損失になっているのかもしれないです。

          ”理想的な”研修病院とはの答えは・・・

          存在しない

          が結論になります。

          終了。

          ・・・

          ではだめですね(笑)

          これでは意味のない返答になるのでもう少し深堀しましょう

          ”個人の理想”の病院とは

          ”一般的な理想”などありえないうえで、考える必要があるのは、”個人の理想”とはなにかではないでしょうか。

          食事でも、お肉が好きなのか、魚が好きなのか、野菜が好きなのかで変わりますよね。

          一般的な理想病院などないことがわかったところで、”個人の理想的な研修病院”の探し方について具体的解説します。

          個人の理想の研修病院を見つけるには以下の3つのポイントがあります。

          ①データ集め
          ②自分の価値観の明確化
          ③捨てる覚悟になります。

          それぞれ軽く説明すると

          ①データ集め:
           判断材料。ネットの情報だけでなく人から聞くことが最も大切になります。
          ②自己の価値観の明確化:
           判断基準。自分とは今まで何が好きで、どうゆう状況で成長したのか、逆に何が許せず、ストレスになるのかを明確化する必要があります。
          ③捨てる覚悟:
           エッセンシャル思考。何を選ぶのかというのは”何を捨てるのか”と同じ。何を選ぶのかではなく、何を捨てるのがとても大切になります。

          そして決断時の最後の最後は”縁と直感と勇気”になります。

          これだけでは正直何が何かイメージしにくいと思いますので。具体的なアクションプランに落とし込んでいきましょう。

          個人の理想を達成する、具体的なアクションプラン

          では具体的なアクションプランの例として、

          私個人がどのように初期研修病院を選んだのかという話を一つの例としてお伝えします。

          ①見学に行く病院の設定

          まず、自分に病院がわからなかったので、病院の属性で分けて見学に行く病院を決めました

          市中病院なのか大学病院なのか、市中病院でも大きい病院と小さい病院(100床行かない程度)

          救急が忙しいのかどうか いわゆるハイポとハイパー

          田舎なのか都市部なのか

          住んでいるところからの遠さ

          給与が高いのか低いのか

          といった、属性で探しました。

          で気になるところ(先輩が行っているところなど)を何となくピックアップして見に行ってみました。

          初めの病院選びは何となくでよいですよ。

          実際行ったのは、今の淡〇医療センター以外に、丸〇町音〇病院(市中の小さい病院)、滋〇済〇会病院(市中の大きい病院)、湘〇鎌〇総合病院(救急日本一の病院)、亀〇総合病院(ド田舎のドハイパー病院)、京〇府〇医科大学(出身大学)となります。

          これらすべての見学に行きました。確かあと二個ぐらい行ったと思います。

          ②データ集め

          それぞれ、行く前に評価項目を作っていきました。

          あとから設定しては聞き逃したり、比較するときに困ることを避けるためです。

          立地、給与、研修医の数、学年の近い上級医の数、学年の遠い上級医の数実際の忙しさ、人間関係などなど聞いておきたいことを決めていきました。

          これらをそれぞれの病院に行ったときに研修医の先生と直接お話をし(できれば1対1)データを集めてメモをしていきました。

          必ず、実施に働いている医師に確認できるようにお願いしました。

          ここでは研修医の先生からの情報が最も大切になります。

          行く予定の年から待遇が変わったりしないか。

          手技を上級医がさせてくれるのか。

          実は無駄な作業ばかりに時間を取られていないのかなどなど。

          あんがい車で移動すれは都市部に近かったり、駅まで院内バスが出ていたりします。

          ここでのデータが今後の判断でかなり大切になってくるので必ず、事務さんだけでなく近い年代の医師と直接話せる時間を作ってもらいましょう

          ③自己の価値観の明確化

          次は価値観の明確化になります。

          と言われても、自分の価値観はわからないし、価値観ってそもそも何なのかもわからない。

          という人が多いのではないでしょうか(私もまだまだ探求中)

