カテゴリー: トラブルシュート

GossoLi initial category

  • 内視鏡認定医ビデオを攻略するための3つのポイント ~主体性と安全性を見せるコツ~

    内視鏡認定医ビデオを攻略するための3つのポイント ~主体性と安全性を見せるコツ~

    「内視鏡認定医ビデオって、どうやって評価されるの?」
    「いい感じのビデオ撮れたけど、なんだか点数が伸びない・・・」

    こんな疑問を抱える方、意外と多いのではないでしょうか。

    今回は、内視鏡認定医のビデオ作成を攻略するための根本の根本のポイントを解説します。

    「なんとなく操作を撮影するだけ」で終わらせるのはもったいない!正しい見せ方とアピール方法を押さえれば、採点基準に沿った高評価が狙えます。

    この記事を読めば、安全性と主体性を最大限アピールし、採点者の心を掴む動画作りの基本が身に付くはずです。

    これから提出する人はもちろん、指導予定の方も大きく関係してきます。見逃しなく!

    1. 内視鏡認定医ビデオの考え方 ~OSCEと同じ「見せる試験」~

    内視鏡認定医ビデオは、医学生が受けるOSCE(客観的臨床能力試験)やBLS(一次救命処置)と似た形式です。ただ技術を披露するのではなく、安全性と主体性をいかに「見せる」かが重要なポイント。

    例えば、OSCEの救命では「周囲の安全を確認し、心肺蘇生を開始します!」と声を出しますよね。

    私は、ど緊張していて噛んでしまい、演者に笑われるという恥ずかしい思い出となっています笑

    実際の現場で言いますか?コードブルーで走って到着したのちに宣言している人いますか?

    これはただ、安全確保をゆうせんしてますよ〜というアピールにすぎません。

    これと同じことが、内視鏡手術認定医ではビデオ内で求められます。

    • 安全性を示す: 例えば、「尿管の位置を確認して進めています」と鉗子で尿管をさし示す。
    • 主体性を示す 「助手に展開を指示」して、自分が手術の主導権を握っていることを示す。

    それではもうアピールの仕方を少し詳しく見ていきましょう。

    2. 安全性をアピールするための具体策

    安全性は、採点基準で最も重視される要素の一つ。

    尿管の位置も確認せず、出血は放置し、カメラは汚れている状態での手術なんて怖くて見れないですよね。具体的には、以下の点に気をつけましょう。

    視野の確保

      • カメラは常に綺麗に。曇りや汚れがないか頻繁に確認。
      • 手術中、視野が狭くなったらすぐに修正。
      • 処理したい組織が展開により見えているか確認。

      他臓器損傷を防ぐ工夫

        • 優しい鉗子(例: 腸鉗子)を選び、組織を傷つけない操作を心がける。
        • 剥離範囲を必要最低限に抑える。広げすぎるとリスクが増えるので注意。

        出血の管理

          • 小さな子宮の擦過傷であれば焼いて血が垂れないようにする。
          • 血管出血が起きたら焦らず対応。「止血のため尿管位置を確認して進めます」と助手に声を出し、冷静さと慎重さをアピール。
          • 吸引やガーゼで血を除去しなながらまずは尿管走行をカメラで映す。安全なマージンがあれば止血する
          • 止血作業が終われば数秒は確認のためにカメラを動かさない。

          3. 主体性を強調するための工夫

          主体性もかなり言われています。前立ちが展開をほとんど行い、”ここ掘れわんわん状態”ではダメだよねというものです。

          認定医というだけあって、例えば新しい赴任先でも腹腔鏡を安全にできるように自分で考え、自分で展開し、自分で処理できる力が必要だということですね。

          主体性を示すには、器具で「自分が操作を指示している」ことを見せるのがポイントです。

          • 助手の待機時間をあえて作る
            助手から動くことを禁止します。自分が展開した組織を助手に保持させ、「次はこの方向に引っ張ってください」と具体的な指示を出す。ここは手術前に話し合っておきましょう。
          • 積極的な計画立案
            操作を始める前に「この範囲を剥離します」と声を出し、助手に対して計画を明確に示す。
            こうすることで自分が主導権を握ることができる。

