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  • 腹腔鏡手術をどう学ぶ?ロボット時代こそSOを極めるべき理由【SO】【2026】

    腹腔鏡手術をどう学ぶ?ロボット時代こそSOを極めるべき理由【SO】【2026】

    叫びが聞こえる。

    「ロボットがTLHを駆逐したこの世界。腹腔鏡はどう学べばいいのか。」

    私の答えは「腹腔鏡下子宮附属器切除(SO)をこだわれ」となる。

    「こんなにこだわって附切している人見たことない」

    と驚かれたこだわり抜いたSOについて、その考え方やコツに関してごっそりお伝えする。

    SOはロボット時代に残された希望

    「進化を止めることはできない」

    つまりロボットへ移行する流れは止めることはできない。そんな中、腹腔鏡を学ぶ意味について問われている。

    私は、「腹腔鏡技術は必要だ」と自信を持って言える。

    理由ははっきりしている。

    「結局必要なタイミングがある」

    ロボットをしている間で考えると、緊急対応、人員不足(臨床工学技士を含む)、ポート挿入時の腹壁の癒着剥離といったタイミングがある。

    一方で、腹腔鏡を学ぶ機会が減っていることも事実。TLHがRASHに変わることで腹腔鏡手術の絶対数が減っている。

    その機会として、附属器切除がある。そもそもロボットの適応がないし、整容性にも優れている。さらにRRSO(リスク低減卵管卵巣摘出術)により執刀する機会もある。しかも若手が執刀することが多い。

    執刀する機会があれば、ある程度反復しながら習熟することができる。TLHが減った時代で、SO執刀の重みが変わっている。

    SOで学べるスキルと原理原則

    SOで学べるスキルは三つある。

    ・学べるスキル
     尿管同定
     腹壁脂肪間の癒着剥離(S状結腸の生理的癒着)
     立体的な展開

    そのスキルを学ぶ中で必要な原理原則も3つ

    ・学べる原理原則
     腹膜切開とfasciaの処理
     大の展開と小の展開
     血管の単離、処理

    尿管同定

    腹膜越しに見えたからOK!ではなく、Latzkoの直腸側腔の入り口まで展開し視認できるようにすると良い。

    左尿管露出時

    コツとしては、腹膜寄りのペタッとした脂肪なのか、外腸骨寄りのゴリゴリした脂肪なのかを見分ける。そしてその間を分けていく。そうすれば自然と尿管は見えてくる。

    左側が外腸骨の脂肪、腹膜にのっているのがペタッとした脂肪

    この時に大切な原理原則として、

    「腹膜切開と中の処理は別々に行うこと。」

    ちょっと腹膜切開をして血管処理、ちょっと腹膜切開して血管処理はしてはいけない。

    腹膜をばさっと切り切ってしまう。そしてさらに展開のテンションを再度加えて強くする。そうすれば疎性結合組織(あわあわの層)に空気が入り、展開がさらに良くなる。(尿管同定に関してはまた詳しく記事を作成します。)

    腹壁脂肪間の癒着剥離

    ポート挿入時の腸と腹壁との癒着はしばしば問題となる。SOではS状結腸の生理的癒着でその剥離スキルを習得することができる。

    癒着剥離の原則は「隙間を探す」となる。小の展開でピンポイントで癒着部位にテンションをかけることで切開ラインが見えてくる。具体的には、間の薄い膜が見えてくる。

    透明な隙間を切っている様子

    必要な考え方として、「大の展開、小の展開」という概念がある。つまり助手を使って大きな展開を作ってから、自分の2本の鉗子で小さい展開を作る。土台を作り、細かい作業をするイメージ。

    具体的には、骨盤漏斗靭帯あるいは、腹膜を腹側に持ち上げることで、S状結腸の生理的癒着の剥離における「大の展開」を作ることができる。

    骨盤漏斗靱帯を引っ張り上げ大の展開を作っているところ

    小の展開は、左手で脂肪垂を持ち、間にテンションがかかるように引っ張れば、後は切るだけで良い。

    脂肪垂を引っ張り切開ラインをだしている

    ちなみにポート挿入時の腹壁の癒着の場合、重力がそのままテンションとして使えるため、案外やりやすい場合も多い。

    立体的な展開

    附属器は結構立体的である。構造に関しては以前記事にしているためこちらを参考にして欲しい

    SOの場合は円靱帯を切除しないため、卵巣動静脈と子宮動静脈上行枝との吻合部の処理がかなり難しくなる。

    綺麗な処理のためには、組織の方向を変えたり、持ち上げたり、捻ったりして立体的な工夫が必要となる。

    さらに血管を綺麗に処理するためには、直角に鉗子が入るように角度を調整することが大切。どうしても直角に入らない場合には斜めに鉗子が入った状態で処理する方法も必要(また記事にします)

    このように、腹膜切開、fasciaの処理、尿管同定、大の展開と小の展開、癒着剥離、立体的な展開の理解や操作を学ぶことができる。

    たかがSO。されど手術。腹腔鏡手術で必ず習得すべきスキルを身につけることができる。終わらせることを目的にするのではなく、学べることを意識し、習得を目的にするのだ

    来週は、2026年最新の具体的なSO手順をお伝えします!Xで告知するためフォローよければお願いします。

    明日からできること

    SOで学べることを学び尽くす

    問題

    SOを通じて習得できる主要な腹腔鏡手術スキルの組み合わせとして最も適切なのはどれか。

    A. 尿管同定・腹壁脂肪間の癒着剥離・立体的な展開
    B. 膀胱剥離・腟管切開・腟断端縫合
    C. 尿管ステント挿入・骨盤リンパ節郭清・大網切除
    D. 子宮動脈結紮・仙骨腟固定・腟断端閉鎖
    E. 後腹膜リンパ節郭清・尿管剥離・腸管吻合

    正解:A