          ここでの価値観は”何が好きで、何が嫌いで、何を選び、何で後悔したのか”という定義?にしておきます。

          価値観がわからないって人は、今まで自分が最も成長したタイミングや、最も楽しかったタイミングを思い出してください

          逆に、最も堕落したタイミグや、もっともつらかったタイミングも考えてみてください。

          自分は、部活が体育会系だったので救急が強いハイパーなところがあっていると思っていました。

          実際、何か手を動かし、自分で考えて練習したり、成長していくのが好きです。

          人と接するのも好きですが、一人で黙々と作業や勉強をするのも好きです。

          つまり”私が”最も成長したり楽しかったのは自分でやりかたを考えコツコツ努力したとき。

          でも、”やるべきだからやる”とか、”脳死でこうしたほうがいいらしい”とか、”みんながしているからする”とかは嫌いでした。

          やらされた宿題とかをやるのは嫌いで、軽く請け負った作業で後悔することがしばしばありました。

          とくに、最も堕落しつらかったタイミングは中学の時の部活教師の体罰が最もパフォーマンスを落としたと思っています。

          自由が制限されハラスメントが横行している組織には絶対いてはいけないと思っています。

          なので方針としては、自己成長が出来、がちがちに縛られているところは避けよう、自分で考えて決める方針としました。

          繰り返しになりますが、

          価値観がわからないって人は、今まで自分が最も成長したタイミングや、最も楽しかったタイミングを思い出してください

          逆に、最も堕落したタイミグや、もっともつらかったタイミングも考えてみてください。

          自分の価値観が明確化するのに大きなヒントが隠れています。

          ④捨てる覚悟

          次は捨てる覚悟になります。

          これは集めたデータを自分の価値観に照らし合わせることで行います。

          湘〇鎌〇総合病院に行ったとき、知り合いのキラキラしていた先輩の眼が死んでいました(西医体優勝していたような体力ばりばりの人)。

          忙しすぎたのです。

          確かに力はつくかもしれませんが、自由な時間が必要な自分の価値観に照らし合わせ、

          自分で考える時間がなく自分なりの研鑽が出来ない病院はやめることにしました。

          ここで、”忙しすぎて自分で考えて研鑽できない病院”が捨てる対象となりました。

          上で言うと、亀〇総合病院、湘〇鎌〇総合病院となります。(時間がないかどうかは個人の感想です。現在どうなっているかはわかりません。無常なり)

          このように、今あるデータを解釈し、自分の価値観に照らし合わせていきます。

          みんながよいと言っている事に疑問を持ち、悪いと言っているところの良いところ、良いと言っているところの悪いところを考えていきました。

          例えば、大学のタスキが最もよい(市中と大学が両方経験できる、最新の治療が学べるから)と言われていましたが、あえて悪いところ(同年代が多いので手技が取り合いになる、給与が悪い、学生とかわらない可能性があるなど)を考えていきました。

          逆に、不人気な病院のいいところ(自由な時間が多い、自分次第で手技が転がっているなど)も考えていきました。

          これを突き詰めて、”一般的に良いとされている病院”を捨てました。それは立地がよかったり、知り合いが多かったりするところです。

          理由としては、人気なところというのは病院側が人を選び、条件が悪くなることが多いと考えたからです。滋〇済〇会病院などが消えました(条件が悪いかどうかは当時の私個人の感想です。現在どうなっているかはわかりません。無常なり)