          助手の先生が上級医の場合はなかなかコントロールが難しいこともあると思います。この時は、話し合いでこう言ってください。

          「認定医って主体性が結構の配点に入ったって聞きましたけどどうでしたっけ?」
          「主体性をビデオで見せるにはどうすればいいんでしょうか?」

          基本はアドバイスシーキング、つまりアドバイスを求める体でいいように誘導してみてください。

          ビデオ外の手術室でも主体性を見せることで、ビデオにそれが移り、採点者に「この医師は手術全体をしっかり把握している」という印象を与えられますよ。

          まとめ

          内視鏡認定医ビデオで高評価を得るには、安全性と主体性をいかに見せるかが鍵です。そのためには、以下の3つのポイントを押さえましょう。

          1. 安全性を強調する操作を意識
          2. 主体性を示す計画と指示を実践
          3. 細かな行動まで声に出して助手と意思疎通を行っておく

          ぜひ、今回の記事を参考にビデオをブラッシュアップしてみてください!次からは「選択すべきアプローチ」「各工程の注意点」をテーマに解説しますのでお楽しみに。

          この記事を通じて、皆さんが内視鏡認定医への道をさらにスムーズに進めることを願っています。更新情報はX(Twitter)でお知らせしますので、フォローをよろしくお願いします!

        1. 【前方アプローチ】尿管同定① 「前方が安全であり困難」な理由を側方、後方と比較

          【前方アプローチ】尿管同定① 「前方が安全であり困難」な理由を側方、後方と比較

          子宮大きすぎて、子宮の横に手が入らない・・・
          尿管見つけずに怖くて進めない・・・

          この悩みを解決するのが、前方アプローチによる尿管同定。つまり、円靱帯から前葉を切開し、尿管子宮動脈交差部あたりで尿管を同定する。

          前方アプローチは横に迫り出しているような大きな筋腫でも比較的安全に対応できるアプローチ方法。

          しかし、前方アプローチは難しい、わかりにくいと一般的に言われる。

          今回はなぜ尿管を見つけにくいのか、そして、見つけにくいはずなのになぜ安全なのか。独自の観点からわかりやすく説明します。

          側方や後方アプローチの理解もグッと深まる内容なのでお見逃しなく!

          そもそもアプローチって何に対するアプローチ?

          そもそも前方、側方、後方アプローチとありますが、何に対するアプローチなのでしょう?

          正解は、”尿管(及び子宮動脈本管)に対するアプローチ”になります。

          わざわざ手技の流れに”アプローチ”と名前を付けるぐらい尿管及び子宮動脈本管を同定することはとても大切な作業。大型犬、小型犬という分類があるのは犬の大きさに意味があるから。

          同定が大切な理由は、尿管を同定し剥離することで尿管損傷のリスクが軽減し、子宮動脈本管を同定し止めることで子宮本体からの出血が減るから。

          そのため安全に手術を行うために、尿管と子宮動脈本管を同定するようになり、おそらくアプローチというカテゴライズが行われているのです。(そもそも、剥離範囲を広げて尿管同定が必要かどうかの議論は今回は割愛)

          前方アプローチだけの特徴

          簡単に、前方アプローチと尿管との関係を深く理解するための三つの質問。

          ①尿管ってどこについていますか?

          広間膜後葉。

          ②子宮体部の近くを走っていますか?

          いえ、どちらかと言うと子宮体部より骨盤側を走っています。

          つまり尿管は、広間膜の後葉の子宮体部からはなれた位置を走行している。

          では、最後の質問です。

          ③前方アプローチの切開ラインはどこですか?

          広間膜前葉の子宮体部よりです。

          これらを合わせると、どうですか、わかりませんか。

          尿管は後葉の骨盤よりを走行、前方アプローチの切開は前葉の子宮より。

          ・・・・

          気づきましたか?そう、

          ”前方アプローチの切開位置は尿管と真反対の位置”

          だからこそ、安全であり困難。

          つまり、子宮より離れ、後葉にある尿管は、子宮近くの前葉切開から始める遠くからのアプローチであれば、そりゃ尿管に当たるのは遅れる。だから安全で困難。

          ここで一旦、他のアプローチも合わせて、切開ラインと尿管走行の関係を整理しましょう。

          他アプローチ(側方、後方)との比較

          他のアプローチはどうなっているのでしょうか。このブログで提言している広間膜箱(広間膜腔を箱に見立てたもの)で考えてみましょう。(左広間膜腔)

          前方アプローチ

          右上の辺が切開ラインで左下の辺が尿管になり、つまり位置関係的には対角

          側方アプローチ

          側方では前葉を切るのですが、尿管のすぐ真上の外腸骨のすぐ横の広間膜前葉を切って尿管を同定します。

          そのため切開ラインは左上で尿管は左下となり、先ほどより近くなる。

          後方アプローチ

          最後に後方。こちらが一番近い。地雷の場所を先に同定するスタイル。

          腹膜越しに尿管を視認したのち、尿管のすぐ横の腹膜(広間膜後葉)を切開して尿管を同定します。後方アプローチが最も尿管と近い部位を切開しているので尿管の同定剥離が最も早くなります。