          そして自分は好奇心が強く、新しいところや物が好き(趣味は旅行)という価値観を優先しました。

          新しいものと出会うには今までの環境や知り合いを捨てる(完全に捨ててはない)こととしました。

          ここで、京〇府〇医科大学は消えました。

          最新の医療は大学でなくてもネットや動画でいくらでも学べるいまの情報供給の変化も大きいです。

          ”学年の近い医者が多いところ”も捨てました。学年が近い医者が多いと手技が回ってこないからです。

          逆に、学年の離れた先生が多いと、やらせてもらえるチャンスも多いと考えました。

          ⑤最後は縁と直感と勇気

          ここまでで、したことは

          病院をいろんな属性で選び、データを直接集め、自分の価値観を明確化し、捨てるものを選ぶ。

          これらによって見つけた”私の理想の研修病院”の条件とは

          人気病院を避け、知り合いが多いところは避け、近い学年の医師がいるところは避ける

          といったかなり一般的ではない理想となりました。

          決断の時です。”個人の理想”の病院選びのの最後の決断になります。

          最後の決断で大切なことは”縁と直感と勇気”になります。

          初期研修病院として実は今いる淡〇医療センターを選んでいます。

          理由としては

          縁:腹腔鏡のプロであり尊敬できる先生がいたこと、事務の方の雰囲気がよかったこと

          直感:この病院は盛り上がると思った。これから研修医を増やそうという意気込みがあり、いわゆる殿様病院とは違った。

          勇気:実は自分の1つ上の研修医は2人しかいなかったし、先輩で行っている人も知り合いもいなかった。一番の親友にはやめておけと言われた。が、自分の直感と縁を信じた。

          こんな感じで決めました。

          当時の病院の状態としては、一般的な人から見たら激悪です。

          まず研修病院として定員割れしている不人気病院。滋〇という田舎で立地は最寄りの駅より徒歩20分、学年の近い医者がほとんどいないといったところでしょうか。

          激悪ですね。

          でも結局、行ってみると自分に合っていて”自分にとって理想的な研修”を受けれたと思います。

          確立した研修システムがなかった → 自分がしたいようにできた。そのため毎日腹腔鏡の練習をすることが出来た。今の時代ネットや本でいくらでも学べた。

          若い医師が少ない → 手技はやり放題であった。CV挿入はもちろん、外科ローテの時に腹腔鏡下虫垂切除を完全執刀させてもらえた。

          研修医を集めている時期 → 給料はいいし、待遇もよかった。

          研修医が少ない → 個人の先生として覚えてもらえた(研修医の先生たちというくくりではなく)

          立地がわるい → 今の時代タクシーもすぐ呼べるし、京〇の友達と飲みに行くのに1時間とかからず(本やスマホで時間つぶせばいい)、つながりは消えなかった。

          田舎 → 人混みを避けられるし、自然でストレス解消が出来た。都会に行くとすごく新鮮で楽しめた。

          一般的に理想とは程遠い病院でも、個人的には理想となるわけです。

          まとめると、

          ファクトフルネスなデータを集め、自己省察で価値観を具体化し、エッセンシャル思考で自分が捨てるべきものを理解できれば、最も優先すべきものがわかり、納得感と勇気をもって”理想的な”研修を受けることが出来る。

          結局、理想を達成することは難しいのですが、これは本当に自分で考えて決断するしかないと思います。

          見学生にここまでやっている人は見たことがないと言われたことがあります。

          しかし、ここまですると後悔することはないと思いませんか?

          ここまで読んでいただきありがとうございます。

          皆様の人生が後悔をするとしても、納得した後悔のできる人生になれば幸いです。

          もし研修先を悩んでいる人がいましたら、このURLでも送り付けてやってください。皆さんがハッピーで理想的な研修を受けられるますように願っています。

          ではでは。

          まとめ問題と解答解説

          問題:
          文章に基づき、理想的な研修病院を見つけるために考慮すべき要素はどれか?次の選択肢から最も適切なものを選びなさい。

          A) 立地の良さ、給与の高さ、知名度のある病院
          B) 個人の価値観の明確化、データの収集、捨てる覚悟
          C) 他人の推薦、医療設備の充実、病院の規模
          D) 上級医の学年、研修医の数、病院の名声

          答え:
          B) 個人の価値観の明確化、データの収集、捨てる覚悟

          解説:
          この文章は、医学生や研修医が理想的な研修病院を選ぶためのアプローチに焦点を当てています。理想的な研修病院を見つける上で重要なのは、個人の価値観を明確にし、必要なデータを集め、そして何を優先し何を捨てるかの覚悟を決めることです。立地の良さや給与の高さ、病院の名声などは重要な要素かもしれませんが、文章は個人のニーズと価値観に基づく病院選びの重要性を強調しています。そのため、選択肢Bが最も適切です。

        2. ”Googleの猫”と”手術”の共通点

          ”Googleの猫”と”手術”の共通点

          ディープラーニングの元祖”Googleの猫”と”手術”って同じですよね。

          え、違います?

          今回は、研修医の先生とともに手術に入ったときに必ず伝えている重要な手術習得の要素について説明していきます。

          読み終われば、すっきり間違いなし!

          手術への認識ががらっと変わります。

          ぜひ楽しんでいってください。

          Googleの猫

          皆さん”Googleの猫”って知っていますか?

          医療業界では全く聞いたことない人も多いのではないでしょうか。

          実は、はやりのAIやディープラーニングにかかわる人なら必ず知っている衝撃的な研究結果になります。

          それは

          「Googleの猫」とは、2012年に発表されたAIの研究結果です。
          Google社の研究チームは、ディープラーニングという手法を用いて、YouTubeに投稿されたビデオの中から無作為に一千万枚の画像を取り出してAIに学習をさせました。
          その結果、AIが「猫が写っている画像を見分けられるようになった」と発表したのです。
          この研究で特に注目されたのは、人がAIに「猫」という概念を教えたわけではない
          参照;2012年にAIの歴史が動いた!ついに猫認識に成功した「Googleの猫」 | マルチナ、永遠のAI。 | ダイヤモンド・オンライン (diamond.jp)

          つまりか~なり雑に1行にまとめると

          教えてないのにAIに画像を見せまくったら猫って勝手に認識した。

          ということになります。

          これってものすごくないですか?

          コンピュータに対して指示がないのって考えられないですよね。

          普通は必ず指示は行いますよね。

          例えば、猫の耳の形を指定して、この形の耳を持つものは猫という風に、どこがどうなっているかを説明することでしかコンピュータはわからなかったはずです。

          これをぶち破ったのが”Googleの猫”というわけです。

          ”Googleの猫”と手術の共通点

          ここで本題に移りましょう。

          ”Googleの猫”と手術の共通点です。

          それは

          ”ある閾値を超えると急にわかる”

          ということです。

          よくわかりませんか?

          具体的に見ていきましょう。

          例えば、初めて子宮全摘の術野を見たときを考えてみると、始めはよくわからないですよね。

          子宮はわかるけど、膀胱や尿管なんて言われてもよくわからなった記憶はありませんか?

          しかし、ある時ふと”尿管だ!!!”と認識できたことありませんか?

          これが卵巣で子宮の後ろについているのか!と分かった経験ありませんか?

          今まで見えてこなかった、血管が急に見えて、認識できるようになったことはありませんか?

          これこそ”Googleの猫”との共通点になります。

          ここまでくれば何となくわかったと思います。

          つまりまとめると

          Googleの猫は、大量に猫の画像をAIに見せまくったらいつの間にか猫を認識していた。

          手術は、大量に手術を経験していたらいつの間にか尿管を認識していた。

          となるわけです。

          つまり、大量に経験を積むこと(画像を見る)ことで”モノ”を認識できるというわけです。

          数多く見ることで、ある段階を超えると急に臓器が認識できるわけですね。

          共通点からの学び

          この共通点からの学びは何でしょう?

          陳腐な結論を言ってしまうと、

          経験を積むとよいになってしまいます。

          しかし、もっともっと大きな希望に満ちた結論があります。

          実は、ディープラーニングは人間の学び方と同じと部分があるといわれています。

          そして、人間の学び方、手術の上達とディープラーニングが同じであるならば、焦ることは必要ないわけです。

          よってこのように言うことが出来るのではないでしょうか。

          今わからなくても大丈夫。いつかわかるときがくる。

          そんな希望のある話になるのではないでしょうか。

          なので、もし今何か認識できない臓器や血管走行や手技があったとしても大丈夫です。

          いつかわかるようになる。それでよいのです。

          焦らなくても大丈夫。ではまた。