          つまり切開ラインは左下、尿管走行も左下。切開ラインと尿管走行とが同じとなる。

          各アプローチと尿管の走行

          側方後方アプローチはそれぞれ尿管近くの広間膜前葉及び後葉を切開しているのに対して、

          前方アプローチでは切開ラインが尿管から離れている。そのため、尿管を見つけるタイミングが他のアプローチよりも遅くなり、難しく感じるわけです。

          前方アプローチがより安全な理由

          では前方アプローチが難しいと感じる理由が距離が離れていることがわかったところで、最後に前方アプローチが安全な理由を述べていきたい。

          突然ですが皆さん、地雷処理を行ったことはありますか?

          え?私?私は・・・

          もちろんない

          皆さんもおそらくないと思いますので、一緒に想像してみてください。

          追手に追われており、地雷が落ちている地域を地雷処理した後に急いで進まないといけないという状況があるする。

          どんな状況だよ!というツッコミは置いといて、次の条件の場合進み方はどのようになりますか?

          • 地雷が見えている場合
          • 地雷が見えていない場合

          地雷が見えている場合は、安全な距離をある程度取りながらも近くを通り地雷処理していくが可能ですよね。確認しながら近くを通ればいいのです。

          地雷が見えていない場合はどうでしょう。なるべくなさそうなところを探りながら、周りの状況を把握しながら少しでも手がかりをつかみながら進むのではないでしょうか。

          前方アプローチが巨大子宮でも安全に手術ができる理由がここにあります。

          そうです。この地雷がTLHにおける尿管となります。

          地雷を尿管として考えてみると、こう言い変えることが出来ます。

          尿管が見えている場合は、尿管近くの腹膜を切開する後方アプローチや側方アプローチでも近くを通りながら処理していくことが可能です。

          尿管が見えていない場合は、尿管からなるべく離れた、構造のわかりやすい円靭帯と前葉を切開する前方アプローチであれば尿管を傷つけることなく周りを処理した後に尿管を処理できる。

          正直、子宮を前屈させることで尿管がわかるような比較的簡単な症例では後方アプローチや側方アプローチのほうがわかりやすいと思います。

          しかし、すでに説明した通り、尿管や子宮動脈の走行がわからないほど大きな子宮の困難症例では、危なくないところから手をつけることのできる前方アプローチが最も安全に手術を行うことができそう。

          そのため常日頃から比較的容易な症例でも、困難症例を意識して前方アプローチで丁寧に広間膜前葉腔を展開し、尿管を同定する作業と経験をつむことで、ステップバイステップで困難症例に臨むことが可能になる。

          どれだけ強力な武器でも、使い慣れていない武器ほど使えないものはないですよね。

          更新は不定期ですが、Xで報告しています。よければフォローをお願いします。

          今日からできること

          選択したアプローチによる尿管の見つけやすさを意識する

          まとめ問題

          前方アプローチが困難な症例でも安全に手術を行うことができる理由はどれでしょう?

          • A. 尿管が見えている場合、尿管近くの腹膜を切開する後方アプローチや側方アプローチでも近くを通りながら処理していくことが可能である。
          • B. 前方アプローチでは尿管から離れた位置で切開を行い、構造のわかりやすい円靭帯と前葉を切開することで、尿管を傷つけることなく周りを処理した後に尿管を処理できる。
          • C. 前方アプローチでは尿管の位置を正確に把握できるため、尿管損傷のリスクが低い。
          • D. 前方アプローチでは子宮動脈本管を早期に同定し止めることができるため、子宮本体からの出血がかなり減る。

          正解: B

          解説: 前方アプローチが困難な症例でも安全に手術を行うことができる理由は、尿管から離れた位置で切開を行い、構造のわかりやすい円靭帯と前葉を切開することで、尿管を傷つけることなく周りを処理した後に尿管を処理できるからです。選択肢Aは後方アプローチや側方アプローチの説明であり、選択肢Cは前方アプローチの特徴ではありますが、安全性の理由としては不十分です。選択肢Dは前方アプローチの利点の一つですが、安全性に直接関係するわけではありません。

          次回はいよいよ、尿管の同定の具体的な方法になります。お楽しみに。